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2013年の日記

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2013年の日記などをまとめたものです
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#小説

小説「老人」

 僕は死にたくない。でも生きていたくもない。 …と少年が言った。  町外れの公園に少年は…

母音
4年前
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小説「女の子」

「この娘は一体どういう目にあえば声を出してくれるんだろうね?」 と、少女が言った。彼女の…

母音
4年前
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2013年12月14日の雑文「宝箱幻想」

 たくさんの宝箱がある。僕はそのひとつひとつを開けていく。中から何が出てくるかはわからな…

母音
4年前
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杖を持った男①

 杖を持つ男が廊下に立っていた。よく目をこらしてみてみると、それはナガシマだった。 「ナ…

母音
4年前

「僕と烏との小さな対話」

 今日という1日が終わってしまう。かけがえのない2013年10月22日の(現在すでに12時をまわっ…

母音
4年前
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2013年10月11日「雑文あるいは物語」

 世界は滅びていて、僕はその滅びた世界をあてもなくうろつく亡霊だった。行っても行っても廃…

母音
4年前

2013年9月22日の雑文

 自分の中の混乱と向き合うこと、自分の中の混乱をなだめること。そういう困難を作業をこなしていかなければ、人を感動させる文章を書くことなど出来ない。  どこかの塔の屋上で、泥を焼き固めて作った鍋で魔女が野菜やら肉やら薬品やらをごった煮にしている。鼻にたっぷりと出来物を作ったその馬糞の匂いのする老婆はところどころ歯の欠けた笑顔を見せながら僕の目の前のテーブルにそのごった煮をたっぷりとよそった皿を置く。スプーンにはもののみごとに黴がびっしりと生えている。魔女は手をすりあわせながら

2013年9月11日「無題」

「きちんと死骸は燃やさないといけないんだ」  少年はそう言って狼の死骸を脇に置いて焚き火…

母音
4年前
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2013年8月27日の雑文

 ああ、僕はもう全く何を書いていいのかわからなくなってしまった。 何を書いてもそれは僕の…

母音
4年前

2013年8月20日の雑文

 そうだ…俺は甘やかされた子供だ。骨の芯まで凍えてしまいそうな冷たい風にあおられながらス…

母音
4年前
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2013年8月14日の夢日記

 僕は豪華な百貨店にいた。  そこには数多くの仲間がいた。  僕は急に胸が痛くなったので…

母音
4年前
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2013年8月7日「手」

 巨大な手が僕のことを押しつぶそうとしている。蝿とか蚊のように。巨人の手ならまだわかる。…

母音
4年前
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2013年8月7日「散文詩的雑文」

---------------------------------------  いる。  確信して僕は駅の改札をくぐった。利…

母音
4年前
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2013年7月28日「余命3分の少女」

 僕はある病室を想定する。そしてそこのベッドの上に、あと3分たてば死んでしまう少女を想定する。ナースにつれられて僕はこの部屋までやってきた。あと3分。僕は彼女から何を聞きだし、何を癒してあげることができるのだろうか?そうこうしてい内にあと2分だ。 僕は彼女に何を聞くか決めてこなかった。頭の中に浮かんできた疑問を投げかけてみる。 「僕がついているから大丈夫ですよ。心配することないです。」  彼女はくすくすと笑った。僕はあわてて花束を差し出した。あと一分。 「病気はなんな