七色いんこ 手塚治虫
友人から手塚治虫の「七色いんこ」をプレゼントされた。漫画を読む習慣が生活になかったけど、本も音楽も昔の作品に惹かれてしまう私にとってとても嬉しい贈り物だった。
以下、手塚治虫のホームページから引用した七色いんこのあらすじです。
漫画の感想を書く前に、日常的に漫画をあまり読まない生活をしていたのでいざ漫画を読むとなると、1コマ1コマの完成度の高さにうっとりしてしまいなかなか次のページをめくることが難しかった。漫画家さんたちが生み出す作品の労力は本当に凄いなと圧倒された。
代役専門の天才役者かつ泥棒の七色いんこが様々な演劇を軸に話が進んでいく。これも偶然だけど、ちょうど戯曲に興味があったので漫画を読むことによってこんな演劇があるのかと勉強にもなった。一話完結型で話が進んでいくので隙間時間で読めるのもちょうど良かった。
七色いんこの他に女刑事の千里万里子と犬の玉サブローというキャラクターがいて話の展開が進んでいく。
私は特に玉サブローが大好き。普通、犬のキャラクターを描こうとするとき可愛かったりカッコよかったりすると思う。だけど玉サブローは1番、欲を表にだしていて犬なのに人間味があった。犬に人間の煩悩的な感情を当てて表現しているのがとても良く愛らしかった。
1981年から1982年に週刊少年チャンピオンで連載されていたこの漫画。当時の時代の匂いがするようなトレンド的な表現もあったりしてとても面白い。何気なく描かれている喫茶店や家具、洋服も魅力的だ。
その中には、人種差別や同性愛などもユニーク的に描かれている場面がある。この問題自体については誠実に考え向き合う必要があることは前提として、あくまでも当時は大衆向け漫画として連載していたことを鑑みると、当時の時代に生きている漫画だったんだなと感じる。
七色いんこの内容は全体的にはクスッと笑えたり、金持ちから金品を頂戴してスカッとしたりテンポ良く読める作品だ。しかし、後半にかけて大きなストーリの展開がありぐっと引き込まれる。最後の伏線回収は圧巻だった。
手塚治虫文庫全集なら3巻で全部のストーリーが読める。ジーパンの後ろポケットに入るサイズで手塚治虫作品が読めるってことです。
今後好きな漫画は?と質問された際の答えの一つとして手塚治虫の「七色いんこ」ですと答えるかもしれない。それぐらいとても良いし皆さんにおすすめしたい作品だった。プレゼントしてくれた友人にももう一度感謝したい。素敵な漫画に出逢わせてくれて本当にありがとうございました。
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