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超短編小説

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ショートストーリー置き場です。
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#日記

78g8gaeeeeeeeという宿に泊まることにした。

石畳のうえにはねこのうんちがあったが、やがて乾燥した。 その間、私は旅をしていた。佐世保…

鰯崎 友
4年前
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自分が風船をひろったのは親切のためではない

詳しい事情は置いといて、いま自宅で落ち着いてnoteを書ける状況じゃないのである。仕事から帰…

鰯崎 友
4年前
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雨が降りはじめる。

雲行きが怪しくなってきたと思ったら、つぎの瞬間には雨が落ちはじめ、どんどんと勢いをまして…

鰯崎 友
4年前
29

西の生き物 東の生き物

兄の浩二は西に行った。弟の重道は東に行った。西には明日はなく、昨日しかなかった。生物は暗…

鰯崎 友
5年前
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長野県上伊那郡野自利左部神卦村の民話

【2015年に実施した、長野県上伊那郡野自利左部神卦村の民話の調査より】 これもなが、いい日…

鰯崎 友
5年前
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おじいさん犬のトニーが知っていること

おじいさん犬のトニーが知っていることといえば、10年昔のことだ。あのころ、トニーの家の隣に…

鰯崎 友
5年前
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今日はたらふく煮え湯を飲まされたな。

今日はたらふく煮え湯を飲まされたな。しかし、。鱈だというではないか。横っ腹にたらふく、だ。今日はたらふく鱈だというではないか。煮え湯。今日だ。よりによって。たらふく。しかし、論点が定まってきたような気がするな。煮え湯というのは、今日だ。明日のことで、昨日だ。魚だ。鱈だ。山登りにはいい季節だと思うが。しかし、。たらふく煮え湯を飲んだ、というか飲まされたな。横浜か。横浜というではないか。論点が定まってきたな、どうか。ような気がするな。昨日はたらふく冷水を浴びせられたな。浴び方がひ

転生

「先日の大風の止むころより、極楽鳥の羽がこのような命を宿したのです」 親王の言葉に、麗和…

鰯崎 友
5年前
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奥の間に導かれた円儀が目にしたのは、人間の頭ほど大きさの、七色の光彩を放つ繭だ。かたちは…

鰯崎 友
5年前
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使者

剛毅な性格の円儀でも、麗和の死はさすがにこたえた。魂を抜かれたように床に臥する日々を送る…

鰯崎 友
5年前
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麗和

麗和の声が、ここではない何処か別の場所より発せられたかのように聞こえる。天を飛ぶ神鳥のさ…

鰯崎 友
5年前
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小屋の外では風が吹き荒れ、木々を揺さぶっていた。円儀に抱きかかえられた麗和は、ただ暗闇の…

鰯崎 友
5年前
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ケツァール

不意のひと言に虚を突かれ、言葉を失った円儀を尻目に、麗和はなおも続ける。 「山海経に五彩…

鰯崎 友
5年前
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極楽鳥

「苦労して日本まで戻ってきたんだから、こんなみじめな生活とはおさらばだ。お前に美しい衣を着せて、うまいものを食わせてやろう。大陸の鳥の羽を継ぎ合わせて作った、あの偽物を、みこ法師は極楽鳥のものと信じたのだ。出家の身とはいえ、元は帝になるはずだった人間だ。たんまり金や財宝を持っているはずだ。望外の褒美がいただけるだろうよ」  「みこ法師さまにとって、極楽鳥の羽とはそんなに大切なものなのですか」 「ああ、みこ法師の天竺かぶれは只事じゃない。どういうわけかは知らんが。もっとも、