2013年7月29日の日記


 ランニングをしていると犬から追いかけられた。私は動物にはなつかれるほうなので心外だった。ただチワワのような子犬だったので特に危機感は感じなかった。飼い主はすいませんとか言っていたが、特に追いつかれることもなかったので問題なかった。ただ、その時飼い主が発した言葉が私の心に残った。その飼い主は「噛まないから大丈夫ですよ」と言っていた。しかし早口でよく聞こえなかったので「噛まねえかな大丈夫かな」と言っているようにも聞こえてしまったのだ。この瞬間その飼い主は私の中で二つの顔を見せた。自分の飼い主がランナーにじゃれついて申し訳なさそうに笑っているおじさんとしての顔と、自分の犬が赤の他人に向かって突進していったのにも関わらずどこか他人事のような顔をして笑っている薄情な男としての顔である。おそらくあのおじさんは前者だったのだろう。しかし、後者の悪しきおじさんは私の脳内にあらわれたもう1人のおっさんとして、私の心に強い印象を残したのだ。いわば私は1つの出来事で2つの記憶を手に入れるという実にお得な経験をしたということである。


 私はさらにこんな派生の妄想も楽しんだ。犬が私の足を噛む。一大事だということで飼い主は私を家に連れていく。川沿いの、あの立ち並ぶ一軒やのどこかだ。私は居間に通され、お茶を出される。大したことのない傷だが、飼い主の細君が私の足に包帯を巻いてくれる。私は調子にのって、足がさらに痛くなった振りをする。彼の妻にもっと真剣に私に奉仕するように強要する。育ちのいいその奥さんは親身になって私の傷口をさわったりする…私はついに「傷口をなめてくれ、奥さん。」と言い出す。飼い主は頷く。奥さんはそれを見て、ぬらぬらとした舌を私の傷口に這わせる…かがんだせいで彼女の胸の谷間も、スカートの奥の下着もあらわになった。私は恍惚の表情で被害者を満喫したのだ…


 まあ、それは完全な妄想だが…

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 テレビで淡路島の海岸で開かれたレゲエ大会にジャマイカで有名なジャズダンサーが訪れたということで特集されていた。淡路島とレゲエという組み合わせは私には突飛なもののように思われた。しかしだからこそ私の妄想力を刺激した。私は幻想の翼で淡路島のダンス大会に参加した…


 

 今日したことはそれだけだったろうか?昼寝をしたのだけれど、随分と印象に残る夢を見た気がする。ゴエモンをプレイした気がする。ゲームをしているといつのまにか私は海か川に面した堤防をよじのぼっていた。…後は覚えていない。不思議な夢であった。

 子どもの声で私は目を覚ましたのだ。内容は聞き取れない。しかし何人かの主婦が「かわいいねー。うふふ。」と言っているのは聞こえた。16時半ぐらいのことであったように思う。

 後はヘンリーミラーとツルゲーネフを交互に読んでいた。それが私の1日であった。

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