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オッドアイ#8


日本自衛隊の潜水艦は
原潜ではないから
長時間潜水できず

定期的に
浮上しなければならない

時代錯誤で
致命的なデメリットを
後生大事に維持している

被爆国だから
「非核3原則」を
遵守する国民性が

自国の安全を
危機的状況に
晒していることに
何の疑問も抱いてないようだ

戦争をするのではない

最低限の防御と抑止のため
原潜の是非は
議論して然るべき

議論なのだよ議論

それすら
反対、反対と
叫ぶ輩は

折衷案どころか
なんの打開策すら
持ち合わせないまま

シュプレヒコールを
上げ続けている

こんな危機的な状況でも
相変わらず
他力本願で
自己中心的な考えの
日和見主義は

自分たちがしないから
相手も何もしないと
思っている

そんなわけ無いだろう

楽観主義にもほどがある

戦争になったら他の国が
守ってくれるなど

何を根拠にこんな
愚かな自信を持つのだろう

戦争になったら
皆、自国で
精一杯になるし

下手に応援すると
世界大戦に
発展しかねないから
傍観もしくは
消極的な協力に
決まっているだろう


「私たちは戦争しません」と
自慢がましく
高らかに謳っていても

相手が攻めて来たら
やられるに任せるのか?

誰か、代わりに
戦ってくれるまで
為すがままなのか?

守るための装備すら
現実、日本は
1週間分あるか無きかなのに

反対しか言わない人達は
いざというとき
どうするつもり
なのだろうか?

