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柔道整復師の厳しい転職事情


いとうけんです。

元柔道整復師の30歳、現在は地方の企業に勤めて年収は500万円です。


前回は柔道整復師から転職を決めた時の話をしました。



ちなみにオススメの転職先は下記に記載しました。


整骨院業界から転職する事を決めたのは良いのですが、何の業界でどんな仕事に就きたいかを決めないといけません。


とはいえ、実際に転職活動を始めてみると、柔道整復師としての経験しか無い私には、求人を年齢不問・未経験歓迎の仕事で探すしかないと感じました。


その理由を下記に記載するので、転職を考えている柔道整復師は参考にして頂きますと幸いです。


年齢不問の仕事




転職活動を始めた当時、私は27歳でした。


しかし、その年齢なら大抵の会社で主力になっている年代ですから、即戦力を求められる、競争力の高い仕事はまず無理です。
(後述しますが、柔道整復師の経験が他業界では役にたたないため)

さらに27歳は、まだ若いとしても、仮に面接時に同時応募の22歳の人材と比べられた場合、どちらを取るかと言われたら、十中八九若い人材を選ぶだろうと予想がつきます。


なので、まずは年齢不問で人材を募集している業界しか選択肢はないと考えました。


未経験歓迎の仕事しかない




年齢不問の仕事を探し始めてから、試しに職務経歴書を書いてみました。

職務経歴書とは、求人に応募する際、履歴書でセットで送付する書類で、仕事で培ってきた経験や成果を記載するものです。
(詳細は下記リンク参照ください)




履歴書の志望動機や自己PRは、ある程度汎用的な物なので、書きやすいです。
しかし、問題となったのは職務経歴書を書く時です。



「柔道整復師の仕事って、一般的な仕事に当てはめにくくね?」
と感じたためです。

柔道整復師の仕事内容が専門的すぎるのです。



例えば、柔道整復師が健康器具の営業職に応募するとします。


整骨院での実績を、
売り上げ〇〇万円達成!
来院数を月〇〇人増加させる取り組みをした!と職務経歴書に書くとします。


しかし、採用側の会社からすると、整骨院の仕事内容が専門的すぎて、その実績が営業の仕事内容と合致するか未知数です。



健康に対する知識はあるかも知れませんが、営業の仕事に関しては、1から教えないといけないのか、と思われても不思議ではありません。



逆に電気機器メーカーで営業をしていた人が、健康器具メーカーに転職するとします。



職務経歴書には、
売り上げ〇〇万円達成!
受注〇〇%増加させる取り組みをした!
と書くとします。


営業の仕事内容は、汎用性があります。
売る商品の中身が変わるだけで、営業の基本的なスキル(コミュニケーション力、客先折衝能力、社内調整能力等)は他の業界であったとしても活かすことが出来ます。



採用側の会社からすれば、「自社製品の理解さえしてもらえれば、成果を出してもらえそうだな」
と予測がつきます。



柔道整復師でも、患者相手にコミュニケーション能力は磨けるし、物販も行うため、柔道整復師にも営業能力はあると、考えている人がいるかも知れません。


しかし、対患者への営業スキルと対企業、対顧客の営業スキルは全く別物です。


まず、柔道整復師にとって患者(お客)は「来てもらう」もので、営業職は「出向する」ものです。
柔道整復師は患者さんに「先生」と呼ばれて、頭を下げられます。
営業職はお客様に頭を下げます。


つまり、営業職とは自分と顧客の立ち位置が違います。
柔道整復師は、立ち位置として顧客より「上」になります。
営業職は顧客より「下」の立ち位置になります。


「自分の体を良くしてくれる先生が言うなら」とウェルカムな状態で患者に営業する事と、コワモテの百戦錬磨のようなおじさんたちに営業するプレッシャーたるや、比べものになりません。


そのため、柔道整復師の営業能力は、基本的には社会で役に立たないと考えておいた方が良いです。



要するに、柔道整復師のスキルが活かせる仕事は、柔道整復師のみとなります。
一般的な会社からは、仕事を続けた実績のあるドシロウトとしか評価されないと考えて良いでしょう。


ですから、どの業界に転職した場合でも、ほぼ1からのスタートとなります。
(プログラミングとか資格など役にたつスキルがない限り)




そのため、必然的に未経験歓迎の仕事に絞られる事になります。


どの業界を選ぶべきか





今までの話をまとめると「年齢不問で未経験歓迎の仕事に絞る」ということになります。


「そんなの条件が悪い仕事しかないじゃないか」と思うかも知れませんが、その通りです。



柔道整復師の転職は、前述のとおり条件が厳しいです。


私は、高望みせず、さっさと転職してしまって、そこからキャリアアップを狙うべきと考えます。



ただ、転職出来ればなんでも良い訳ではなく、少なくとも業界は自分の価値観に沿った業界を選ぶべきと思います。



例えば、工場ライン作業に就きたいとしても、「車が好き」なのであれば、自動車業界を狙うということです。




ちなみに私は、人に必要とされる、なくてはならない業界で仕事をしたいと考え、社会インフラ(電気・水道・ガス等)に関わる業界に転職しました。


「柔道整復師も人に必要とされる仕事じゃないの?」と思う方もおられると思いますが、柔道整復師は数が多すぎて、過剰供給となっています。




さらに明日整骨院が全国から無くなっても、大半の人の生活は特に変わらないと思います。



それに対して、社会インフラに関わる仕事がなくなったら、普段当たり前に傍受してる便利な生活が激変します。



風呂は沸かせないし、部屋の灯りは点かないし、料理もできない。


それでは日本全体が困りますから、社会インフラを守る仕事は需要のある、絶対になくなる事はない仕事だと考え、私の価値観に合う業界だと考えました。



しかし、未経験歓迎・年齢不問で応募できそうな求人は現場作業がほとんどです。


何も出来ない自分を拾ってくれるか、転職出来たとして、仕事についていけるか。
怖い人がいたらどうしよう、怒鳴られる事もあるかも知れない、と思い不安に思いました。



でも、このまま整骨院で働き続け、自分の価値観に背いて鬱屈と過ごすのは嫌だと考え、最終的に現場作業の仕事に転職しました。




結局、怖い人もいるし、怒鳴られる事もあります。
土日休みもほぼなくて、夜間作業もあるため、整骨院で働いていた時よりも肉体的にキツくなりましたが、精神的には楽になりました。


もちろん給料が増えた事も起因してると思いますが、それでも給料が高いとは言えません。



「もっと給料の高い、違う仕事はないか」と考えてもおかしくないですが、今の会社に転職してから、そういった考えは無くなりました。



それは「価値観に沿った仕事」に就くことが出来て、納得して仕事ができているからだと思います。


「土日休みが欲しい」とか「現場作業が嫌」など、その気持ちは分かります。
しかし、外的な条件は後からどうとでもなります。

実際、私は現在、事務職に配置転換させてもらい、土日休みで現場作業にも出ていません。


しかし、内的な条件(価値観)は、どうしようもありません。


私が今の仕事と同じ条件で、整骨院で働いていたとしても、将来が不安な整骨院業界に身を置く事は、私の「絶対なくならない社会に必要な仕事をしたい」という価値観に反します。


その場合、おそらく「辞めたい辞めたい」と思いながら、整骨院での事務仕事をする事でしょう。


ですから、たとえ条件が悪いとしても、自分の価値観に従って転職する事が大事なのではないかと思います。


結局、自分次第ではありますが、私が思う柔道整復師のオススメの転職先は下記に記載しましたので、よかったら参照してみてください。

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