一之森 瑛士

中小企業診断士です。主に小さな事業を営む経営者にマーケティング等の相談や支援をしていま…

一之森 瑛士

中小企業診断士です。主に小さな事業を営む経営者にマーケティング等の相談や支援をしています。小さな事業者目線にこだわりを持ったブログです。

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#19小さな事業者向けマーケティング「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(基本編)

 #03の「演繹法と帰納法」で、マーケティングは帰納法の思考で、基本、自分で法則を作り導き出すもので、仮説と検証を繰り返して実験を行いながら、自社にとってのお客様が反応するマーケティング技法を確立していくことを述べさせて頂きました。  マーケティングは、絶対的な正解がない世界なので、「仮説と検証を繰り返し、マーケティングの技法の確度を高める」ということが重要となりますが、この「仮説と検証を繰り返す」と言うのは、一般的には、PDCAサイクルを回わすと言う、言い方もできるかと思い

    • #38小さな事業者向けマーケティング「なぜ、小さな事業者は、お客様と商品やサービスの絞り込みをした方が良いのか?」

       一般的にも、小さな事業者は、マーケティングを考えるにあたって、「お客様や商品・サービスを絞りこんだ方が良い」ということは良く言われることで、私も現場で度々使うフレーズです。  今回のブログでは、では、なぜ、小さな事業者は、商品やサービスとターゲットとなるお客様を絞り込まないといけないのか?について、改めて、私の見解を述べたいと思います。 【小さな事業者のお客様と商品・サービスの絞り込みの重要性】          ①小さな事業者は、そもそも経営資源が乏しいので商品やサービ

      • #37小さな事業者向けマーケティング「AIDMA」

         AIDMAは、消費者が商品やサービスを購入する際の購入心理プロセスを説明するもので、1920年代と言う約1世紀前にアメリカの広告宣伝の実務家であるサミュエル・ローランド・ホールが発表した理論です。  AIDMAは、マーケティングの世界ではベーシックなもので、マーケティングの教科書には必ずと言って良いほど登場してくる有名な理論です。  この理論は、消費者が商品やサービスを購入する際に、「①Attention(注意)→②Interest(関心)→③Desire(欲求)→④Mem

        • #36小さな事業者向けマーケティング「ツーステップマーケティング」

           今回のテーマは、「ツーステップマーケテイング」です。このマーケティング手法は、そんな、難しい考えではなく、ざっくり言えば、いきなり売りたい商品やサービスを売るのではなく、「段階(ステップ)を設けて、マーケティングに取り組んでいきましょう」と言うことです。  つまり、お客様の心理的なハードルを下げる「入口の商品やサービス」を提供し、関係性を作った上で、「出口となる売りたい商品やサービス」を売っていきましょう、ということです。専門用語で言えば、入口の商品やサービスを「フロント商

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        #19小さな事業者向けマーケティング「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(基本編)

        • #38小さな事業者向けマーケティング「なぜ、小さな事業者は、お客様と商品やサービスの絞り込みをした方が良いのか?」

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          #35小さな事業者向けマーケティング「マーケティングとザイアンスの法則は何の関係があるのか?」

           ザイアンスの法則は、単純接触効果とも呼ばれ、1968年にアメリカのミシガン大学等で教えていた心理学者ロバート・ザイアンス教授が提唱した理論です。  この理論を簡単に言うと、「人間は、ある事柄について、何度も繰り返し、見たり聞いたりして、接触頻度が高まると、初めは興味や関心がなかったものであっても、次第に親しみを感じるようになり、良い感情に変化していく」と言う法則です。逆に、人間は、知らない事柄については、冷たい態度もするという法則でもあります。  この法則は、対人関係も

