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私とラジオと生活と。

高校生の頃、確かあれは地元のローカル局だったと思うけど、友人とラジオに生出演したことがある。当時、JRC部というボランティア活動等を行う部活にも所属していたので、その活動紹介みたいな感じだったと思う(うろ覚え)
公開生放送だったので、観衆もおり、10分弱だったとは思うのだがガチガチに緊張していた。

なぜか話の流れで、SMAPさんの「世界に一つだけの花」の手話を披露することになったんだけども。私は素直に「ラジオだけど大丈夫ですか?」と尋ねた。
その時パーソナリティだった方が「俺が歌うから、ラジオには歌声が流れる。想いや楽しさはきっと届くよ、大丈夫!やって見せてよ」って言って。サビだけだったんだけど、どのように伝わっていたか、周りからどんなリアクションがあったのか覚えていない。

あれから20年近く経ち、私は毎週欠かさず「星野源のオールナイトニッポン」を聴くようになった。

2019年、POPVIRUSドームツアーへの参加が決まり、聴き始めたラジオ。聴き始めて1年後くらい経った2020年。初めてメールが採用された。
ちょうどその頃、2020年7月4日。
私の住む地域も「令和2年7月豪雨」と名付けられた豪雨に襲われ、我が家こそ無事だったものの、道路まで川の水が上がり、舗装が剥がれて流れてきたりしていて、その日は家から出ることが出来なかった。

職場では、自宅の被災した高齢者や、入所施設の被災により、一般避難所では生活出来ない高齢者の受け入れを翌日より始めていた。
固定電話が不通だったため、各所からの問い合わせで個人の携帯電話は鳴りっぱなしだった。
避難所へも出向き、福祉用具の手配なども行った。うちの職場は福祉施設としても稼働していたので、各地から届く救援物資の運搬なども行った。心身ともに疲弊していた。
でも、家も家族も失った人もいる中で、そんな人たちのことを考えたら弱音も吐けず、ただひたすら動くしかなかった。

そこに初めてのメール採用。

とても嬉しかった。疲れきった心にじんわりと沁みていくような感覚だった。そんなふわふわとした、誰にも言えない喜びを抱えていると不思議と体も軽くなり、また走り回ることができた。愚痴をこぼしたわけでもないんだけど、抱えていた「孤独感」みたいなものが一気に吹き飛んでしまった。
なんだろう、この双方向のコミュニケーションは!とこれまで味わったことのなかった感情がたまらず、何度もメールを送ってきた。採用されなくても「こういうメールが沢山きてて」「どれを読もうかな」と時々漏らす源さんの言葉が嬉しく、毎回必ず送るようにしている。

毎週2時間、番組として続けていくのは本当に大変だと思う。でもこうやって言葉を選びながら話をしてくれる、源さんのラジオの存在に私は救われてきたし、これからもそういう場面が出てくるたびに勝手ながら拠り所にして、日々の生活の中に潤いを与えてもらうために、聴き続けると思う。
先日のラジオの最後に「お耳にお邪魔します」と話されていたが、違います!!私が勝手に両耳差し出して聴かせてもらっています!!と伝えたい。

20年前、ラジオを通して「想いや楽しさは届く」と教えてくれたあの方へ、今ならその意味が分かります!覚えていないとは思いますが、今でもこの世界で活躍されているその方の番組へ、メール送ってみようかな。

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