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謎のプライド

これは僕が高校3年間の最大の過ちと言ってもいいとんでもないミスの話である。

僕の高校の近くにはイオンがあり、部活の終わりに寄ってジュースやアイスを買ったり、休みの日でも一旦イオンに集合したり、部活を引退してもフードコートで勉強したりと恐らく1年のうちの200日くらいはイオンに行っていた。200でも少なく見積もっている方であるくらいだ。

そんなイオンにはWAONカードというポイントカードがある。

WAONポイントは200円買い物をすると1ポイント貯まり、1ポイントをそのまま1円として使えるおなじみのポイントだ。友達の中にも多くの人が使っていた。しかし僕は1年生のはじめのうちはどうせそんなにイオンにくることもないだろうと思いポイントカードはわざわざ作らなかった。

だが、徐々に部活の友達とも仲良くなり毎日のように通うようになると、特にバイトをしているわけでもなかった僕はだんだんお金がなくなってきた。

しかし他に別にお金を使うこともなかったので気にせずイオンでお金を使いまくっていたのだが、大学受験が近くなると塾までの交通費や参考書などでお金を使う機会が増えてきた。そうなってくるとイオンでそんなにお金を使うわけにもいかない。どうしてもお金がないので貯金をおろしたりもした。参考書もどれを買うかよく調べてできるだけ無駄にならないようにし、買うジュースを安いやつにしたりなんとなく節約するようにした。

行くたびに友達がポイントを貯めているのを見ていたが、毎回のようにカードを出すのがまず面倒だし、ここでポイントを貯めはじめると今まで作らずに買い物してきた分のポイントが無駄になってしまうという謎の考えで作らなかった。

しかしある時、いつものように友達とイオンに行くとまた友達がWAONカードで買い物をしていることに気づいた。
普段はそんなに気にしていなかったのだがそこでつい考えてしまった。
「もし高校一年のはじめにWAONカードを作っていたら何ポイント貯まっていたのだろう」

仮に前述の通り年に200日行ったとして、ジュースとちょっと軽食やアイスを大体買っていたので一回250円使っていたとすると
250×200×3=150000
150000÷200=750
なんだ750ポイントか。そうでもないや。と一瞬思ったが、イオンはたまに100円で1ポイントに日があったり、そもそも200日というのは少なく見積もっている。食べ物以外にもマンガやゲームを買うこともあったし、一回250円と言ったがそれも割と最低ラインで昼ごはんを食べるときは1000円くらい使っていたし、たまにちょっと高いアイスを買ったり、部活用にジュースを買って終わってからも買ってという日も結構多かった。

そういうのを考えるとキリがないが少なくとも1000ポイントは軽く超えている。

まあ1000円くらいなら…と今なら思えるかもしれないが当時は高校生だ。バイトもしてないと1000円でも十分大金なのだ。1000円あれば参考書をもう一冊買えたかもしれない。部活帰りにラーメンを食べに行けたかもしれない。

長期的に考えると大した額ではないが本当にお金がないと思うたびにこのことをいまだに思い出す。
無駄遣いも気をつけたいがこの謎のプライドに邪魔されずに良い選択ができるようにしていきたい。
そして未だにWAONカードは作っていない。もしイオンが最寄りのスーパーの家に引っ越すことがあれば真っ先に作ろうと思う。

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