見出し画像

シアスターゲイツ展(森美術館)を観てきました。

見てよかった。森美術館で開催中のシアスター・ゲイツ展。2019年国立新美術館クリスチャン・ボルタンスキー展以降、現代アートでこんなに良いなと思えるのは久しぶり。ゲイツは陶芸、アフロ民藝、平面作品、音楽、タールペインティング、都市再生と幅広く行っている。本棚は都市再生のいちぶとのこと。今回は床を常滑焼の職人が作ったり、本2万冊持ち込んだり、高校教師で陶芸家で2022年に亡くなった小出芳弘コレクション2万点を並べたり、知人の父が集めた貧乏徳利に門(ゲーツ)という漢字のマークを入れたり、日本酒を作ったりと、これまで存在してはいても注目されてこなかったものにゲイツが触ると価値が生まれ再評価の対象になるというもの。この展示はそんな作品のブリコラージュだ!本棚の中にあった隠しアイテム?のリーフレットの彼の言葉は、その矜持なのか、とても印象的。「美術館の空間が新しい意味を持ち、そんな美術館には人びとが彼ら自身の失ったものを見つけるために来てほしい。」                                                                                       作品に突飛な感じのするものはなく、また、映像作品もひとつだけで、全体として、身の回りにあるものを見直し、付加価値をつけて、再構成したように見えました。まさに彼自身の言葉にあるように、観る側が忘れそうになるもので、大切な何かを、ゲイトが提示してくれたように感じました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?