ふしぎそのひと

このnotesは、Fate/Grand Orderのキャラクター“酒呑童子”に対して、…

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このnotesは、Fate/Grand Orderのキャラクター“酒呑童子”に対して、私個人が「鬼、酒呑童子を扱った研究・書籍」を読んで感じたことをもとにした妄想をアウトプットするものです。 はじめて来られた方は「はじめに」を読んでくれるとうれしいです。

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  • FGOの酒吞童子ちゃんを考えるnote : 愚神礼讃

    このnotesは、Fate/Grand Orderのキャラクター“酒呑童子”に対して、私個人が「鬼、酒呑童子を扱った研究・書籍」を読んで感じたことをもとにした妄想をアウトプットするものです。 はじめて来られた方は「はじめに」を読んでくれるとうれしいです。

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愚神礼讃 / Enkomion Morias の話題とマッピング

 さて、酒呑童子の話題について、一段落ついていたが、2020年10月5日、少し手直しを入れていくことにした。  具体的には、表記ブレや、不正確(というか誤っている)内容の修正、そして何より読みづらい文章をもう少し…少しだけ…やわらかくしたり、FGOの引用画像を増やしたり、といったことだ。  それにあたって、本noteの現時点での話題を、マッピングしておくことにした。「酒呑童子一般の情報提供をしながら」「FGOの酒呑童子の妄想を深める」という層構造が、あまりに複雑で・・・・・

    • 茨木童子(ランサー)の霊基と、あったかもしれない末路のハナシ

      茨木童子(ランサー)の持っている槍は、 いわゆる『剣鉾』と呼ばれるものである。 なるほど、ランサーに剣鉾は、いや、京都らしいモチーフで良いですね、 と、思っていただけだったのだが。 今年、3年ぶりに祇園祭が開催されたことに紐づいて、タイムラインで少し見かけた情報から、「えっ、もしかして、そういうことなの?」というストーリィが浮かび上がってきたので、いまさらになって茨木童子(ランサー)のことについて書こうと思う。 すっかり、何も書いていないうちに、2部5.5章「地獄界曼荼

      • 酒呑童子の倒しかた ~源頼光は騙し討ちをしたか?~

         もう2ヶ月ほども前になってしまったが、『幕間の物語キャンペーン 第14弾』でサーヴァント・酒呑童子の幕間2が追加された。  酒呑童子と八岐大蛇(あるいは伊吹童子)の関係性については、以前に、前提とともに紹介したので、いったんは多くは語らずにおく。(言いたいことはたくさんあるが)  その幕間の末尾、『サーヴァント・酒呑童子が目にした説話で語られる、酒呑童子の討ち取られ方/討ち取り方』の話題だが、これがどのような説話を指していて、酒呑童子がどのような思いを抱いたのかというこ

        • Ⅴ.酒呑童子オルタはどこまでハジけるか? 2/2 ~酒呑童子の過去を妄想する~

           さて、前回の続きである。  前回、酒呑童子はその説話の「母体」を中国の説話『白猿伝』あるいは『失妻記』に持っており、その『失妻記』において酒呑童子に相応した立ち位置にあるのが「斉天大聖」という大猿の精だったということをみた。  伝わっている酒呑童子の説話の内側には、大陸(中国)との連動がない以上、サーヴァント・酒呑童子の大陸にいたことがある設定について解き明かす要素が、こういった説話の外側にあるのではないか、と予想しつつも。  説話の「母体」としてのつながりをサーヴァン

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        愚神礼讃 / Enkomion Morias の話題とマッピング

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        • FGOの酒吞童子ちゃんを考えるnote : 愚神礼讃
          14本

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          Ⅴ.酒呑童子オルタはどこまでハジけるか? 1/2 ~酒呑童子説話の「母体」~

