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お客様は神様なのか?

今回は理想の接客サービスの5項目の中にも挙げた「等価交換を理解し意識したサービス」を考える元になった事を書いてみようと思います。

接客サービスをしている人ならほぼ確実に聞いた事がある言葉

「お客様は神様です」

ひねくれものの私としては、この仕事を始めた早い段階から怪しい言葉だなと思っていたのですが、それが決定的になったのが、外国人のお客様を接客していた時でした。

欧米諸国の人達は、自己主張が激しくてわがままなんだろうなと。それこそ「俺達は客だぞ」と普通に言ってきそう…と本当に勝手な偏見があったのですが、実際に接客をしていくうちに、それは間違いだと気が付きました。
それは、
自分の思う事は言葉にして主張する。でも、相手の主張も聞く。

海外の方々にはこの姿勢の方が多いなと気がついたのです。
それがゲストとサービス提供者の間なら、提供者としては、ここまでのサービスをこの金額に設定しているという説明があります。ゲストは、もしもっと手をかけたサービスを求めたい時には、追加で料金を支払うか、別の場所にそのサービスを求めるしかない。
この話し合いがちゃんと成立するんです。

私は、これを「等価交換のルール」と名付けたのですが、欧米社会にはそれがある。

つまり、ゲストと提供者は基本的には対等。
金額に応じたサービスという商品を提供する、または受ける。
まさしく「等価交換」
もちろん、それが本当に等価なのかという議論は起こるのですが、基本的にはゲストは提示された金額のサービスを受け、それ以上を求めるには追加の金額を支払う。このルールが一般化されています。

その金額で決められた価値以上のものを提供したいと思うのが、日本人特有の考え方で、これが世界に誇る「おもてなし」の心
しかし、悲しいかな日本人にはその心を勘違いしているゲスト側が多い。

どちらが偉いの問題ではなく、どちらも対等なんです。

日本人の良さの面で言えば、ゲストの側にも提供者に対して配慮ができる。
お互いがプラスアルファの心を持って接していた時代があったから、日本には「おもてなし」という外国の方に接客の見本とされるような素晴らしい文化が生まれたように思います。

この経験が元に私は「等価交換を理解し意識したサービス」「ゲストがスタッフを育てる」といった考え方が出来ていくのですが、それついての詳しい内容はまた別の記事で書きたいと思います。

ちなみに、「お客様は神様です」という言葉を生み出した三波春夫さんも、間違った意味で広まってしまったと苦心されていたようです。

三波春夫オフィシャルサイトより
「お客様は神様です」について

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