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16時間目 先住民族たちの奇襲

このお話は100%フィクションです。
(1時間目からお付き合い頂ける方はこちら

ここに、国から認められていない集落があった。

小さな島に築かれた、その村の名前は「うさん村」

この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。

ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。


※前回、キナ臭島に住む先住民族「隠れカマシタン」と「ヤミ陰陽師」の商業地域に対する奪還作戦を耳にした一同。その時、商業地域から黒煙が上がったのである…。先住民族と繋がりの深い、チェリー・サワタは説得に向かうのだが。前回のあらすじはこちら




それでは本編をどうぞ


「村民デモ」翌日の夜明け前、キナ臭島から無数の船が商業地域へと向かっていた。



ヤミノ・ペイメイ:「ワラワ達の土地を荒らし、環境を壊す憎き経済人(ビジネスパーソン)どもを一掃しようではないか!さあ、進むのじゃ!!」

カマクサ・ムシロー:「ペイメイ!朝方やつら経済人どもが豚箱(会社)に収まったら、一斉に総攻撃を仕掛けるぞ。総本山はバナナ社だ!」



※うさん商業地域 バナナ社 最上階



エレベーター:「チーンッ     ウィーン」


かつのカケヨ社長:「おはよう。皆んな、昨日の村民デモの事は聞いているわね。タナカ村長が公費の不正利用をあばかれて、訳を知った警察署長の上杉さんの同意の元、村民達の手によって留置場に拘留されたわ。今は、村の行政機関も機能していないの。午後からは村民会議に呼ばれているから、今日は皆んな宜しく頼むわね」


社員達:「承知しました!」

社畜1号:「この際、カケヨ社長が新しい村長になった方がいいんじゃないですか?」

社畜2、3号:「そうだ!そうだ!」


かつのカケヨ:「私はそういうの興味ないわ。村に経済では貢献するけど、政治的なものは好きじゃないの。今日の村民会議で新しい村長の立候補を募って、選挙戦が始まるはずよ」




パリーンッ!


ドンッ



外からの声:「ワァーワァー!!」




一同:「!!」


かつのカケヨ:「何の騒ぎかしら?」


社員:「た、大変です社長!訳の分からん連中が商業地域を奇襲し始めました!周辺のビルから煙があがっております。我が社のビルも危ない!」


かつのカケヨ:「どういうことよ?」









カマクサ・ムシロー:「おい、皆んな!ここにいる経済人どもには手は出さなくていい、抵抗してくる奴だけ縛り上げろ。経済人には占領した後でみっちり働いてもらうからよぉ」

ヤミノ・ペイメイ:「ワラワ達はバナナ社を攻めて、かつのカケヨ社長を捕まえるのじゃ!」

ヤミノ・ウマコ:「ペイメイ姉さん。手荒なことはしない約束ですからね!」

ヤミノ・ペイメイ:「わかっておるわ。じゃがウマコ、これは戦じゃ。場合によっては甘い考えは捨てることじゃ」





※バナナ社 最上階

社畜1号:「いったい奴らは何なのですか?」

社畜2号:「あっ、隣のビルもやられた!次々にビジネスマン達が村の方に逃げていくぞ!我々も逃げねば」

社畜3号:「イヤん!怖ーい!」



社員:「火炎瓶の様なものが投げ込まれ、我が社も3階と8階から煙があがっています!下の階の社員の報告によれば、怪我人はいない様です。皆んな商業地域から村の方に退避させています!」



かつのカケヨ:「わかったわ!私たちも逃げるわよ。エレベーターは危険ね、非常階段から逃げましょう!内線電話はまだ通じるみたいだから、各階に非常階段で逃げる様に伝えて!」



※バナナ社 1階 喫茶店ニシキノバックス前

ヤミノ・ペイメイ:「次から次に経済人どもが逃げていくねぇ。まるでアリの巣を見てる様じゃ、社長のカケヨはまだ降りて来んのか。見つけるのが困難じゃのぉ」

ヤミ陰陽師:「ペイメイさま!カケヨ社長の旦那を捕まえました!事前の潜入調査で確認しているので間違いないです」


マルコス・ボーロ:「なにするんだヨ!大乱行ふんどしブラザーズのプレイ中なんだから邪魔しないでくれヨ。プロゲーマーになれなかったらお前たちのせいだからネ!」

ヤミノ・ペイメイ:「この男の甘えきった目つき。なぜじゃ、無性に殴りたくなるのは!まぁ良い。かつのカケヨ!!お主の旦那を捕まえた!返して欲しければこちらに参れ!」

社畜1号:「まずい…。あのポンコツ亭主め捕まりやがった!社長、行ってはなりません!」

かつのカケヨ:「ボロちゃま!!あぁ可哀想に、今行くわ!…1号。夕方から重要な商談があるの。もしも私が戻って来られなかったら、マイクノハード社のピル・ケッツ社長に日程変更の連絡をして。世界的な起業家だから、くれぐれも失礼のない様に伝えるのよ」