着々と狙われていることに
気付いて欲しい

戦争は双方の合意のもとに
始まるのではない

綺麗ごとで取り繕っても
一方的な侵略のもとに
始まるものなのだ


A氏の暗殺により

世界のパワーバランスに
不均衡が生じ
状況がどう動くか
これからが問題だし
先が読めない



おや、どうやら
C国ではなくNK国に
獄界の接触があるようだ


「レオン召喚、飛ぶぞ」

の声に
瞬時に現れたレオンは
コンマ数秒でニキに従う

あとに
「はい、ニキさま」
の返事だけがとり残された

NK国の代表は若く

だから、持ちあげるのも
脅すのも容易い

親政を敷いてから
反対勢力は
身内で在ろうとも
容赦なく粛清してきた

「血縁」よりも
権力のほうが
重要なのだ

殺さなければ殺される

長年の強権運営の弊害で
進歩進化のもとになる
自由競争がなかった

統制の悪影響で
没個性的な国家となり

生かさず殺さずの理念のもと

国民の自立性も
許さなかった

結果として
一世紀以上前の錯誤時代に

取り残されている国が
出来上がっている

経済的には破綻しているが
搾取や諜報活動で
得たものや

C国からの貸し受けが
GDPの7割を
超えている現状

そんな
四面楚歌の状態に
魔手が伸びていた

C国を中心に
放射状に張り巡らした
探知の呪文に反応があり
NK国が引っ掛かったところだ

NK国のK代表は
多くの自国民の心魂を
犠牲にして己の
身体の回復を図ったようだな

飽食のせいで末期的な
自分の身体の補修依頼

数か月かかったが
痩せた

健康な肝臓に取り換えて
命拾いをしたようだ

Tで横行している
C国マフィアの人材派遣を
悪用した誘拐

甘言を弄して
自ら渡国するよう
経費もすべて供与するが
到着した途端
パスポートは取り上げられ
特殊詐欺の片棒を担がされる

一回だけ自国の肉親に連絡が
許されるが
身代金を払えないとわかると
The  End

過酷な労働や
人身売買市場で
何回も転売され
奴隷となるしかない

脱走を図ろうものなら
生きながら臓器を摘出され
売買される

女性は窟で春をひさぐ

いずれも
利用価値が無くなったら
臓器を売られ

残った体は
マフィアが飼っている
権力の象徴「虎」の餌にされ
痕跡すら残らない

または、粉砕機で砕かれるか
生きながら焼かれる

鬼畜の所業が数十年前から
受け継がれ

臓器移植の待機が数時間

世界でも有数の移植実例を
持つ国がC国という恐ろしい
事実に獄界の影響を
実感せずにいられない


今年に入って
5000人以上が
Tから途国している

身内から捜索願が
出されたのは
僅か400件

そのうち奇跡の生還
(身代金を払った)
出来たのは
40人ほど・・・

今後、世界で大きく
取りざたされるであろうが

K代表は
このルートで適合する
臓器が見つかったので
生体移植し
延命を果たしたという訳さ

K代表の周りで
悪鬼が嬉しそうに
心魂を食んでいる

汚れていない心魂が
数百人分捧げられていて

食うのに夢中で
私たちに気が付かない

此れなら楽勝だ

私とレオンは
本来の姿に戻り

神域の力を持ちて施す
「滅し」の徳を行使する

悪鬼が逃げられないように
レオンが結界を張る

汚れた悪鬼めがけて
私の弓を・・・放つ

ユニコーンの角で作った弓は
聖なる導きと浄化に
満たされており
つがえた光の矢は
五次元を移動し
私の目するところに
放った瞬間に到達する

悪鬼の額の真ん中に命中し
声を上げる暇もなく

悪鬼は「じゅぅぅぅー」と
焼けただれ霧消した

囚われていた
無垢な心魂は解き放ち
天上界への雲に乗せたが

魂すら、やせ細り
通常の2/3ほどの大きさだ

輝きも弱く色も白っぽい黄色

本来は5色の
エナジーカラー
いずれかのはずだが
それすら
無くしてしまっている


生前、飢えや寒さに苦しみ
言葉すら自由に発せない
患っても治療すらできない
もう、十分苦しむ
「生」であった

報われる転生を
得られるよう
願うのみだ・・

交換条件の無垢な心魂を
解き放ったことで
獄界とK代表の取引に
不履行が発生したから

K代表は余命を
大きく削られる
事になるであろう

これも自業自得よの

今回の救済により
私たちの存在は
獄界に察知されたろうが
下っ端などに
見つかりはしないし
奴らに対して
良い牽制となるはず

ふむ
来たついでだ
高官にも付いている
悪鬼を掃除しておくか



NK国全体の穢れを
見てみると
「まみれている」

・・・多いな

「レオン、全体に」

結界を広げさせた


レオンの銀眼が
一段と強く輝き
瞳と同じ色の
銀髪がたてがみの様に
たなびきながら広がっていく

途中から見えないほどの
細さになり
少し冷たい風が吹いた

そんな、わずかな速やかさでNK国中を覆いつくした

力を使うとき
レオンの体は
澄んだ空気のように
透明になっていく
光線の加減で虹色に光り
しなるクリスタルみたく
美しい

全てが覆いつくされるのと
同時に
結界ドームの頂点に
私が降り立つ

純真なものには
私たちの本来の姿が
見えるかも知れない


導きの女神が
降臨したと・・・

緑と金のオッドアイが
見つめる下界で
隠れる得る場所はない

体の何倍にも大きく広げた
純白の両翼

眩しくて見えないほどの
光輪(halo)が全身を包む


足元からは黄輪が
幾重にも重なるように
頭に向かって
絶え間なく立ち上り

空天にまで到達するような
逆立つ長い白炎の
髪の先に消えていく 

大理石のような深い白の肌が
内側から光を放ち始め

「滅」と「導き」が始まる


緑と金の眼から
発せらるる光は
天界、黄泉界それぞれに
行くものに道を示し

大きく広げた腕と翼から
ひと羽ばたきごとに
獄界の悪鬼を滅する炎が
結界全体に降り注ぐ

恵みの雨のごとく

赦しの灼熱業火が
絶え間なく降り注ぎ

NK国に潜む
無数の悪鬼たちは
焼かれて
あちこちで黒い霧となり
立ち昇る


逃すものか…

その黒霧すらも
白炎で
焼き尽くし浄化した


僅かな時間ではあったが
膨大なエネルギー塊の放出

流石に
大きく力を使うと

つ か れ る・・・

落ちかけた私を
「ニキさまぁ」
と叫びながら
レオンが慌てて支えてくれた


「やりすぎですよ」

「そうだな
  少し無理した」

K代表が
心を入れ替えるなど
あり得ないが

少なくとも善意の
心魂の救済と
小物だが悪鬼の殲滅はできた

この国の哀れな国民は
「餌」にされるために
生まれて来たのではない

ここを拠点に悪鬼が
増え強大になることも

幾分かは抑止できたはずだ

人間は
心弱き生き物

苦しさから
悪鬼を自ら招く愚かさを
私は承知している

一時しのぎなのかもしれない



幾分か・・・
マシになるだろう


2022.08.03著



























毎日の重ねから私なりの 「思い」を綴っております 少しでも「あなたの」琴線に 触れるものがあれば幸いです 読んで下さり、ありがとうございます