           FGOのサーヴァント・酒呑童子は、自らの経歴について、「大陸にいた頃がある」と語っている(酒呑童子・アサシンの幕間)。  その頃の記憶は曖昧模糊としているということだが、  このあたり、説話上の酒呑童子(例えば最古の稿本『大江山絵詞』の酒呑童子)にはまったく無い要素・設定になっている。逆に言えば、説話から引っ張ってきたものでない以上、FGOの世界上ではなにか背景があるのだろう、という事にもなる…(?)  酒呑童子さんのお話について、当初想定していた大きな幹の話は終わり

          Ⅴ.酒呑童子オルタはどこまでハジけるか? 1/2 ~酒呑童子説話の「母体」~

          Ⅳ.なぜ酒呑ちゃんはえちえちしてしまうか? 3/3 ~酒呑童子に使命はあったか~

          さて、前回の続きである。 今回はもうほぼ結論まで辿り着いているので、短めに終わる…つもり。 酒呑童子の「すぐえちえちしてしまう」性質に対し、 前々回の記事では竜宮(仙境)の住人としての「原像」との関連を見出していたが、 前回の記事では、本地垂迹の進行とともに、酒呑童子の「本性(本地)」が「第六天魔王」とみなされ確定していく流れがあることまでみていった。 FGOでもお馴染みの「第六天魔王」の概念に照らせば、「えちえちしてしまう」のは当然…と言えるかわからないが、先ずはその辺

          Ⅳ.なぜ酒呑ちゃんはえちえちしてしまうか? 3/3 ~酒呑童子に使命はあったか~

          Ⅳ.なぜ酒呑ちゃんはえちえちしてしまうか? 2/3 ~酒呑童子とその本地~

          さて、前回の続きである。  前回は、酒呑童子の「すぐえちえちしてしまう」性質に対し、竜宮(仙境)との関連を見出していった。  酒呑童子説話が、『浦島子』よろしく源頼光一行が竜宮を訪れ、王権と紐づく「珠」を持ち帰る「珠取り説話」の類型であるという観点で酒呑童子を捉えれば、サーヴァント・酒呑童子が「えちえちしてしまう」理由は、酒呑童子が「竜宮(仙界)の住人」を原像に持つことに原点が求められるのではないか、ということになる。  しかし今回は、酒呑童子の持つ「珠」が仏教的な概念で

          Ⅳ.なぜ酒呑ちゃんはえちえちしてしまうか? 2/3 ~酒呑童子とその本地~

          Ⅳ.なぜ酒呑ちゃんはえちえちしてしまうか? 1/3 ~酒呑童子の原像(2)~

           話が大詰めにまわってきて、なぜこのタイトルなんだ、という感が自分にもあるが、適切な表現がこれしかないと思われたので許して欲しい。  「(酒呑童子は)すぐえちえちしてしまうんで」というのは『Fate/Grand Order カルデア放送局 Vol.11 黒き最後の神 配信直前SP』での、4thアニバーサリーの酒呑童子さんのイラスト(キョンシーのヤツ)への悠木碧さんのコメントであり、一応引用としての体を保っておこう。  FGOにおけるサーヴァント・酒呑童子は、スキル「果実の

          Ⅳ.なぜ酒呑ちゃんはえちえちしてしまうか? 1/3 ~酒呑童子の原像(2)~

          Ⅲ.なぜ酒吞さんは神便鬼毒酒を飲むか? 2/2 ~神便鬼毒酒の「意味」~

          さて、前の内容の続きである。 <承前(これまでの話の要約)>  以前の内容を要約する。  サーヴァント・酒呑童子の宝具「千紫万紅・神便鬼毒」について、それが何故「なんでも溶かす毒酒」として顕現しているのか、そして酒呑童子はなぜそれを呑むのか、という事の疑問に対して、  酒呑童子にヒトが与え続けてきた幻想を確認すべく、酒呑童子の説話と、酒呑童子というキャラクター自身の「意味」を確認した。  すなわち、酒呑童子の説話の「意味」は、人々が疫病といった正体不明の災禍を捉えなお