マルコス・ボーロ:「ヘイ!マイワイフ!!早く助けろヨォ。僕チンが可哀想だろ」

かつのカケヨ:「あなた達、もしかしてヤミ陰陽師でしょ。何でこんなことを…。ボロちゃまを返しなさい!」

ヤミノ・ペイメイ:「返してもいいけど、あなたの身柄と引き換えよ。ほれ、その甘ったれ坊やを離してあげな」

マルコス・ボーロ:「おい、まてヨ。カケヨがいなかったら僕チンの飯はどうなるんだヨ」



バシッ!

ヤミ陰陽師:「クズめ!去れ!!」

マルコス・ボーロ:「ヒェー!僕チンを叩くなんて信じられないヨ。うわーん!」

タッタッタッ

ヤミノ・ウ:「カケヨさん。抵抗はしないで、手荒な真似をするつもりはないから。しばらくの間、付き合ってもらうわ」

かつのカケヨ:「まったくもう。この村は次から次に大変なことが起こるわね。そろそろ本社の移転を考えようかしら…」






※ヒノキダ治療院では


いつもタツオ:「まずいのぉ、商業地域の煙はどんどん強くなってないか?本当に隠れカマシタンとヤミ陰陽師の仕業なのか…」

経済人:「うぅ、何とか逃れることができたか…」


村民:「おい、お前大丈夫か!商業地域から逃げてきたのか?」

経済人:「あぁ、俺は100メートル10秒フラットで走るスプリンターだ…。うさん村大運動会の大会記録も持っている。一刻も早く村の皆んなに知らせようと、ダッシュで走ってきた。商業地域は先住民族の隠れカマシタンとヤミ陰陽師によって占拠された。バナナ社かつのカケヨ社長は先住民族に捕らえられてしまい、商業地域で働く人々は、村に逃げ込んで大混乱になっているよ」

ウマミ・スー:「カケヨさんが捕まっちゃった、大変!」

スプリンターの経済人:「おそらくは、うさん美術館あたりで抵抗する村民と先住民族が戦ってるんじゃないかな。あの辺りには近づかない方がいい!」

一同:「!!」

シメノ・ダイフク:「うさん美術館にはモプコがいるはずだ!!」

いつもタツオ:「モプコが危ないぞ!」








※うさん美術館


カモシカ・ポクサイ:「なんだか外が騒がしいのぉ、また村民デモが始まったのか?」

ユカノ・モプコ:「ポクサイ先生!商業地域から煙が上がってるっす!次々に人の群れがこっちに向かって来てらぁ!」

社畜1号:「くそ!カケヨ社長のところに行きたいが、アイツら相手じゃ歯が立たないぜ」

ヤミ陰陽師:「オラオラ!俺たちの領土を拡大させてもらう!逆らえば杭に縛り付けるぞ」

ヤミノ・ペイメイ:「おや、うさん美術館か。おぉ〜カシマシカシマシ!ワラワの占いによると、この美術館に『うさん島』全域を支配できる鍵が眠っているようじゃ。石像に埋め込まれているようじゃな!」

隠れカマシタン:「よし!根こそぎ奪い取っちゃおうぜ!!」


ユカノ・モプコ:「わぁー!敷地に入ってきた。ナンマイダァ〜ナンマイダァ!ひぇー殺されちまう!」

カモシカ・ポクサイ:「モプコ、静かに。もはや息を潜めるしか無かろう…」

隠れカマシタン:「気色悪いガラクタばっかじゃねぇかよ。見渡す限り『尻』ばっかり」

ボカンッ!!


「ぎゃぁぁぁぁぁああああ!!」




ヤミ陰陽師:「…。」


隠れカマシタン:「おい、どうした?」










ペイン・ポスギ:「おい!人ん家の土地で悪さしてんじゃねぇよ!!」


「!!」

村民ども:「ポ、ポスギ!!よっしゃコイツらをブッ飛ばせ!!」



-ナレーション-

まさかのポスギ登場に村民達の歓喜の声。普段は村全体から煙たがれていた「ぷぅ太郎忍者」は汚名返上となるのか!

最後まで読んでくれてありがとう。

完全なる自己満足の物語「嘘つき養成講座」も、一歩づつエンディングが近づいている。もう少しだけお付き合いして頂きたい!

このつづき17時間目はこちら気軽に読んでね♪

-つづく-


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