アニソンがたくさん流れるロックフェス~FLOW THE FESTIVAL '24
なぜロックバンドはアニソンフェスに出ないのか
世の中にはアニメソングを専門とする合同イベントがある。たとえば、Animelo Summer Live,ANIMAX MUSIX,リスアニ!LIVEなどだ。リスアニ!は例外だが、一般的なアニソンフェスはカラオケ音源を使ったりイベント専属のバンドが複数のミュージシャンの伴奏を担当している。自前のバンドを連れてくるミュージシャンは稀である。それどころか、ロックバンドの出演自体なかなない。これには次のような理由がある。
フルバンド編成の生演奏というのは十分な準備が必要だ。たとえば、ドラムセットの場合、各ドラムとシンバルの音をひとつひとつ会場の環境に合わせて調整することになる。10年くらいライブイベントを見てきた私の印象では、どんなに凄腕のスタッフでも問題なく楽器と音響を調整するのに10分以上かかる気がする。
これは、合同イベントをするときにとても都合が悪い。セットの転換に時間がかかると、その時間の場をつなぐ必要が生じるからだ。
一方で、ボーカルやダンサーだけのグループが集まって合同イベントをする場合は、次々に入れ替わり立ち替わりパフォーマンスができる。そういうわけで、アニソンフェスにはロックバンドがあまり出ないのだ。
一方で、ロックバンドもアニメソングを歌い・演奏している。FLOWなどが有名であるが、そのFLOWが「自前のバンドで演奏する、タイムテーブル式合同ライブ」を開催した。それが、「FLOW THE FESTIVAL '24」である。
とはいえ、転換時間の長さに慣れていないアニソンファンへの配慮もあった。転換は、前のバンドの撤去→次のバンドの設営→音響チェックという流れなのだが、バンドの撤去と設営の時間はDJタイム、ダンスパフォーマンス、有識者の解説などで時間をつないでいたのだ。これは、他のフェスにも広がっていって欲しいと思った点である。
各アクトの感想
from ARGONAVIS
ARGONAVISプロジェクトの生ライブは初めて見たが、所属バンドをミックスして演奏しちゃうという恐ろしいことをやっていて驚いた。
GRANRODEO
『黒バス』で始まり『黒バス』で終わる。メインアクトの1番手にふさわしい貫禄。KISHOWさんのライブおわりの一言「死ぬなよ」が忘れられない。
KEYTALK
リハと冒頭でキラーチューンを出してびっくり。アニソン少ないと自虐していながらも、持ってるアニソンを出し尽くしていて、イベントへのリスペクトを感じた。
SPYAIR
新体制になっていてもアンセムは健在。『サムライハート』の盛り上がりはすごかった。
KANA-BOON
こちらもいろいろと大変なことを乗り越えてきたバンド。『ゾン100』のOPが聞けてうれしかった。
オーイシマサヨシ
唯一のソロシンガーでありながらも、自前のフルバンド。MCのうまさも相まってまさにエンターテイナー。
ROOKIEZ is PUNK'D
二日目のWelcome Act。全曲アニメタイアップという恐ろしさ。これ、メインアクト扱いしても良かったような。
BURNOUT SYNDROMES
怒濤のアニメタイアップ曲。これだけたくさんのアニメタイアップ曲を持っているのに、アニソンファンが彼らの単独にあまり行かないのは本当に謎である。
SCANDAL
ギネス記録持ちのバンドだけあって、今年のアニソンから10年以上前のアニソンまで演奏した。個人的には『少女S』のMVの振り付け再現が良かった。
ORANGE RANGE
まさかのアニメタイアップ1曲。それでも会場が盛り上がる全国的ヒット曲の連発。恐れ入る。
JAM Project
よく考えればバンドではなくボーカルグループ。アニソン界の生き字引。『ワンパンマン』や『Gong』『SKILL』というアニソンフェスのアンセム連発。
Creepy Nuts
ラジオの縁でオファーとのこと。『Bling-Bang-Bang-Born』はもちろんのことだが、『生業』をこの場で披露したのが心に残った。
FLOW
このイベントの主催バンド。長年アニメタイアップ曲に携わってきたバンドだからできるフェス。一般のロックフェスではコラボは少ない印象だが、このイベントのFLOWはコラボ連発だった。これは、アニソンフェス文化も知っているFLOWならではのことだと思う。
来年への希望
今年でなかったアニメに深く関わっているバンドは多数ある。次回も決定しているので、下記のバンドの出演も期待したい。
BLUE ENCOUNT
TK from 凛として時雨
凛として時雨
UNISON SQUARE GARDEN
いや、マジでお願いします。アンケートにも書きます。
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