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動かない厄介と動く厄介

20230131

火曜日



午前中。

 営業のペロリ(男性)が乾燥した手をスリスリしている。

N「ハンドクリームないの?」

ペロリ「ない。(手が)おばあちゃんみたい」

わたし「おじいちゃんじゃないの?」

N「おじいちゃんもシワシワになるだろうがぁ!
何おばあちゃんだけがシワシワになるみたいに言ってんの!」

ペロリがおばあちゃんになろうとしていない限りはそのままおじいちゃんになるはずだ。

ペロリ「おじいちゃんか」

N「寝るとき手袋するとか」

ペロリ「えーそれっていいの?」

O「いいって聞くよねえ?」

ハンドクリーム買いなや。


去って行くペロリの背中に、

N「おばあちゃんに失礼でしょうが!」

まだ言っとる。






昼。

 掲示板に来月入社するという新しい事務員の事が貼り出されていた。

殿(社長)や取締の姪に当たる人。
わざわざ姪だという説明もないし、苗字が違うからこれは罠だ。
余計なことを言うと伯父、叔母に伝わってしまうかもしれない。

伯父と叔母が自分で自分を慰められない系のナルシストじゃなければ、こんな心配はないのだが。

そろそろ叔母から姪の名札を作るよう依頼が来るだろう。
やらせてもらいまっせー。






午後。

 天気娘(ウェザーガール)のお手伝いだよ〜。


 天気娘の上司、醤油おじさんが会議で余計なことを言った。
「新人もISOのメンバーに入れなさいよー」って。

新人からしたら余計なこと。
新人じゃなくても余計な仕事だと思うもの。

 ISOってのは、品質やらサービスやらの国際規格のこと。
会社がその資格を取得しておくと、お客さんウケがいいのだが、維持するために定期的に審査を受けたり、仕事とは別に活動しなきゃいけないので、正直かなり鬱陶しい。



天気娘「醤油おじさんが会議で言ってくれたみたいなんだけど、新しい人の〜云々カンヌン」

あぁ、天気娘がそれを言い出したのか。

天気娘は自分より楽してる人が嫌いだから、
なぜ殿はチャイナ(天気娘の部下)をISOに入れないのかと、前から怒っていた。

確かに、ISOのメンバーにいつ入ってもおかしくはない。
天気娘達の提案はおかしくはない。

例え、今大きな声をあげたのが、先日のチャイナとの喧嘩の遺恨があるからとか、そんな風に聞こえていても。
提案自体はおかしいことではない。


部下のチャイナがもう辞めると言い出して、
天気娘が土下座で引き留めた喧嘩ね。




殿、忘れてたんじゃないか。



 喧嘩は自分が負けてやったし、せめて負担を少し増やしたろう!って、
天気娘はちょっとした報復を図ったのかなって、喧嘩の名残を感じる。

何かしらで発散しないと、また喧嘩するかもだから、今の天気娘ならある程度の要求が通りやすい状態だ。



わたし「そんなに人数いたって誰もやらなくなるから少数精鋭でいいんですよ」

冗談で発言したが、本当にそう思っている。


天気娘「品質(係)集まってないじゃん」

またこの話だ。
自分だけが不良報告書を書いて、辱めを受けたと復讐心がいつまでも燃えている天気娘。
わたしがISOの品質係(末端)だからこの話を振ってくる。


わたし「集まらないですねえ。最初はなんで集まらないのかと思ってましたけど、

でも集まったところで重大な不良が出てるわけでもないし、何を話合う?って感じです。
何か大きな不良出てました?」

大きいのは、天気娘が型を間違えたくらいか。


天気娘「報告書の流れは?」

わたし「それは周知されてないだけで決まってはいます」

形はね。形は決まった。
誰かさんが周知するって言ってた。誰かさんが。


天気娘「それは赤べこさんが集合かけないの?」

わたし「そうですね。最初は何度か集まらないのか?って聞いたんですけど、品質長(赤べこ)が重い腰を上げなかったので。

品質長の方で活動やってる風の報告を上げてくれるのでこっちは楽ですけど」


データで資料を作っていると、まだ詰めが甘い事に気がつき、話し合いを求めたが、
雰囲気で詰め終わった感がある品質長の赤べこはもう動かない。
昔からこういう人。

"誰かさん"の正体は品質長の赤べこなんだけど、朝礼で周知すると言って何もしない。
考えていることも言わない。本当になかなか動かない人。

しかしこんな影響力なしの赤べこにも良い点はある。


 天気娘は自分より楽してる(と思っている)人や、自分に仕事を振ってくる(仕事だからね)人に対して文句がすごい。

「あたしより早く帰ったじゃん。手伝いにも来ないし。(あたしが大変なのにor仕事を振ったくせに、あたしより早く帰るな)

あたしは自分のが終わったら帰るよ!当たり前じゃん!(なんでそっちを手伝わなきゃいけないのよ!)」


天気娘はこういう日々の怒りを発散させるかのように、面倒臭い要求や、細かい指摘を繰り返す。

その文句は直接その部門に言いに行ったり、よく手伝いに来るわたしに言ってきたりする。

そして品質長(赤べこ)を通して問題にして!と言うこともある。

しかし影響力のない品質長は、そのほとんどを他部署に伝えようとしない。
ケツに火がついた時には来るが、天気娘の愚痴の数を聞いていると、品質長はほとんど動いていない様子。


 上が動かないのも厄介だけど、その場合は自分で動くなり、やりようは見出せる。
動く厄介よりはまだマシなのかなと思う。

なんせ動く厄介は子どもみたいな喧嘩おっ始めるからな。

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