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煮魚を美味しく料理することについて考えてみました ~少し料理化学的に~

「何気なく普通にやってることの意味」

煮魚は、沸騰した煮汁の中に魚を入れて、コトコト。火が入ったら出来上がり。それが通常の煮方。今回は料理する「温度」について考えてみました。

先ずはいわしの煮付けを考えてみる

友人に料理科学的な意見を聞いてみました。なかなかこのやり取りが面白い。
魚のたんぱく質は40~50℃で収縮を始める。安全面を考慮すると54.4℃以上。骨の近くは65℃でいかないと身離れが悪い。

西洋料理は、和食に比べて低い温度で料理することが多いです。オーバークック気味の熱々ぷりっとよりも、保水性を持ったしっとり感。

そのあたりも考えながら、温度を変えてつくってみました。

①65℃で30分 身質は柔らかめで、しっとり仕上がりました。煮汁もそんなに濃くなってないです。
食感は好みが分かれるかと。あっさりとご飯がなくても大丈夫。

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②75℃で25分。 中間の味わいです。良いとこ取りの感じです。ご飯と合います。

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③90℃で12分。 身質はぷりっと。熱々で、煮汁も濃くなってます。ご飯が進む味わい。定番です。

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下の写真は、奥から65℃、75℃、90℃です。身の張り具合が違います。

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定食屋や家庭で熱々で食べるのは90℃。美味しさの満足感は高い。ただ冷めると離水してきてパサつきます。美味しさのピークは短いです。

中食や家庭で、事前に作っておいて温め直すなら、もしくはそのままなら65℃や75℃。離水が少なくピークも比較的長い。


どう美味しく食べてもらうのか。食事の状況によって、料理方法の選択は変わるものですね。


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それから、切り身でも実験してみました。

サワラの切り身の煮付け

料理科学的に検証。

料理科学的に話を聞きました。
サワラはアニサキスがいる可能性があるので中心温度60℃で1分以上がいいかな。霜降りする代わりに、事前に日本酒を振ってたんぱく質を固めておくといい。

その話と前回のイワシの経験をふまえて、
①61℃で30分 低温で加熱。

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①身質はしっとりとしていい感じです。柔らかく。温度はぬるくなりますが冷めても美味しい。そのあたりは好みかも。ただ皮が硬めでした。


②61℃で18分加熱した後に90℃まで温度を上げて止める。低温で柔らかく固め、そのあと温度を上げてみました。

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②身質はしっとり、①よりは少し硬めですが、皮もそんなに気にならず、美味しい。


③90℃で4分。そのまま余熱で2分。定番に近いやり方。

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③やはりぷりっとした食感。皮も柔らかく。美味しいです。ただ時間経過と共に脱水が始まりパサついてきます。

方法としては、②が美味しかったです。
それとは逆になりますが、③のように高い温度に入れて、ゆっくり余熱で火を通してもいいかも。
①は皮の硬さが難点なので、先に炙ったり霜降りも。サワラは皮と身の柔らかくなる温度が違うことも発見でした。

美味しくなる温度

何げなく作っていた煮魚ですが、今回は温度にスポットを当てて、料理してみました。出来る限り正確に温度を測るため「Repro」を使いました。美味しくなる温度と時間。なかなか興味深いです。


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