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パリのバス:ルートが急に変わる?


バス最高!

パリ旅行では、バスを使った。
運転手さんがいるし、何かあれば安心だ。
外の景色も見られる。
幸い渋滞にも巻き込まれず、
あちこちスムーズに移動できた。
メトロが怖くて乗れない私は、
「バス、最高!」と喜んでいた。

しかし、ひとつ気になることが有った。
あるガイドブックに、
「パリのバスは急に行先を変える事が有ります。」と、
日本では信じられない注意書きが載っていた。
旦那サンに伝えると、
「そんなん、あるはずないわ。」と相手にされず・・。

しかし、ガイドブックは正しかった。

パリ最後の夜、
シャンゼリゼ通りからオペラ方面のホテルへ帰る時の事だ。
Google mapで検索したら、
32番のバスで行けば、ホテル近くまで8駅、約20分だった。
スマホの検索画面をそのまま見ながらバスに乗り込む。

時々停留所名がアナウンスされるが、
フランス語なのでよく聞き取れない。

でも大丈夫。
スマホの検索画面を見れば、
リアルタイムで自分の現在地が示されるので、
今どの停留所あたりを走っているかが簡単に分かる。
非常に有難い。

順調にバスは進んで、
「オペラ」の停留所に着いた。

オペラ座

その時、運転手さんのアナウンスが有った。
フランス語で全く分からない。
バスは夕方で結構混んでいたが、
たくさんの人がどっと降りた。

「さすが、オペラの停留所やな。」
「デパートとかレストランとかたくさんあるしね。」
「メトロに乗り換える人も多いんかな?」と悠長なことを言っていた。

どんどん違う方向へ

私達は次の停留所で降りる予定だった。
しかし、バスはなかなか止まらない。
はっとしてガイドブックの注意書きが頭によぎった。
スマホ画面を慌てて見直す。

リアルタイムで動いているバスの現在地は
検索したルートからどんどん外れて行っている。
しかも違う方向へと!
「ああ!バスも怖いやんか!」

さっきの運転手さんのアナウンスは、
「行先変更します」とでも案内していたのか。
たくさんの人が降りたのも納得がいった。

パリのバス停留所の間隔は結構短い。
「一駅くらい乗り過ごしても大丈夫。」
そう二人で励まし合って、
バス前方にある案内板を、
ひたすら見つめていた。
「次の駅止まります」と、
赤いランプがついてるのを信じて・・・。

しかし、バスはなかなか止まらない。
10分、15分・・・時間は過ぎていく。

もしかして、このまま終点まで止まらないのか?
スピードもかなり出ているような気がする。
治安の悪い所で降ろされたらどうしよう?

車内を見渡すと、
話しかけられそうな雰囲気の人は誰一人残っていない。

運転手さんにお願いして降ろしてもらうしかないか・・。
英語通じるかな?
でも停留所じゃない所では
日本でも止めてもらえないよな・・。

頭の中がパンクしそうになったその時、
一人の欧米人らしき男性が、
運転手さんにかけよった。
何か話しかけている。

と、「キキ―」っと音がしてバスが止まった!
前のドアが「プシュー」と開いて、
その男性が降りた。

その瞬間、
すかさず「私達も降ります!降ります!降ろして~!」と
自分でもびっくりするくらいの大声で叫んでいた。
飛び降りた。

バスは思ったほど遠くまでは行っていなかった。
私達は黙々と
走る様に、自分達の足で無事ホテルに戻った。

少し慣れた頃が危ない

後で、現地のガイドさんに聞いてみると、
「今はオリンピック前で、
あちこち道路の工事をやっていますからね。
通行止めにでもなって、
急にルートが変わったのかもしれませんね。」
と言われた。

反省しよう。
アナウンスがあった時、
たくさんの人が降りたあの時点で、
おかしいと気づくべきだった。

何でも少し慣れた頃が危ないと言うけれど、
これも、個人旅行の経験で
いい勉強になったと思うようにしている。
でも、怖かった〜。







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