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夢現(ゆめうつつ)#11


同じ中学から来た
友人たちの
悪い癖は
以前お話ししましたね

合図を送りあって
「親友」と称しながら

笑いものにしたり
揶揄する行動に
私はどうしても馴染めず
ひとりを貫いていましたが
山間の田舎
分校から進学してきた
ひとりの子が
妙に懐いてきました

寂しいもの同士
一緒にいようと
思ったのでしょう

高校の中では
私の居た中学からの
進学生が
7割を占めていましたので
圧倒的与党ですよ

おまけに変に
プライドも高いから
他校を一段も二段も
下に見てる

だから、与党に入るのは
至難の業
(ばかばかしい)


皆が機嫌取りを
していることが
更に私をグループから
離れさせる事に
なっていきましたが

先ほどの「有紀」は
田舎丸出しながら
私に、少なからず
憧れみたいなものを抱き
仲良くなりたいとの
思いが
素直にわかる人でした

裏表のない女の友人は
希少です

人見知りをする私でしたが
やっと
一緒にいても苦痛ではない
同性の友人ができました

私の性格上、一人いれば十分

いつの間にか
彼の居るグループにも
遊びに来るようになり
そこで有紀も彼ができました


おかしな表現ですが
ヤンキーの中には
「彼女」の
ランク付けがあります


私と有紀は「本妻」と
称され
友人たちからも
尊重されます


それは男側から見た
本気度により決められ

他はすべて
「遊び」なんです


ある日、親が不在がちな
男の友人宅に遊びに行き
10人くらいで
過ごしていました

私と彼

有紀と彼

他に一つ年下の女の子

私たちと
上下1~2歳くらいの
男子5人ぐらい


女の子と一人の男子が
何やらコソコソ話しています

漏れ聞こえたのが


「なぁ、いいだろ」

「うふっ、仕方ないわねぇ」


そういうと襖で隔てた隣室に
二人で移動しました

意味が分からないことと
興味が無かったので
そのまま
意に介さずいましたが
しばらくすると
男子だけが出てきました

別な男子が
「俺も」

言って隣室に消え
同じことが
数回繰り返されました


自分の彼に聞いてみると
「野暮なこと言うなよ」と
言われましたが

よくわかりません


仕方がないので
有紀に聞いてみると

「みんなで
  輪姦してるのよ」

「合意だから
  何も言えない」

「あの子(女の子)は
  してもらいたくて
    来たんだから」


俗にいう
「させこ」という
誰にでもさせる女
だったらしい


私と有紀には
ありませんでしたが
他の女の子は
くるくる変わって
そのほとんどが
同じような扱いでした

そんな中にいると
私も彼と自然と
男女の触れ合いを
するように
なっていき

最初はキスだけでしたが
そのうちに少しずつ
深い中になり


それは有紀たちも
同じでした

と、同時に

彼らの違法な遊びにも
手を出してしまったのです


自分の「女」に
できたことで
気が緩んだのでしょうか


私たちの居るところでも
薬物を使うようになり


ハイになっている彼らを
数時間、じっとそこで

見ている?

待っている?

手持無沙汰から

いえ、本当は興味から

つい
手を出してしまい

それからは
週末ごとにたまり場で
キメていました

脳に絶え間なく来る

快感と開放感
あっという間に過ぎる時間

覚めたときに
よだれを垂らしていたり

幻覚から奇声を発して
うるさかったと
轡をかまされていた
こともありました

依存性が少ないとはいえ
(そう聞いていた)

夢中になり
ある事件が起こるまで
1年ほど使い続けました


煙草も覚え
立派なヤンキーに
いつしか
成っていったのですが
私と有紀が
他の女と違った点は

学校には必ず行く

見た目は普通

試験は悪くとも「中」を維持

夕方は決められた時間に
必ず帰る

外泊はしない


他の女たちは
家出同然に男と過ごすので
不特定多数の男たちに
まみれていましたが

本人はもとより
男たちも
欲望のはけ口くらいしか
思っていないらしく
日時も昼夜も関係ない日々


私たちはその中において

位の高い「女」

貴賓として
大事にされておりました

毎日の重ねから私なりの 「思い」を綴っております 少しでも「あなたの」琴線に 触れるものがあれば幸いです 読んで下さり、ありがとうございます