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清川発電所水槽(きよかわ、北海道利尻富士町)

●概要
ほくでんネットワーク管理、清川発電所の(堰堤兼?)水槽。
竣功:1920年?  型式:G?
目的:P
   取水量0.51㎥/s
   有効落差20.0m
   最大出力75kW


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:不可 


●参考リンク・引用

https://s807dda027e8fb125.jimcontent.com/download/version/1479864389/module/12649472988/name/ashimoto_Vol.83.pdf


道中

突然だが稚内に行ってきた。目的は利尻の水力発電所である。
(地理院地図より)
利尻には鴛泊清川という2基の水力発電所が有り、ただでさえ北海道、しかも北の北にある離島という事で中々滅多に訪問できる場所ではないが、今回たまたま仕事の都合で北海道に滞在する機会を得、今行かずしていつ行く!と決行。
乗船し、首を長くするまでもなく利尻富士が目に飛び込んでくる。いやはや壮観。一気に虜に。稚内港から鴛泊港までおよそ1時間40分。時期により運行時間帯は異なるが、外周60km程の小さない島ではあるので、水力発電巡りという点では一日で十分楽しめた。欲を言えば一泊したかったかな…。
で、上陸。気分が高まる。
ちなみにこの日、運賃は片道2万少々かかったが車両航送を選択。
島での効率を考えて+少しでも利尻にお金を落とせればと。
海岸沿いをグルリ一周する道道108号。程なくすると清川地区に到着。
お待ちかね、清川発電所が見えてきた。
至ってシンプルな外観。
案内板等も無く、興味のない人は素通りだろう。
殊更に主張しない美学を感じる(謎にポジティブ)。
発電所すぐ北を流れる川。
ヤムナイ沢川とあり、水力DBにおける取水河川を確認。
入口へと廻り込む。
銘板。直近では北海道電力から子会社のほくでんネットワークに移管されており、その痕跡が窺える。これは鴛泊発電所も同様だった。
海へと目を遣る。さすが放水EL3.69m、これ以上無いくらい直接海へと放水していた。
これだけ近いと高波時が心配だがその辺の対策はどうなっているのだろう?
そしてこれはいつも思う事だが、地図上思い描いた光景が目の前に広がる瞬間は、何事にも代え難い感動。
天気にも恵まれ素晴らしき眺め。
放水口に接近。
ちょっと引きで。
建屋。
フェンスの中はこのように。
取水元であるヤムナイ沢川の様子。チロチロと流れていた。
鉄管。残念ながらここからは立禁。
落差は20mだが、木々に阻まれ上までは見通せない。
隣には年季の入った管!もしや運開当初の導水路?
別角度。
別ルートから廻り込み、水槽へ。左手の祠?は関連不明だが、1952年にできたようだった。
接近。北海道電力の看板が残っている。
水槽上流部。どーやらあの小屋から水が供給されているらしい。
水槽下流方向。右ゲート部分が鉄管へと繋がり、左は余水吐自由越流堤となっている。
この向こうに鉄管。
余水吐。
フェンス沿いに廻り込んでみた。手前が発電所へと繋がる。この距離感で画角に収まるサイズ。
そしてやはり気になるのはこの水の出どころ。
この段階では、どこかで取水された水がココに流れているのではないかと想像していた。
詰まる所、別に堰が存在するのではないかと。
建屋裏へ。期待と裏腹に水路やゲートらしきは見当たらない。
別角度。特に水の気配は無い…。
奥へと道らしきが続いていたので進んでみたが・・・
沢らしきが
2本確認できたがいずれもピンと来ず。
(地理院地図より)
範囲を広げ赤丸部分まで行ってみた。
というのも、この沢をヤムナイ沢川とするネット情報もあった為。
水量豊富ではあったが、発電関連の設備は見当たらず。
ちなみにこの沢、ヤムナイ沢との銘も(後に道道にて地理院地図通り豊仙沢川と確認)。
愈々混乱してきたワケだが、結論的には水槽とは別の取水堰は恐らく存在しないようで、湧水による発電を行っているそうだ。この辺り一帯を広くヤムナイ沢と呼び、その湧水を水槽に集めているイメージだろうか?
(地理院地図より)
改めて水力DBの情報を確認してみると、水槽コンクリ壁はおよそ地図上約85m、水力DB記載のダム堤頂長88.99mとほぼ合致。導水路延長は記載されておらず、発電用水の起こりはあくまでこの水槽部分という位置付けなのかと。したがって、湧水を貯留しつつ取水するこの水槽こそが取水堰堤(兼水槽)に相当するとド素人なりの勝手な結論となった。
という事で、今まで無いパターンに混乱はしたが、それも愉しみ。
自分なりに腑に落ちる結果となったのでヨシ!
お邪魔しました~

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