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新しい防災のかたち

今日は私の卒業制作の話をしたいと思います。

美大に通っている私は、卒業制作で「防災」をテーマに作品を提出しました。とある中学校で防災に関するワークショップを行ったのち、中学生のアイディアを反映させた作品を制作するというものです。

今回はワークショップの内容を紹介できればと思います。(作品についてはまたの機会に!)

ちなみに建築学科ですが、設計はせず「防災」をテーマに新しい場のつくり方の提案をしました。

防災といっても、災害に備える形はさまざまですね。

非常食を常備する。
避難場所を確認する。
家具が固定されているか確認する。

自然災害が起こった時に被害を最小限に抑えるためにすることや、その後の生活のための備えなど、できることはたくさんあります。

今回は「避難所生活について考える」という防災の提案をします。

災害が起こった時に大切なこと

災害時のスーパーヒーローは中学生!?

災害が起こった時に活躍するのは実は中学生なんです。

大人は昼間は働きに出ていてその地域のことを知りません。
中学生は普段からその地域で長い時間を暮らしてます。
それに、避難所となる学校を知り尽くしているエキスパートです。

共助の大切さ

自助・共助・公助

災害が起こったときに大切になってくるのが自助・共助・公助の3つです。

その中でも今回注目したのが共助です。

阪神淡路大震災や東日本大震災などの大規模な災害になってくると、公助にも限界があるといわれています。また、東日本大震災では地域コミュニティによって救われた命も多くあったとのことから、共助に注目が集まっているそうです。

ワークショップ内容

2時間のワークショップで行ったのは大きく2つです。

1.避難所生活で役立つこと・困ることを考えよう
2.1で考えたことを解決する方法を考えよう

1.避難所生活で役立つこと・困ることを考えよう

ちびまる子ちゃんやサザエさんといったアニメの登場人物のカード使い、その人物が避難所生活でできること・困ることを考えました。

となりのトトロのめいちゃんを例に考える様子

例えばジブリ作品「となりのトトロ」のめいちゃんだったらどんなことができて、どんなことに困るでしょうか。
(「避難所生活」のワードに固執しすぎずに自由にアイディアを出します)

得意なこと・好きなこと・やりたいこと
→野菜の収穫、トトロを見つけること、家族、どんぐり拾い

苦手なこと・困ること
→遊ぶ場所が欲しい、お母さんとずっといたい

2.1で考えたことを解決する方法を考えよう

1で出た意見から、避難所生活について具体的に考えていきます。

「遊ぶ場所がないし、トトロが好きなめいちゃんだったら避難しているペットと遊べる場所があるといいんじゃないかな?」

「慣れない避難所で過ごすにはどうしたら良いかな?」

今回は、慣れない避難所での生活をサポートするアイテムとして、避難所となっている中学校のことを知り尽くしている中学生による「オリジナル避難所マップ」を作成することにしました。

学校を探検しながら、どの教室が何をするのにふさわしいのか考えます。

マップに書き込む様子

「保健室はお湯が出るから、赤ちゃんのお母さんが使えるようにしたらいいんじゃないかな?」
「音楽室は防音だから夜泣き部屋にしたらどうかな?」

場所性を考えることで、いつも使っている場所も多様な使い方ができますね。

他の班では、避難所で簡単に作れる子どもむけ段ボールハウスの制作、迷子防止のリストバンド制作などがありました。

年齢別に色が分かれるリストバンド

今回のワークショップで伝えたかったこと

建築学科の卒業制作のほとんどが設計です。

その中で私は「場をつくるのは設計者だけではできない。場を使う人が場について考えることが必要だ」と感じていました。

身近な題材として「防災」を選びました。

災害が起こってしまった時。どうやって乗り越えるか。
その一つが場と人について考えることです。

普段みんなが生活している学校という場も、地域のおじいちゃんおばあちゃん、小さい子が暮らすとなると、使い方が変わってきますね。

一人一人が考えることで、より豊かな生活になっていくのではないでしょうか。


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