          Ⅲ.なぜ酒吞さんは神便鬼毒酒を飲むか? 2/2 ~神便鬼毒酒の「意味」~

          Ⅲ. なぜ酒吞さんは神便鬼毒酒を飲むか? 1/2 ~酒呑童子説話の「意味」~

           サーヴァントは、その死に方が存在と密につながったとき、その死因自体が宝具となる事がある、らしい。  僕もたびたびお世話になっているTYPE-MOON Wikiによると 「このサーヴァントを殺したものはこの宝具である」→「つまりこのサーヴァントの死の傍らにはこの宝具がなくてはならない」という理由で「自分の結末」に関わった伝承の宝具、自分を殺した武器を宝具として獲得する ということらしい。とはいえ、酒呑童子の絆Lv10 でもらえる礼装では、そういった理由では宝具の在り方につ

          Ⅲ. なぜ酒吞さんは神便鬼毒酒を飲むか? 1/2 ~酒呑童子説話の「意味」~

          Ⅱ.なぜ護法少女は魔性特攻を持つか? 2/2 ~酒呑童子の原像~

          さて、前の内容の続きである。 <承前(これまでの話の要約)> 以前の内容を要約しよう。  護法少女(酒呑童子)の魔性特攻の本質は、護法少女自身がキメ台詞として語るような、Fate世界の設定としてある「鬼種」の3つの類型を前提とした「鬼種」に対する裁定権なのではないかという仮説から、  酒呑童子自身は「鬼種」の3つの類型のどれに当てはまるのかを考えていった。「鬼種」の類型は下記のとおりだ。 「超常の鬼」 最初からそのような生物であった人間とは別の一種の幻想種 「化外の鬼

          Ⅱ.なぜ護法少女は魔性特攻を持つか? 2/2 ~酒呑童子の原像~

          Ⅱ.なぜ護法少女は魔性特攻を持つか? 1/2 ~酒呑童子の出生の設定~

           「護法少女は(鬼の)正義の味方、鬼救阿だから、魔性特攻を持っています」という見え方は、もちろんヨタ話的なフレーバー的な要素が影響してはいるだろうけれど、やはり、FGO世界で確立した因果にもとづき、何らかの本質的な意味を裏側に隠し持っているように思える。  あるいは、ヨタ話的に覆われたその見え方は(おそらく酒呑童子本人によって)伏せられているなにものかを隠した結果なのではないか。  そもそも特攻とは何なのか。  源頼光には酒呑童子を含め、多く怪異を討伐した経歴がある

          Ⅱ.なぜ護法少女は魔性特攻を持つか? 1/2 ~酒呑童子の出生の設定~

          はじめに(このnoteはナニモノなのか)

          <はじめに ~このnoteはナニモノなのか~ > 本noteの内容は、Fate/Grand Orderのキャラクターである酒呑童子(酒呑さん、と呼びたいところですが敬称略)を中心に、自分個人の日々の気づき・妄想をアウトプットしていきます。 Fate/Grand Orderというコンテンツの提供する、彼女の『あり方・みえ方』を、より深く・かつ整理して考えてみたい、というモチベーションで書いています。 その手段は、主に、自分が日々読んでいく「鬼を扱った書籍」「酒呑童子を扱った

          はじめに(このnoteはナニモノなのか)

          Ⅰ.なぜ今年は水着酒呑さんが期待できるか? ~『鬼』と酒呑童子~

          2020年6月、マシュのマスターミッションのボイスに夏の気配が降臨した。 『夏の気配が近づいてきましたね。  今年の夏は、かつてない恐怖体験の予感が……いえ、こんな非論理的な意見を言ってはいけませんね。気にしないでください!』 わがタイムラインの酒呑童子狂信者クラスタは、4年越しの悲願、水着酒呑童子さん実装の期待に湧いた。 ただ、直感的には存在する『恐怖体験(いろいろな恐怖体験があるが、ここではいったん、「怪談」という解釈をしよう)と酒呑童子のつながり』について、本来、

          Ⅰ.なぜ今年は水着酒呑さんが期待できるか? ~『鬼』と酒呑童子~