2016年10月22日の雑文風日記


 僕は歩く。図書館目指して歩く。そこ以外に行く場所なんて見つからなかったからだ。図書館に着くと、適当に本棚を巡り、目に付いた三島由紀夫全集(文章読本の収録された巻)と、詩経を取り出して2階のソファーへ行く。そこで本を1時間ほど読み続ける。そばの机に座っていた誰かのヘッドホンから絶えず漏れ続ける大音量のロック音楽を聴きながら僕はずっと文章読本を読んでいた。するとあっというまに時間が過ぎて閉館時間の5時となった。僕は申し訳程度に詩経をぱらぱらとめくり、そして「我が心は石にあらず、我が心は席(むしろ)にあらず…。曲げるべからず」とかいう文言に出会った。それだけが印象に残った。衛の詩だったそうだ。

 その後本屋へ行く。用水にかかる橋を渡り、駅前へ。以前楽器屋だった居酒屋から流れる何か肉を匂いを嗅ぎながら、暗闇の中を僕は歩いていく。少し肌寒いので腕を組んで歩く。なんとなく駅前のデッキに上り、人々の様子を観察しながらあてもなく歩いていく。なんとなく道行く人の年齢
が高くなったように感じる。クリスマスのイルミネーションはまだ街には施されてはいない。しかし、そろそろであろう。


 その後本屋へ行き、本を適当に読み、そしてドクターグリップを買った。0.3ミリのものを買ったがこれは失敗だったかもしれない。めったに行かない漫画コーナーにも寄る。新文芸コーナーなる棚があったが、これは要するになろう出身の作家の本を中心に並べたものである。結構なスペースをとっていたので僕は驚いてしまった。「異世界から戻ってきたら江戸だった」というのが僕の注意をひいた。

 帰り、少しだけ雨が降っていた。夜はおでんであった。

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