          #35小さな事業者向けマーケティング「マーケティングとザイアンスの法則は何の関係があるのか?」

          #34小さな事業者向けマーケティング「マーケティングと『新規恐怖』は何の関係があるのか?」

           人間は初めて経験することについては、一定の怖さを感じるものです。これは、人間が慣れ親しいものに親近感を抱く一方で、初めてのものに、一定の恐怖感を抱くというのが「新奇恐怖」です。  恐怖という言葉は少々大袈裟かもしれませんが、身近で例で考えた場合、学生から社会人になる、転職する、結婚する、起業する、引っ越しをする、不動産を購入するなどなど、新たなことをする時には、人によっても感じ方は違いますが、ワクワク感がある一方で、未知の世界に一歩踏み出すことになりますので、一定の恐怖感

          #34小さな事業者向けマーケティング「マーケティングと『新規恐怖』は何の関係があるのか?」

          #33小さな事業者向けマーケティング「マーケティングにおいて、エビデンス(証拠)が、少ない又は無い場合はどうするか?」

           前回の#32「マーケティングにおける『証拠(エビデンス)』の重要性」のブログでは、小さな事業者は信用力がない分エビデンス(証拠)を集め、示すことは大切であることを述べました。そして、小さな事業者の最大のエビデンスは、専門家として活動する代表者自身のキャリアや商品供給の実績等についても述べさせてもらいました。  今回のブログでは、開業して間もない方や小さな事業者が新商品やサービスを開発した場合で、エビデンスが乏しい、若しくは、ない場合はどうするかというのがテーマです。  

          #33小さな事業者向けマーケティング「マーケティングにおいて、エビデンス(証拠)が、少ない又は無い場合はどうするか?」

          #32小さな事業者向けマーケティング「マーケティングにおける『証拠(エビデンス)』の重要性」

           本ブログでは、3C分析を基礎として、「お客様の視点」「ライバルの視点」「自社(商品・サービス)の視点」につき、お客様から共感が得られれば、興味や関心を引く可能性は高いと説明しました。これは、お客様からすると、「お客様の視点」で自分のニーズを満たし、「ライバルの視点」で他社よりも優位性がある商品やサービスにつき説明されていれば、購入の検討に値するということになるからです。ただ、一方で、信用しても大丈夫だろうかという不安が残ります。そこで登場するのが、エビデンス、日本語で言えば

          #32小さな事業者向けマーケティング「マーケティングにおける『証拠(エビデンス)』の重要性」

          #31小さな事業者向けマーケティング「カラーバス効果/カクテルパーティー効果とマーケティングは何の関係があるのか?」

           「カラーバス効果」と「カクテルパーティー効果」は、いずれも、人間は必要な情報、重要な情報には敏感に反応すると言う心理学の理論です。  カラーバス効果は、「色(カラー:color)」と「浴びる(バス:bath)」に由来し、人間は、ある事柄を意識すると、その情報が集まるというもので、「色の認知」以外にも「言葉」「写真や絵」「イメージ」などの事象にも起こるとされています。  例えば、あなたがマンションの購入を考えている場合、マンションの情報が自然と集まり易くなり、マンションのチ

          #31小さな事業者向けマーケティング「カラーバス効果/カクテルパーティー効果とマーケティングは何の関係があるのか?」

          #30小さな事業者向けマーケティング「多数派同調バイアスとマーケティングは何の関係があるのか?」

           #23のブログで「確証バイアス」を紹介させて頂き、人間誰しも、自分の考えが正しいかどうか検証する際、正しさを証明するのに都合の良い情報ばかり集め、不都合な情報は排除する傾向があるという理論でした。  今回のバイアスは、同じバイアスでも、「多数派同調バイアス」と言う心理学の理論です。このバイアスは、「判断しづらい事柄につき、自分の考えで判断しないで、多数派に同調し行動をする」という心理状態のことになります。  で、まず、この多数派同調バイアスにつき、実生活で当てはめてみ考え

          #30小さな事業者向けマーケティング「多数派同調バイアスとマーケティングは何の関係があるのか?」

          #29小さな事業者向けマーケティング「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(マーケティングの基本編)

