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ブチギレるほど怖い映画と本気で怒らせた映画。『ヘレディタリー』『アダムス・ファミリー(2018)』 #30DayFilmChallenge

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今回はガチ。

毎日連載22日目!今日もネタバレ無しで映画おしゃべりをお送りします。

これまでのおしゃべり

ことイナリ(文中”🦔”) https://twitter.com/flandore
絵が描けるオタク。ゲームを作った。アニメを作っている。映画が好き。映画絡みの仕事が欲しい。この記事のヘッダーを描いている。
いってつ(文中”👓”) https://twitter.com/ittetu_
脚本が書けるオタク。ゲームを作った。アニメを作っている。映画が好き。映画絡みの仕事が欲しい。

DAY22「わたしを怒らせた映画」

👓「え~今回は『ヘレディタリー』と、2019年アニメ版『アダムス・ファミリー』です」

👓「アダムスファミリーについては本気で怒っていますので、同作を気に入っている方はご注意ください」

ヘレディタリー/継承
(原題:Hereditary,2018年,アメリカ)
『ミッド・サマー』で有名なアリ・アスター監督の初監督・脚本作品。
ホラー映画。本当に覚悟がある人だけ見てください。本当に怖くて無理です。PG12指定ですが、個人的にはR18でもいいとさえ思っています。

👓「ヘレディタリーは異常です。まったく受け入れがたい。多分、死体がレイプされる動画を見たときと同じ気分になれます」

🦔「そんなの見たことあるの」

👓「見たことないけれど、たぶんそうです」

👓「全編通してず~~~っと嫌な気分。葬式な場面からはじまって、それ以来家族はずっと暗いまま」
👓「怖さも尋常ではない。いろんなホラー映画を見てきて、僕はずっと『エクソシスト』が頂点だと思っていたけれど、それが更新された」
👓「本当に怖すぎる。視覚的な恐怖だけじゃなくて、登場人物たちを抑圧するいろんな悲しい事件がつらすぎる。はっきりと断言できるのは、この映画を見てハッピー気分になれる人はたったの一人もいない」

🦔「それはそう」

👓「これはホラー映画だから、そんな評価は当たり前というかむしろ賛美にもなるんだけれど......映画を見終わったときに映画を見たという感覚じゃないんだよ」

🦔「あ~~なるほどね」

👓「わかるでしょ? ”いやあ怖かった、すごい映画だなあ”という気分では決してない。インターネットで思いがけず死体写真を見てしまった時のような、いやな気分がただ残るんだ」
👓「実際グロテスクな場面は結構多いんだけれど、そんな話じゃないんだ」
👓「応援上映的な感覚で、叫んだりしてもよい、絶叫上映が行われたらしいんだけれど、そのレポートを読むと、”叫ぶ気満々で来たのに怖すぎて絶句してしまった”とかで劇場内は静まり返ったらしい。

👓「ちなみに僕はこの映画を見て体調を崩した。怖さと嫌悪感で吐きそうになったんだ。自宅のテレビで見ていてこれだから、劇場で見た人たちは......」

🦔「俺も”嫌なもん見たな”って感想だったよ」

👓「僕はこのシリーズ記事のあらすじを全部自分で改めて映画を見返しながら書いているんだけれど、この映画だけは無理。見返せない」

注意!ここからは本気で作品の出来に対して怒りが噴出しています。

2019年版のアダムスファミリーが好きな方。そんな稀有な方がもしいらっしゃったら、そっとおかえりください。




猶予



アダムス・ファミリー (2019年)
(原題:The Addams Family,2019年,アメリカ)
 チャールズ・アダムスによる漫画作品を原作としたアニメーション作品。
 丘の上の屋敷に住まう奇怪な一族、アダムスファミリー。その近所にホームデザイナーが住宅街を作り上げるが、珍妙な一族が近所に住んでいるとなってはイメージダウンになると判断した彼女は家族と対立する。

👓「アダムス・ファミリーについては、僕もキレてるんだけれど、まず君はどう?」

🦔「アダムスファミリーにそぐわないテーマだった」
🦔「”歩み寄って理解しあおう”とか、”マジョリティとマイノリティの融和”とかはアダムスの物語にそぐわないと思った」
🦔「物語序盤でアダムス家は妖怪のように追い立てられ、襲われる様子が描かれるけれど、原作や実写版にそんな描写はなかった。あくまでただの変人一家だったはず。アダムス一家を疎ましく思う隣人の存在や、ウェンズデーの奇怪な行動に動揺する学校の先生は描写されていたけれど、”そういう人たち”でしかなかった。それが作品の良さだったのに」

👓「アダムスの子どもたちが屋敷に幽閉されている点も気に入らない。原作では普通に学校に通っている。”優等生名簿に名前が載って悔し泣き”とか”工作の時間に棺桶を作っちゃう”とか、社会の中に生きていて、社会の中で我を通すというところが彼らの魅力のはずだ」

🦔「迫害するものされるものを設定して、マイノリティへの理解を深めることを啓蒙する構図がきらいだ。そんな映画を見て生じる観客の感情は理解ではなく同情だ。意図と結果が一致しないんだよ」

👓「僕も、今回の作品を見て原作のアダムス・ファミリーや実写版の流れは全く汲まれていないと思った。あれはただ設定とビジュアルだけを流用して、お手軽なハロウィン映画を作ったに過ぎない。悪い意味で”子供向け”だよ」
👓「台無しだと思った。アダムスの良さがパアだ」
👓「なにが腹立つって、この作品がそこそこ儲かったから、また続編を作ろうとしているんだ」

🦔「これが儲かった事実にキれそう」

👓「この映画、監督は『ソーセージパーティー』のコンビなんだ。あれはちょーエログロなトイストーリーってかんじですごく良かったよ。だからこの映画にも期待していたのに、本当にがっかりだ」

🦔「ただ、ビジュアルは完璧だ。原作から小ネタの引用もね。それがまたむかつく」

👓「それが拾えるくせに、あんな作品を撮っちゃうんだ?ってかんじ」
👓「よくこのおしゃべりシリーズで”勧めたいと思う?”って質問をしてきたと思う」
👓「ぼくはこの作品を勧めないし、見ないでほしいとさえ思う」

🦔「俺は、旧来の作品が好きな人にあえて見てもらって釈然としない気持ちになってほしい」

そんなアダムスファミリーにキレている僕らがつくったアニメーションをお楽しみください。



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