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感性が自らを豊かにも不幸にもする

庭で犬を放しているときに、大きな幸せを感じることがあります。ファクトフルネスを読んで、思ったほど世界の状況は悪くないとはわかったけど、それでも明日の生活がままならない人は少なくありません。そう考えると、犬と遊べる時間があることの、なんと豊かなことか。


豊かさを考えるときに仕事とお金は無視できない

資本主義社会で生きている以上、生きていくためにはお金が必要。そのために誰もが人生の多くの時間を仕事に費やします。

仕事に関しては、若い頃からずっと「やりがい」を追求していて、行き着いたところがフリーランスなわけですが、私の場合はやりがいが豊かさに大きく関係しているようです。

やりたい仕事があるからといって、すべてを捨ててもよいというわけではありません。低賃金、過剰労働、劣悪な住環境だったら、好きなことでも嫌いになってしまうでしょう。若ければ経験を得るためと割り切って、短期間だけ我慢することもできるかもしれませんが。

では私にとって理想の仕事はどんなものかというと、次のような感じです。

・自由な服装
・場所を選ばない
・クリエイティブ系
・十分な収入(重要)

いまのところ、4番目以外は大体できているので(苦笑)、豊かさを感じていられるのだと思います。

若い頃から、とにかくスーツとか装飾品の類が苦手で、腕時計もしません。アップル信者だけどApple Watchを買わないのは、そっちが勝るから。服装は、夏場はTシャツとステテコ、冬場はTシャツと暖パンとフリース。自由な服装で仕事ができているだけで、めちゃめちゃ幸せ。

え?そんなことぐらいで?と思われるかもしれませんが、自分の中ではこれが結構大きくて。仕事のときはスーツの方がシャキッとしてよいという人もいるので、これはもう価値観の違いです。

場所を選ばない仕事を理想とするのは、縛られたくないから。世界のどこででもできるのが目標。いまはそこまでではないけど、自宅で仕事ができているので幸せ。家では仕事に集中できないからと、スペースを借りて外で仕事をするフリーランスもいるので、これもやはり人それぞれ。

フリーになるときに一番の壁だったのが「手に職がなかった」ということ。我ながら無理すぎる(笑)デザイナーとか、システムエンジニアとかで長くやってきた人なら、会社をやめても同じ仕事を続けるのなら、それは「所属」が変わるだけなので、経験値やある程度のコミュニケーション能力があればフリーで稼ぐことは難しくないはず。

しかし私の場合は、独学で未経験職種(ダンボールアートなど職種ですらありません笑)に40歳を過ぎてから飛び込んでいるので、傍からみると無謀に思えたことでしょう。いや実際かなり危なっかしいです。

会社をやめるときは本当に悩んだし、怖くて中々踏み切れなかったんですが、そんなときに独立している友達からこんなことを言われました。

「サラリーマンやってたら大変なことあるでしょ?フリーランスになっても大変なことはある。どっちも同じなら、好きなことで苦労したら?」

この言葉は一生忘れないし、背中を押してくれた友達には一生感謝。この言葉が無かったら、まだ会社員だったかもしれません。会社員がいけないわけではなくて、向き不向きの話。私の場合は実家が自営業ということもあるし、性格的にもすべてにこだわって何でも意見してしまうので会社組織は不向きでした。

いまは好きなことを仕事にしているので、働いているという感覚が薄いです。オンとオフという感覚がありません。

でも独立から6年目に入っても収入はまだまだ不安定。それが一番の課題。親のこと、家族(犬も含む)のこと、病気や怪我、老後、予期せぬ災害など、お金があれば悩みを軽減したり、解決できることは多いです。

贅沢で華美な暮らしをしたいと思わないけど、身内や近しい人達、自分自身に何かがあったときの備えとして、お金は役に立ちます。災害で家を失ったとしても、生きていて、お金があれば再起しやすい。ある程度は貯めておきたいです。


人と比べることが自分を不幸にする

資産家、社会的地位のある人、容姿に恵まれた人、若くして活躍している人など、世の中には憧れの対象となる人がいます。まったく羨ましくないとは言わないけど、そう気にはなりません。そんな人達の見えない側面が想像できるからです。

大企業の役員ともなれば、経済的には豊かかもしれませんが、会社の舵取り、社内政治、公私に渡る様々な付き合い、その立場に求められる振る舞いや服装など、様々な重圧や責任があります。

先日、海外で人気インスタグラマーとして活躍する若い女性が、大好きだった母親に先立たれて摂食障害に陥っていたことを、ファンに打ち明けられず苦悩したという話をNHKで見ました。

若くして資産を作り、経済的な不自由さはなかったけど、友達がほとんどおらず、寂しい晩年だった人も知っています。

SNSを見ていると、他人と自分を比べて落ち込むこともあるかもしれません。私も技術力が高く、センスもよく、ガッチリ稼いでいそうなクリエイターを見て、劣等感を持つことがあります。

でも眩しく感じるその人は、多くを犠牲にして尋常ではない努力をしてきたかもしれないし、人には言えない悩みや葛藤があるかもしれません。

そう考えると、華やかな面だけを見て、すぐに羨ましいとは感じられないのです。生まれ育った環境も、歩んできた道も違う人と比べても、しょうがないと思ってます。もちろん、活躍している人達から受けた刺激を発奮材料にするのはありです。


基準を持ち、ものを減らす

私の場合はずっと理想の仕事や働き方を追い求めてきて、それに近いことができていることに幸せを感じています。最初に入社した会社にずっと勤めていたら、収入はいまの数倍はあるだろうけど、そうしておけばよかったとは思いません。いまがよいので。

そう考えると、何か基準を持つことは豊かさを考えるときにはとても重要。私は若い頃に多くの時間を、その基準を定めるのに使ってしまったような気がします。でも見つかってよかった。人生の早い段階でそういうものを見つけて、そこに突き進んでいる人は幸せじゃないですかね。

話は変わりますが、いま積極的にものを減らしています。人生が突然終わることは年齢に関わらず、誰にでもあり得ることです。そうなったときに残った人達に迷惑をかけたくありません。

お金はきちんと家族に残したいし、サブスクはすぐに停止してもらいたいし、ものは少ないほうが処分が楽なので、できるだけ減らしておきたいです。物欲はあるけど。

色々と先を考えることで新たな悩みができたりしますが、ものを少なくすれば、その負担は減り、心は少し軽くなります。


ささやかな日常に豊かさを感じつつ変化に対応していけるようにしていきたい

住まいは築40年以上で、高級車も持っていないけど、家族がいて、犬がいて、毎日、家で美味しいコーヒーを飲みながらやりたい仕事をして、そんなささやかな日常が、いまの私にとってはこのうえなく幸せ。

コロナによって逃してしまった仕事はあるけど、普段からステイホームなので、生活はあまり変わっていません。悩みがあるのは誰でも同じだし、生まれてこのかた戦争のない国にいて、災害に遭うこともなく、50歳近くまで生きてこれたのだから、運も良かったと思います。

でも、この瞬間が永遠に続いて欲しいとは思いません。そもそもそんなことは無理だし、そんな気持ちでいると変化に対応できず、過去に生きることになるでしょう。「あのときはよかった」みたいな。そうなりたくないです。

これからも色々と良いこともあれば、悪いこともあります。時々刻々と変わっていく状況に流水のように対応できるようにしていきたいものです。

クリエイターとしては、きゃりーぱみゅぱみゅさんのお仕事が人生の頂点として冥土の土産にならないように、もっと精進しておもしろいことをやっていきたいと思います(笑)

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