高塚イツキ
年寄りはどうでもいいですが、未来ある方、とくに中高生を救いたい。読めば世の仕組みがわかり人間性を取り戻せますよ。
「おまえとわたし、ふたりで〈黒き心〉を奪還しよう。戦い、勝利し、存分に愛を交わそう。人の生を思い出せ。世にいるほとんどは人に見える豚だ。世の理を知らず、偽りの教えを信じ、苦しみのなかを生き、死ぬ。おのれが生きていることすら気づいておらんのだ」 人はちがう世界に住んでいる。人には心がある。人だけが生を楽しめる。騙し、殺し、奪い、なにも感じない。豚を屠ってなにが悪い。農奴の少年は騎士となる。黒き心を手に入れる。
ファンタジー。世に出たばかりの女の子魔道士がその回のゲストに善いことをしてもらう連続ドラマみたいなお話。
2023年6月23日、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」なるものが公布・施行されました。下民なのでお国の仕組みは知りませんが、たとえば公立学校で研修などを強制すればおカネを動かせますね。映画の前売り券と同じです。人権に絡むイシューなので反対の声を上げづらいというメリットもあります。この手の法律は中身などはどうでもよくて、まず世界標準なので従わなければならないんです。オカマの理解などどうでもいい。そして機に乗じて利権を得る。法
体に取り入れたものが人をかたちづくります。食べ物や空気や薬やお注射などなど。お注射を何度もブチ込んだあと獣のようにキレるようになった53歳の同僚がいます。環境もあなたの言動を支配します。暑かったら暑がります。それだけの話です。非常に単純な理屈なのですがあなたは絶対に受け入れられません。言い訳は無数に存在しています。ストレスのせい、とか、遺伝だから、とか。 わたしの幼馴染みが障害者の子を産みました。幼馴染みの母親は、どうやら隔世遺伝らしい、つまりわたしに非があるのではないか、
朝の通勤時間、みなさんよく走っておられますね。時間を気にするのに時間を守れないというわけのわからなさ。時間はあなたの中で混乱を引き起こす罠の一つです。朝走るのは体内時計とお偉方が決めた時間が合っていないと本能で気づいているからなんですね。だから朝のご家庭ではいろんなドラマが起きるんですね。みなさんお仕着せの時間を守りたくないんです。学校や仕事に行きたくないというのは副次的な理由です。これだけですでに人生がんじがらめだということがおわかりいただけましたでしょうか。 月は13、
基本的な事実なのですが腑に落ちないでしょう。逆にテレビでたまに見る子に無関心な親、育児を放棄したり車に放置してパチンコして熱中症で殺しちゃったりする親がいますね。単に動物として狂っているだけなので除外します。お父さんはあなたが小さいのをいいことに強制的に抱っこしたり手をつないだりします。そもそも扶養とは支配です。毒親だなんだと騒ぐ人はふわっとした「愛」なるものが前提となっているのでドツボにはまるんです。親はふつう子を愛するものなのだ、と。洋の東西を問わず愛はデフォルトではあり
標準以下の知力の方には読み進められない内容です。時間の無駄になりますのでご遠慮ください。 オムツを外してもよくなったらしいですね。劇団員風の二人が外すかどうかについて真剣に語り合っていました。たしかにオムツを外すか否かは大変重要な問題です。本日駅構内で見かけた顔丸出しの人は2人。一人は女子高校生。どちらも美人でした。そういうことですね。 2020年。コロナのことは知っていましたがどうでもいいと思っていました。わが家にはテレビがありません。小説執筆と中世ヨーロッパの歴史にハ
この前電車で大学生らしき仲良し女の子2人組に遭遇しました。一人が楽しげに言いました。 「もう生きてて超楽しいんだけど」 アパレルでバイトをするのだとか。いいですね。こういうのが本来の人間です。虚勢ではなく本当に楽しそうでした(顔色よく造形は美しく健康的。見れば一発でわかる)。友達どうしで公共の場にもかかわらず騒ぎまくる高校生男子、ああいうのもいいですね。マスクのせいか教育のせいかとんと見かけなくなりましたが。われわれ日本人はこういう幸せな人間を見ると眉をひそめます。無言の
フラニアに戻った。冷たい雨が降っていた。冬は近い。 司教館に出向いてモディウスを殺した。絹で着飾ってのんきに魚を食っていた。ベアを目にしたとたん恐怖に顔が歪んだ。 城に向かう。大地は荒れ果てていた。魔物だらけだった。緑色の巨人がうろついていた。なにも怖くない。戦い、傷つき、癒えた。なにも感じない。アデルは奴隷のように働いていた。小銭をやるとうれしそうに受け取った。 聖都でベアを抱いた。はじめて裸を見た。きれいだった。すべてが完璧だった。何度も絶頂に達した。震えながら抱
