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「ゲストの要望通り」に逃げるな。

今回はスキルというよりも精神論的な記事を書きます。

今回取り上げたいのは「ゲストがそう言っているので…」と言って、無理を承知で強引に要望通りの形を実現させようとする考え方についてです。

接客サービス業には「接客にNOはない」という格言のようなものが存在します。
これは以前に記事にした「お客様神様論」に基づいて言っている人が言うと違う意味になるのですが、私も基本的には同じ考えです。

ただ、実際問題として、出来ない事はあります。

その原因は、金銭的なものだったり、環境的なもの(設備がない、容量がないなど)などいろいろ挙げられます。

しかし、それを無理やり要望通りの形にしようとして、悲劇を生んだ例をたくさん見てきました。

それは、なぜ起こったのか。

それは「ゲストが要望している」形を現実的には無理がある部分があるとわかっていながら、何の対策もせずにその形に近づけようとしたからです。

サービスを提供するものとして、大切な事は「イメージをよりよい形に現実化」することです。

つまり、ゲストに対して、出来ない事は「出来ない」と理解してもらった上で「対案」を出すということです。

出来ない事はどうやっても出来ません。それを無理やり形にすることは出来ますが、それにはかなりのリスクを必要とします。
そこで必要なのが要望された形100%ではないけど、その環境下で出来る形にカスタマイズした「対案」を出せるかです。

「ゲストがこういう形を望まれるから」と言って、それをそのまま形にしようとするなら、別にそれはプロに頼む必要はありません。
ゲストが思うイメージをいかに現実に沿った形にカスタマイズして提案し、実行できるか。
もちろん「対案」を出す過程には、ゲストに「出来ない事を出来ない」と理解していただくことも必要となってきます。

しかし、出来ないと言われたことよりも、それ以上に現実的で素晴らしい「対案」を提示できれば、ゲストはきっと満足していただけるはずです。

接客サービス業を生業とする私たちは、時にはゲストの要望を否定しなければならないという恐怖と向き合い、それ以上に素晴らしい「対案」をひねり出す苦労を惜しんではいけません。

「ゲストがそう言っているので」という言葉に逃げずに、よりよいサービスを提供するために何が提案できるのかを考えられるサービススタッフでありましょう。

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