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沙流川堰堤(さる、北海道日高町)

●概要
北海道電力右左府発電所5堰堤の1。
竣功:1961年?  型式:G  
目的:P
   取水量11.0㎥/s
   合計最大取水15.0㎥/s
   有効落差193.9m
   最大出力25,600kW


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:可(川から)


●参考リンク・引用


●道中

(地理院地図より)
北海道南部、襟裳岬にかけて縦断する日高山脈。
その北部・日勝峠付近を水源に太平洋へと注ぐ沙流川。
沙流川は幹線延長104km、流域面積1,350k㎡の一級河川で、川沿いには水力発電所が5基。
その本流最上流部に位置するのが右左府発電所・沙流川堰堤。
左岸側を国道274号が通っており、アクセスはとても良好。
十勝方面へと抜ける道で交通量も多いが。
取水口。
天端はさすがに立禁。
下流面はよく見える。
手頃な崖があったので直下へ。
正対してみると三者三様のゲートが面白い。
決瀉板付きはときめく不思議。
元に戻って上流側から。
中央に簡易的な堤があり、左に謎の建屋が見える。
これは発電所の放水口。
下流方向から。右手におわしますのが放水口と北海道ではよく見るマリネックス。
(地理院地図より)
この放水口は支流ウエンザル川の奥沙流発電所。
香ばしい道があるのでそちらへ進んでみると、
すぐさまゲートがあるのでさっさと諦められる🤮
変に期待を持たされるよりマシ・・・
(上記、水力データベースより)
で、この右左府発電所だが、我らが水力DBにおいては、沙流川ではなく鵡川の発電所として掲載されている。
(地理院地図より)
鵡川は幹川延長135km、流域面積1,270k㎡の一級河川で、沙流川とほぼ並走する格好で流れる。
(地理院地図より) ※赤▲は取水口(と思われる地点)。
右左府発電所は、最上流部の取水こそ沙流川だが、その後は鵡川の支流双珠別川へと流れ、そこから発電所に導水しており、その為鵡川の発電所として掲載されているのだと思う。
今までは漠然とその発電所が最大取水・・・右左府発電所だと15㎥/sの内11㎥/sを取水している沙流川堰堤のある沙流川が、その発電所の所在になるものだと思っていたが、どうも直接の取水元という事らしい。
で、やって参りました双珠別川。
ここは先程の奥沙流と異なり、多少入り込んだ所で、
ゲート。手前に牧場?もあるし仕方ない。
という事で、この先にある双珠別ダムと取水口x3(多分)は、車両では到達不能?
(ダム湖上流側に道が描かれているが行けるか怪しすぎる。)
北海道のダム巡り・発電所巡りはこのパターンが本っ当に多いので大変。
気を取り直して右左府発電所。
これは壮観。山から突如水路が姿を現している。
水槽。そこにギュッと収まった感じが何とも。
接近。4月末、北海道では桜はまだまだこれからという時期。
桜と北⚡️電。
銘板。
先程から当たり前のように書いているが、「うさっぷ」と読むそうで。北海道ムズカシイ…
敷地内に水天宮。
フェンスの隙間から。中央に見えるは放水口の空気抜き?
振り返ると農地と国道を挟んだ向こうの山手前に沙流川が流れているが、この画角内に放水口は無く、
(地理院地図より)
約2km先に放水されている。
(地理院地図より)
ここが少し曲者で、地図を見ると放水口の位置が下流日高発電所堰堤よりも下流にある。
いつものパターンだと赤矢印で付け足した感じで流れそうなものだが…
これに関しては日高発電所に分かりやすい図があったので拝借。
曰く、地理院地図の放水口は確かに放水口だが、恐らく日高発電所停止時用の放水口で、通常は沙流川を潜って日高発電所へと導水されている模様。
こちらが右左府発電所の放水口。右左府発電所は恐らく稼働していたが、ここでの放水は為されていなかった。
更に下って日高発電所の放水口(左。右が沙流川)。
ここで漸く沙流川堰堤の水が双珠別川の水を合わせて沙流川へと還ってきた。
ちなみに日高発電所は日高発電所で約7.5kmもの放水路を備えているが、地下式で落差を稼いだ結果、こうなっていると思われる。
お邪魔しました~

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