呼吸がいつの間にか浅くなる

日付がまわった。今日からまた仕事がスタートする。

月曜日が始まる前、特にこの時間はお腹が痛くなる。特に失恋してからは。気がつくと呼吸が浅くなっている。慌てて意識をおへその下、丹田に向けて息をゆっくり吸って吐いてを繰り返してみる。なんどかの深呼吸ののち、ようやく身体が落ち着いてくる。文字通り、精神と肉体の両方が落ち着きを取り戻す感覚が、今はひどく身近に感じられる。

今日、厳密には昨日、ひとり暮らしをするために内見に行ってきた。一人暮らしは人生初だ。いろいろ考えたくなくて、一件だけ見に行って即入居を決めた。審査が順調にいけば年内には契約が完了して、部屋が引き渡される。こんなにスピーディーに進むものなんだなと感心した。

心のなかではずっとくすぶっているものがある。本当なら、好きだったひとと一緒に暮らすために部屋を探す予定だった。もうそれはできない。

もしかしたらまだ引き返せるかもという、叶わない現実が頭に浮かんで消えない。妄想がぼくの行動をいちいち引き止めにかかる。だから内見も一件で済ませた。引き伸ばしたら一人暮らし自体、やめてしまいそうだったから。