見出し画像

空き缶でコメを炊く

去年は空前のキャンプブームだった。
猫も杓子もキャンプ、キャンプと大騒ぎで、アウトドアショップはもちろん、ホームセンターも100均も、どこもかしこもキャンプ道具を売りまくって、コロナで伸び悩む売れ行きも幾らかはカバーされたんじゃないかと思うほどだった。

僕も長いこと野遊び、山遊びをしてきたが、去年の盛り上がりは80年代のオートキャンプブームを超える勢いで、割り込む余地がまったくなかった。
そういう面では新規参入のキャンパーがいささか迷惑と思うところもなくはない。
でも新たにキャンプを始める人たちのおかげで道具類も飛ぶように売れて、売れれば新しい製品も作られるわ、量産で値段も下がるわで、ベテランのキャンパーたちにもそれなりに恩恵はあるというわけだ(壊れでもしない限り買い替えなんてしないけど)。

クッカーに飯盒にメスティンと、一泊のキャンプでどれだけコメを炊くのかと思うほどだが、形から入るのも楽しさのうち。慣れてくれば使う道具は決まってくるし、人によっては極限まで道具を軽くする方向に遊び方を変える人もいる(「ウルトラライト」というやつだ)。

実際は飯盒や土鍋がなくてもコメは炊ける。
家にある手鍋でもフライパンでも、いざとなればビールの空き缶でも炊くことができる。
キャンプブームが起きた副産物は、地震などの自然災害が起きた時の防災用品が家庭に広まったことだと思っているが、肝心なのは知識と経験。「**がない」というのでは宝の持ち腐れになってしまう。

時々「空き缶でどうやって炊くのか?」と聞かれることがあるので、人の役に立つなど似合わないことだけれど、空き缶での炊飯の方法を書いておくことにしよう。

1)米を洗う(無洗米ならそのままで)
2)30分ほど水に浸す
3)空き缶に米と、米の量の2割増の水を入れる(米1合(180cc)なら270ccほど)
4)アルミホイルで蓋をして、小皿などをかぶせ、さらに何か重石を乗せる(不燃のものならなんでも良い。水を入れたシェラカップなどを乗せると、ついでにお湯も沸かせる)
5)吹きこぼれ始めたらそのまま1分。
6)火加減をトロ火にして13分。
7)時間が経ったら火から外し、アルミホイルをしたまま缶を逆さにして10分蒸らす。
これで出来上がり。実に簡単。

飲み干した直後のビール缶だと、ビールの匂いが残っているので、米と一緒に小さく切った鶏肉やキノコ、大さじ1〜2杯ほどの日本酒と醤油を入れて炊けば、ビール臭も気にならない混ぜご飯になる。

病気をして以降、重い荷物も担げなくなったし、去年はおとなしくしていたが、今年の秋からは近場の空いているところを探して、隙をついて楽しもうかと考えている。
キャンプは秋がハイシーズン。願わくば山の中、林の中が静かでありますように。

ぜひサポートにご協力ください。 サポートは評価の一つですので多寡に関わらず本当に嬉しいです。サポートは創作のアイデア探しの際の交通費に充てさせていただきます。