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料理に日本酒を使うということ


先日、日本酒を使った料理の教室をさせていただきました。そもそも始まりは火災にあわれた澤田酒造さんを盛り立てよう。みんなで「白老」を飲もう!ということから。話していくうちに「飲むだけではなく料理に使うと美味しくなるよね」「日本料理店では料理に日本酒をよく使うというけれども、家庭ではいったいどう使えばいいんだろう?」と結構疑問に思っている人が多いから、日本酒を料理に使うコツも教えようということになりました。

日本酒を使った料理を作ってみよう!そしてその料理を日本酒と一緒に楽しもう!

日本酒を使う効果としては、うまみを増やす、甘味をつける、肉や魚のクセを和らげる、アルコールが気化する時に素材の臭みも取る、など言われてます。日本料理でお酒を使う代表的な汁ものといえば、すっぽん仕立てや潮椀があります。すっぽんを煮るときにクセを取るためにたっぷりのお酒を使います。そのため、同様にたっぷりのお酒を使って煮て仕上げる調理をすっぽん仕立てとも言います。それから鯛の潮椀。鯛を昆布だしとお酒で沸かさないようにコトコトと炊き、澄んだスープ仕立てに、少しの塩で仕上げます。

今回の料理で使うお酒は「清酒」です。飲んでおいしいお酒。一部の料理酒のように塩を入れたりしてないお酒です。

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鶏ささ身とひじきの人参ドレッシングサラダ

ささ身を酒と水、白醤油を合わせて煎り煮して取り出し、そこでひじきを煮て冷まします。ささ身はむしり、人参ドレッシングをかけて。酒で煮ることで、鶏の臭みをとると共にしっとり仕上げます。その汁でひじきを煮ることでうまみをひじきにも吸わせて、ひじきのクセも中和します。

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鯛とアサリと春野菜の酒蒸し
フライパンに菜種油で鯛を焼き、春野菜とアサリとトマトを入れて、酒と水と白醤油を入れて蒸し煮します。アクは取らずに強火で!(アクの雑味もうま味に代わります)鯛とアサリとトマトのうまみと野菜の甘味。お酒がまとめてくれます。仕上げに日本酒を香りづけに少し回し入れ、胡椒をガリガリと。和風アクアパッツアです。うま味が凝縮した汁がすごくおいしいです!

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切干大根とアミエビの炊き込みご飯
切干大根を戻し、その戻し汁にお酒と白醤油で味をつけてお米を炊きます。上に切干大根とみじん切りにした油揚げをのせて。炊き上がりにアミエビと三葉をのせてざっくり混ぜます。
切干大根のうまみに日本酒のうまみをプラス。乾物のクセも和らげます。
切干大根の歯応えもポイント。みじん切りにした油揚げが、見た目に分からないところできっちり仕事してくれます。

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酒粕をすり鉢ですって加えているところです。昔ながらの道具を使うのもいいですよね。

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酒粕入りの赤だし

酒粕と豆味噌はすり鉢に入れてだしを加えてすりながら軟らかくします。鍋の中にだしと共に入れてを溶きながら火を入れます。煮立ってきたら豆腐と油揚げを入れて仕上げます。酒粕を入れるとポタージュスープのようなとろみ感が出ます。もちろんうまみも増量です。そして少し煮ることでアルコールを飛ばします。八丁味噌のような3年熟成の豆味噌も少し煮ることで風味を増します。酒粕も豆味噌も主張が強いので、最初は少し控えめに入れるのがポイントです。

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蔵元さんも一緒に。日本酒を使った料理とともに、いろんなタイプの日本酒を楽しみました。日本酒にどれもばっちり合いました。受講された皆さんと共に豊かな時間となりました。日本酒は「国酒」。神様にお供えするお酒です。食材をうまくまとめ、そして人と人とをつなぎますね。


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