気を利かせ過ぎたあたしにも非があるわね

20230105

木曜日



明けました。


朝。

　パートのピンクさんと星空のディスタンスさんが掲示されている互助会の張り紙を見て、

ピンク「……ヤレバ・デキルジャンさんじゃない？」

星空「色々言ってるらしいからね。3人ですごい言ってたからね」


これは以前から悪い感情を共有していた者同士の会話だ。
パートには嫌われたくないって振る舞いをしているのに、3人って嫌われてたんだな。

詭弁屋ベキ子ことベッキー、ヤレバ・デキルジャン、ポニテの3人。

その3人はよく改善点を訴えてくれる。
「パートさんはもっとこうするべき。でも私達が言い出したってことはバレないように上司達から言うべき」
と、ちゃんと悪感情が自分達に向かないよう念を押しているが、うまくいってないぞ。


星空のディスタンスさんに至っては、「だからベッキー達の昼食のグループから抜けた」という。
ベッキー達と一緒に食べていたが、いつの間にか離脱していた。
聞くと、ベッキー達の発する悪口が非常に気分の悪いものだったらしい。

それはみんな察している。

そりゃあバレるか。






朝礼直前。

　今日はパートも全員来てるから加工室の席が埋まるらしい。多分足りてない。

ボス「机が足りない？……いっつー、今日加工来る？」

わたし「何でですか？」

ボス「席がね」


わたしを数に入れないでいいんで。これからも。






昼。

　殿(社長)が食堂にいた。会社で夢の国に行った時のアルバムが出来たから見てくれって。

誰かが一緒に見てくれるのを少し粘った殿。

昼の準備で慌ただしい中、誰も寄ってこないからすぐにいなくなった。






午後。

　天気娘(ウェザーガール)の手伝いに来たよ〜。新年早々なんでお手伝いがあるのかな〜？
年末「やる気ない」ってわざと仕事止めてたりしたのかな〜？
分からないけど〜。


　そうだ。年末の大掃除の時に、天気娘の仕事道具(プレスの型)置き場になっている棚下を掃除したら、
ダンボールやらほこりのかたまりやらで、悲鳴をあげるほどめちゃくちゃ汚かったって話を天気娘にしなくては。

一度も掃除したことないんじゃないの？ってくらいで、
必要な物なのかゴミなのかの見分けもつかなくて大変だったの〜という事を、天気娘に伝えておいてとパートのお姉様から頼まれていたんだった。


この事を天気娘に伝えると、

天気娘「今年は人が足りなくてやらないっていうから何もしなかったわ」

と言ったすぐ後には、

天気娘「今回、あたしが床に型置いとかなかったから掃除出来たんだね。
型置いておくと掃除して良いのか分からなくてスルーされるんだけど、
今回、あたし自分で見えるとこ掃除しちゃったから掃除出来たんだね」

急にパターンBを話し始めた。
「何もしなかった」のパターンAは聞かなかったことにしてくれって？
ちなみに、どこも全く掃除された様子はなかったです。


　わたしは長々と話をする気はなかったので、
「と言うことで、今年は型部屋の空気綺麗なんで」とめでたしめでたしで話を閉めようとした。

天気娘「型を床に置いて通せんぼしなかったから掃除しちゃったか。少しだけど掃除をした自分にも非があるね」


言い訳が面白いと思っていたが、だんだん聞いてて恥ずかしくなってきた。

どうしても自分には非がないという方向に持っていきたいらしい。
非があるとしたらあたしが気を利かせ過ぎたせいね、って原因をポジティブなものにしてきたパターンB。

開催もしていない大会で優勝したあたしがいけないのねって自慢されているようにも聞こえる。


　パターンAからのこの即座の切り替えを恥ずかしげもなく出来るのがすごい。
大道芸を見てるみたい。






15時休憩。

　また殿が現れた。
縁起の良さそうなどら焼きと大福どちらか1つ〜って旅行行った人のお土産を取締が配布していた。

ちやほやして欲しいんだろうな。