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ザンボラー最高!--- ザ・ライズ・オブ・ウルトラマン

気になっていたマーベル版ウルトラマンの日本語訳が出版されたので衝動買い。ちょっと2500円はお高いけど、まあお布施であります。

アメコミを買うのは久しぶりなんですが、最近のアメコミってフルカラーでこんなに美麗なんですねえ。まあ僕が買ってた頃はもう40年くらい前ですから、ちがうのも当然ですね。僕にとってアメコミの映画化と言えばクリストファー・リーブのスーパーマンで、月刊スーパーマンを読み漁っていた世代ですから、マーベルよりDCのほうが馴染みがあります。マーベルなんてダサくって読んでられないと思ってました。今のマーベルの隆盛なんて嘘みたいですね。

で、このウルトラマンなんですが、マーベルといいつつ、いつものマーベルのロゴは無く、マーベル色は意外と薄いです。MCUとは違う世界ということなんでしょう。というか、ザラザラの紙に目の粗い網掛けというのが僕にとってのアメコミなので、アメコミを読んでいる実感があまりないです。でもこれはこれで漫画としては面白いです。

最近のウルトラマンの漫画と言えばNETFRIXでアニメ化もされた『ULTRAMAN』が記憶に新しいところですが、あのアイアンマン的ウルトラマンよりは、こちらのウルトラマンのほうがちゃんとウルトラマンしてます。どちらかといえば、世界観としては『ゴジラS.P.』に近いかも。

物語は基本的にウルトラマンとハヤタが出会って一体化し、これからの彼らの使命が暗示されて終わります。それなりに難しい理屈がついていて、ちゃんとストーリーを追おうとすると結構大変です。やっぱり子供のころから怪獣に慣れ親しんだ自分たちとちがって、向こうの方たちは「なぜ怪獣が現れるのか」ということからスタートしないといけないんですね。僕なんかやっぱり無意識に「八百万の神」という刷り込みがあるせいか、海には海の、山には山の怪獣がいて当然みたいなところがあるのですが、そういう納得の仕方はしてもらえないみたいですねえ。そのため前半は多少読み進めるのに苦労します。でも最終的に怪獣の謎とウルトラマンの使命がくっきりと見え始めてからの後半の盛り上がりはなかなかで確かに映像化されたら盛り上がるだろうことは想像つきます。もう普通に見たいです。

物語の難しさはさておき、1冊目から怪獣がたくさん登場して賑やかです。コマ割りもダイナミックでマッチョなウルトラマンの躍動感も素晴らしく、眺めているだけで楽しいです。まず怪獣のチョイスが渋い。後々のために有名どころを温存したのだと思いますが、ガブラとザンボラーをあんなふうに描いてくれるなら、今後に期待せざるを得ないです。特にザンボラーの登場は大迫力で、ザンボラー好きの僕としてはこのカットが本書のベストカットだと思っています。そして、ベムラー。奴はやっぱり特別な怪獣なんだなとつくづく思います。

まあこのマーベル版ウルトラマンが向こうでどれだけ受け入れられているのかは全く知らないのですが、うまいこと成功するといいですね。そうすると僕のひそかな夢である「エイリアンVSバルタン星人」に一歩近づきます、ふふふ。

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