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全員にオススメはしません。お覚悟ください!鬱々となる映画『インサイド・ヘッド』『パンズ・ラビリンス』  #30DayFilmChallenge

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毎日連載14日目!今日もネタバレ無しで映画おしゃべりをお送りします。

これまでのおしゃべり

登場人物

ことイナリ(文中”🦔”) https://twitter.com/flandore
絵が描けるオタク。ゲームを作った。アニメを作っている。映画が好き。映画絡みの仕事が欲しい。この記事のヘッダーを描いている。
いってつ(文中”👓”) https://twitter.com/ittetu_
脚本が書けるオタク。ゲームを作った。アニメを作っている。映画が好き。映画絡みの仕事が欲しい。

DAY14『鬱々となる映画』

👓「これは二人とも”作品の描写が優れているからこそ陰鬱な気分にさせる”という、ポジティブな観点から選んだ。決して作品ディスでは無く、むしろある種の警告を聴いたうえで見てもらいたい作品だ」


👓「僕は『インサイド・ヘッド』だ」

インサイド・ヘッド
(原題:Inside Out,2015年,アメリカ)
 人間の脳内には五つの感情「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「恐れ」が住んでいる。直面する状況に応じてそれぞれの感情が判断を下したり、大きな事件の記憶・大切な思い出をため込んで性格を形成していく役割を持っていた。主人公のライリーの中ではヨロコビが強い感情としてリーダー格になっていた。その中でカナシミだけは役に立ったことがなかった。そのカナシミが思い出に触れてしまい、ライリーは転校初日に泣き出してしまう。さらにヨロコビとカナシミはもみ合いの末記憶の保管場所まで落ちてしまう。リーダーを失った司令部は混乱に陥り、ライリーの行動も情緒不安定になってしまう。


👓「君🦔はこれをお気に入りと言っていたけれど、僕はこれを受け入れられない......」

編集注:ことイナリ🦔は以前『インサイド・ヘッド』を「苦手ジャンルの好きな映画」に挙げていた。


🦔「それは君個人の経緯のせいでしょ」

👓「そう。これは作品としては本当にいいものだと思う。でも、楽しい気分には決してならない、というのも事実なんだ」
👓「あの映画はつらい人にはつらい映画だ。僕個人としては、安易に全人類に勧められる映画ではない。過去にお気持ちの風邪にかかったことのある人は見ないほうがいいとさえ思う。つらかったころの記憶がフラッシュバックして、一気に症状がぶり返しかねない」
👓「主人公が感情を失って自暴自棄になっていく場面は本当にリアル。それがこの作品のいい点でも悪い点でもある。グロテスクすぎる。僕はこれを映画館で見た。それも試写会だったんだ。だから途中退席するわけにもいかず、かなりつらい経験になった。それっきり、一度も見ていないんだ」

パンズ・ラビリンス
(原題: El laberinto del fauno, 英題: Pan's Labyrinth,2006年,メキシコ・スペイン・アメリカ)
 むかしむかし、地底には王国がありました。その国には病も苦痛もなかった。しかしその国の王女は地上の青空やそよ風に憧れ、一人で国を抜け出してしまう。地上の強い明かりにさらされ、自分が何者なのか、何をするためにやってきたのかを忘れてしまう。さらに寒さ、痛み、苦しみを感じるようになってしまい、死んでしまう。一方地底の国王はいつか王女の魂が戻ると信じて待ち続けるのであった。
 オフィリアの母は陸軍のビダル大尉と再婚する。オフィリアは妊娠中の母とともに軍の要塞へ移り住む。ビダル大尉は冷酷にレジスタンス掃討を指揮していた。ビダル大尉はオフィリアには興味がなく、母も生活のための再婚と妊娠に伴う疲弊でオフィリアにかまえず、オフィリアは孤独であった。夜、オフィリアは妖精にいざなわれ森へ入る。そこでオフィリアは迷宮の守り人パンと出会う。自分が国王の娘君だと言われオフィリアは困惑するが、パンは有無を言わさず自らの出自を証明するため三つの試練を与える。翌朝、パンの言う通り自分の体に王女の印を見つけたオフィリアは試練に挑戦する。

🦔「『パンズ・ラビリンス』は一応のハッピーエンドで終わるんだけれど、それに至るまでがつらいことの連続で......」

👓「エンディングをバッドだと受け取る人もいるみたいだけれど、君はハッピーと見るんだね」

🦔「そうだね。幸せな夢を見た、というかんじかな」

👓「多分全人類があの映画を見たらバッドエンドだという人が多いと思うけれど、パンズラビリンスに興味を持って見ようと思う人たちはあれをハッピーと受け取る傾向があるんじゃないかなあ」

🦔「それはそう!」

👓「この意味深なエンディング解釈を聞いて興味の湧いた人は楽しめると思う」
👓「監督は『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー作品賞を獲得したギレルモ・デルトロ監督。作品の出来はいいはず。あとはあなたが楽しめるかどうかだ」


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