           #25の「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(質と量編)では、何事も成果を出すには、量と質が重要で、そして、質を高めるには、「基本の反復」による、まず量を多くし、試行錯誤しながら、質に転換していくことが大切である。そして、「企画→行動→反省→改善」の中で、「企画と行動」のセットの回数を多くして、スモールステップでトライ&エラーを繰り返しながら、マーケティングの企画の質を高めるということを述べさせて頂きました。  今回のブログでは、#25で述べた

          #29小さな事業者向けマーケティング「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(マーケティングの基本編)

          #28小さな事業者向けマーケティング「ベンチマーキングって何?」

           前回の#27の「1次仮説からライバルと比較し2次仮説を考える」で「ベンチマーク」という言葉を紹介させて頂きましたので、今回は、「ベンチマーキング」という経営改革や改善手法について解説し、どのように小さな事業者がこの理論を活用していくかを紹介しようと思います。  その前に簡単にベンチマーキングの解説をさせて頂きます。「ベンチマーキング」とは、簡単に言えば、「優れた経営をしている会社から学びましょう」ということです。1980年代に米国企業で経営改革や改善手法として注目されまし

          #28小さな事業者向けマーケティング「ベンチマーキングって何?」

          #27小さな事業者向けマーケティング「1次仮説からライバルと比較を通じ2次仮説を考える」

           #20の「3Cを使った事業の方向性(立ち位置)は『ライバル』と『お客様』を固定化して考える」のブログで、「ライバル」と「お客様」の2つは、極めて流動的なので、固定化して仮説を組み立てないとマーケティングの方向性が安定せず、その際に、固定化させる方法として出てくるのが、「仮想ライバル」と「仮想ターゲットのお客様」という考え方を述べさせて頂きました。そして、仮想ターゲットのお客様や仮想ライバルと自社の棚卸で集めた強み等の情報を軸に、「ターゲットのお客様が買いたい」と思って頂ける

          #27小さな事業者向けマーケティング「1次仮説からライバルと比較を通じ2次仮説を考える」

          #26小さな事業者向けマーケティング「3C(自社・ライバル・お客様)の『戦略的三角関係』を考える」

           本ブログの「小さな事業者向けマーケティング」シリーズでは、3C分析の理論を基礎にマーケティングについて考えていきますが、#15の「小さな事業者は『3C』を実務でどのように活用していけば良いか?」のブログでは、大前研一氏が発表した『The Mind of the Strategist』の本の中で、「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つの視点で分析を行い、この3Cを「戦略的三角関係」とし、経営戦略を考える際に、マーケットにお

          #26小さな事業者向けマーケティング「3C(自社・ライバル・お客様)の『戦略的三角関係』を考える」

          #25小さな事業者向けマーケティング「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(質と量編)

           #19の「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(基本編)では、「企画と行動」「反省と改善」の間に「成果」という考えを入れ、「企画と行動」「反省と改善」を繰り返しながら、企画の精度を高めていきましょう、そして、「企画と行動」の考え方については、「企画×行動=成果」とし、横軸に「企画」、縦軸に「行動」を取り、4つの象限のマトリックス図を紹介させて頂きました。  今回は、小さな事業者がマーケティングを考えるにあたり、この4象限の領域について「質と量」と

          #25小さな事業者向けマーケティング「PDCAサイクルを改良した『企画→行動→反省→改善』の思考法」(質と量編)

          #24小さな事業者向けマーケティング「新しいコンセプト商品でライバルがいない場合どう考えるか?」

           #23の「確証バイアスとマーケティングは何の関係があるのか?」で、社長が時間や労力をかけた想い入れがある商品やサービスについては、主観が強くなってしまい、お客様目線ではなく、社長目線で「絶対売れるはずだ」と言った感じで確証バイアスが起こり易くなる、一方で、社長の想い入れや自信は、お客様を動かす要因の一つになり得ますので、この想い入れ等の強さは大切することにつき述べさせて頂きました。  で、今回のブログでは、このような社長の想い入れがある商品やサービスで、新しいコンセプト商

          #24小さな事業者向けマーケティング「新しいコンセプト商品でライバルがいない場合どう考えるか?」