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「ずるいなぁ」 と 「巧いなぁ」な店づくり
※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。
「個人でも可能な店づくりのヒントやアイデアは、ニューヨークやLAの方が多い気がする」と書いたのは、パリのお店よりニューヨークのお店の方が良いといったことではなく、店づくりにおける再現性という意味でニューヨークのお店の方が現実的に思えたということ。
ニューヨークにも当然投資額の大きなお店もあるけれど、小さなお店から大きなお店まで高価な素材を使用せずともカッコいいお店をつくる術を熟知されているという印象を受けた。
パリとニューヨークのお店からぼくが受けた店づくりの印象は、「ずるいなぁ」というのがパリのお店で、「巧いなぁ」というのがニューヨークのお店。
この「ずるいなぁ」というのは、京都のお店に通ずる印象でもある。
コンセプトにもよるけれど、パリのお店がトータルで “らしさ” を演出する必要があるとすれば、ニューヨークのお店は良い意味でそういったものがなく自由で、アイデアや工夫が至る所にあるので資本力が大きくなくても参考や再現できるものが多い気がする。本当に店づくりが巧い。
それにしても目に入るお店がどこもセンスよくカッコいいのは何故だろうと思ったけれど、そもそも街自体がカッコいいのだから当然といえば当然といえる。
才能は持って生まれてきたものだけれど、センスは環境やその後の努力次第でまったく変わるものだとぼくは考えるので、そう思うと物心ついたころからあの街並みが当たり前にある彼らの手がけるお店がカッコいいのも必然に思えてくる。
だとするとニューヨークのお店も「ずるいなぁ」ということになるな・・・
何はともあれ、環境がその人を形成する上で大きな影響を与えていることは間違いないし、きっとそれは店づくりにも現れる。
ニューヨークではどの店づくりも勉強になったけれど、その中でもぼくの琴線に触れるお店が2軒あった。
1軒は、ニューヨークへ行ったら必ず訪れたいと思っていたBALTHAZARさん。
お店に入ったときの第一声は、やはり「うわっ、AUX BACCHANALESさんや」だった。
原宿にあったAUX BACCHANALESさんは、パリのブラッスリーの多くがそうであるようにトイレが地下にあり、そんなところまで再現されていたことにとても感動したけれど、このBALTHAZARさんも同様だった。
また同じなのは地下にあるというだけでなく、どちらもトイレまでカッコよかった。
そしてもう1軒。
ぼくがこの視察旅行で一番好きだったお店は、THE CITY BAKERYさんだった。
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