目が覚めた。美しい顔がのぞき込んでいる。 「きれいに治った。かわいい顔に戻った。わたしのカイン様がまた強くなった」 カイはベアの首に腕をまわした。主人の唇を奪う。一瞬、少女のように驚いていた。 唇を離す。ベアの吐息がわなないた。泣き顔で下唇を噛む。かわいい。戦って宝物を手に入れた。これぞ貴人の営み。世は強い者が得る。相手がどう思おうが関係ない。騙し、殺し、奪い、なにも感じない。豚を屠ってなにが悪い。世に生きているほとんどは人に見える豚だ。ぼくだけではなかった。ぼくだけだ
右足で踏み込む。突く。ヨアニスは引いて避けた。さらに一歩。右からぶん殴る。片手剣を外側に当てていなした。本気になってきたようだ。 ヨアニスは左にまわった。カイは右の膝を深く曲げた。頭を低くして左に薙ぐ。脚を狙う。 ヨアニスは円を描くように剣を下げた。外側からすくい上げるつもりだ。カイは振りながら右手を奥に滑らせた。刀身の中ほどをつかむ。間合いが変わった。 片手剣が空を切った。勢いで振り上げる。隙だ。長剣が振りの途中で止まる。右手の握りを緩めて腰を入れた。股間を突く。
わたしには知恵があるのでできれば最後までお読みください。 すべての根源は無気力と恐怖です。無気力とは主体性がないということ。なのでさまざまな恐怖があなたに取り憑き操り人形のように操っています。おいデブ、おまえのことだよ。いじめや家庭内の不和などもなく友達もいる、でもなんとなく生きていたくない、そういう方もいるでしょう。自分をさらけ出して家族で輪になって大泣きしたいと思いませんか? さまざまな要因によってあなたはどうしてもできないんですね。恥ずかしい、親が応えてくれるはずがな
再び向き合う。ヨアニスは構えない。腹が立つが仕方がない。本気を出す前に仕留めろ。剣が刺さればだれでも死ぬ。 カイは左手を柄頭から離した。踏み込みなしで顔を突く。 次の瞬間ヨアニスの右腕が刀身に絡みついた。剣の腹が頭のてっぺんをぶん殴った。なにも見えなくなった。振り上げてもいないのに。気にするな。ヨアニスはまだ引いていない。 左足を踏み出した。空手の左手でヨアニスの右腕に抱きついた。肘を封じた。引き寄せながら腹這いに倒れ込む。剣を離せ。腕を折るぞ。 片手剣の刃が頬に触
セルヴと連れ立って鎧屋に向かった。新しい手袋を買う。それから長剣の刃を研ぐ。できるだけ鋭く。 広場で布告人が巻物を読み上げていた。皇帝の末娘アンナが病死した。 「アンナ様はご自身がお産まれになった産室で、長く苦しまれたすえ天の楽園に召された。皇帝は深く悲しんでおられる。本日より遊興、運動、過度の飲食を控え、すべての者が喪に服すべし」 次の日の朝、ヨアニスの使いがやってきた。昼に聖堂の鐘が鳴る。武装し、身ひとつで王宮に向かうべし。 全員で貸し屋を出た。鐘の音を聞きながら
セルヴたちが暮らしている貸し屋に移った。晩まで中庭で稽古をした。みなさんざんにぶちのめしてきた。手加減して自信をつけてくれてもいいのに。体じゅうに痣や切り傷ができた。夜は暑苦しくて寝つけなかった。一日一日、死に近づいていく。 敵役のボーモンが肩に手を置いた。顔をのぞき込んで必死な様子で語りかけてくる。 「ヨアニスはおれより強い。だが強さとはなんだ。勝った者が勝ちだ。どんな手を使ってでも、勝てば勝ちだ。勝て。やってしまえ」 カイはうなずいた。クロードが斧槍を抱きながら含み
狭い神殿通りを練り歩く。日が高くなってきた。道も煉瓦の建物もからからに乾いている。巡礼者たちが異国の言葉で騒いでいる。土埃と人いきれで息苦しい。 カイは右手の高い壁を見上げた。兵士がずらりと並んでいた。鉄の兜が陽光を受けて白く膨らんでいる。通りにもうろついている。あれらをまとめているのがヨアニスだ。千の騎士で攻め込んでいたらどうなっていただろう。 道なりに行くと市に入った。人の波を押し分けながら進む。飯屋に菓子屋、土産物屋などが次々とあらわれる。占い札にガラス玉に〈黒き
入都の許可が出た。日の出とともに護衛を従えて南に向かった。 強い朝日が丘を照りつける。瓦礫だらけだ。煉瓦に大理石の塊、地面に埋もれた白い柱。神が業火を降らして滅ぼしたのかもしれない。 苦労しながら丘を上る。行く手に崩れかけの列柱がそびえていた。大隊長のヨアニスが柱を指しながらベアに話しかけている。精悍な顔つきに茶色の坊主頭。目を剥くと狭い額に深いしわが寄った。大きな鷲鼻が恐ろしい。 先頭が歓声を上げた。頂に近づくとカイにも見えた。わざと楽しげに振る舞う。こぶしを突き上
ゾモスの修道院は石橋を越えた川沿いにある。すべての巡礼者は一時滞在する。許可が出たあと護衛とともに聖都に向かう。歩きで半日もかからない。 ヨアニスは庭を突っ切った。回廊を抜ける。兵士が数人ついてくる。腰の剣ががちゃがちゃと音を立てる。修道院は領地そのものが砦になっている。本堂に僧坊、修道士と見習いの住居。厨房に倉庫。かつては城下町と肥沃な土地を備えていた。数百年の戦のあいだに破壊と再生を繰り返した。城下町はいまでは煉瓦と石の丘になっている。 フラニアのベアトリーチェは領