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Twitterのこと 2.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

「みんながみんな、とても賢い人に思えてくる」と、思わずぼくがツイートしたその賢い人たちが政治や経済、テクノロジーや金融、宗教、なんでも良いけれど、そういった話題をツイッターでされていてもリプを飛ばそうなんてことをぼくは思わない。

以前、身近でこんなことがあった。
今ではフォロワー数160万人を超えるとても著名なインフルエンサーに、ぼくの知人が決して好意的でないリプで果敢にも絡んでいったのをリアルタイムで見たことがある。
その知人はネット関連の仕事をしているので多少なりとも知識には自信があっただろうし、性格的にも何かにつけて一家言のあるいわゆる意識高い系の人だった。
一方、インフルエンサーの人は当時既に100万人近くのフォロワーを持っていたほどの人だったのでスルーやブロックをするなりで終わらせてもいいようなものを、きっと律儀な性格なのだと思うけれど即リプをされた。
それもとても丁寧な言葉遣いをもって、たった140文字足らずの1ツイートでいとも簡単に知人を論破するという瞬間をぼくは目の当たりにすることになった。

何万人ものフォロワーがいる人というのは、ぼくらと同じものを見ていたとしても見え方、感じ方が違うだろうし、その世界で乗り超えてきたハードルや修羅場の数もきっと違うのだと思う。何はともあれ、自業自得の知人よりもそのインフルエンサーの方が1枚どころか3枚も4枚も上手だった。
とても多くの人目に触れる場所で返り討ちにあった知人は、その直後にはいくつかの言いわけめいたツイートをしていたけれど、彼は何がしたかったのだろうか。
もしかしたら著名人に絡むことで自分のフォロワーが増えると考えたのかな、とも思い、その後しばらく見ていたけれど彼のフォロワー数に変化はなかった。

この一件から学べることはいろいろあると思うけれど、ぼくがここで書きたかったのは、このインフルエンサーの反応、リプの速さについてだった。
その見事な返しにぼくは唸らずにはいられなかった。
それは決してググレカスといった雑なものでなく丁寧な言葉遣いであったこと、140文字足らずという簡潔さでありながら知人に反論の余地を与えないだけの説得力を持って黙らせてしまったのだから、それはまるで試合開始9秒でイアン・マッコール選手を左カウンター一発で倒した堀口恭司選手のような鮮やかさだった。

このインフルエンサーが頭のいい人であるのは間違いないと思うけれど、みんながそうなのかといえばそんなはずもなく、普通の人もいればバカ話をしている人だっているはずなのに、どうしてもツイッターにいる人たちからは頭の良さを感じずにいられなかった。

でもそれが何なのか、ちょっとわかった気がする。

ツイッターには、昔からやり続けている人や1日に何度もツイートをしているような人たちが一定数いる。特にこの常時ツイッターをやっている人は得意なジャンルや好きなものこそ違えど、そこに共通するのは瞬発力だと気付いた。
その話題が仕事、恋愛、お笑い、趣味・・・テレビ番組へのツッコミと何であれ、彼らがその時々に選択する言葉、言い回し、表現の仕方はとにかく鋭く、的を得ていて抜群に上手い。その言葉選びの瞬発力やセンスは大喜利を彷彿させ、いつもただただ感心させられる。
その能力が仕事やプライベートにどれほど役立っているのかは人それぞれだろうけれど、少なくともこの人たちがとても頭の回転が速い人たちであることには違いない。

ぼくがツイッターにいる人たちから感じていた「みんながみんな、とても賢い人ばかりに思えてくる」というのは、きっとこれが理由で間違いないと思う。

つづく

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