【学生Fエンジン開発】(閑話)エンジン開発の今後

今回は学生フォーミュラそのものとはあまり関係のない話です。
学生フォーミュラに参加している学生は車好きの人が多く、卒業後は自動車メーカーに就職したい人、自動車のエンジン開発に興味がある人も多いかと思います。一方で、昨今のカーボンニュートラルの要求が強いなか、エンジンに関する仕事がいつまで存続するのかを不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
今回は「エンジンとカーボンニュートラル」についていくつかの業界の動向について書きたいと思います。ちょっとした読み物として楽しんで頂ければ幸いです。

●自動車用エンジン
EUでは2030年までに内燃機関を搭載する自動車の販売を制限する計画でしたが、最近、CO2と水素を原料に作る合成燃料(E-Fuel)使用する場合はICVの販売も認めるという方針を示しました。E-fuel使用を認める事で、既存の燃料インフラを活用できることに加え、既に市場に出回っているICVのCO2排出低減も期待できます。ドイツとフランスの政治的駆け引きの側面も強いですが、急激なEVシフトには多くの課題があり、妥当な判断かと思います。
E-Fuelの原料である水素を、カーボンフリーな製法で必要十分量を調達することは難しく、完全なカーボンニュートラルの達成はしばらく先になるでしょう。
2030年の販売規制開始から、2050年に向けてE-Fuelの混合割合を段階的に増やすことになると予想します。
E-Fuel混合により、従来より燃料価格は上昇するため、燃費改善開発の重要度はこれまでよりも増します。

●建設用機械、農機
主にディーゼルエンジンが使用されています。高いトルクを要求される、負荷率が高く回生による燃費改善の恩恵が少ない、給電インフラの整備が困難、といった課題があり、完全電動化は困難な分野です。業界としての方針があまり定まっていませんが、カーボンニュートラル燃料(E-Fuel、バイオ燃料、水素アンモニア等)を利用することで内燃機関の利用が続くと思われます。

●船舶用エンジン
国際流通の主役である海運業界でも、エンジンは引き続き利用されると思われます。航行中に燃料補給が出来ない外航船は、燃料の積載性が重要となります。バッテリーや水素はエネルギ密度が従来の重油と比べてかなり劣るため、活用は困難です。比較的エネルギー密度の高いカーボンニュートラル燃料として、アンモニアやメタノールが燃料として注目されています。現在各社が研究開発を進めており、2030年までには実証船の形になる模様です。

●まとめ
以上のように、カーボンニュートラルの流れによって各分野のエンジンは無くなるどころか、さらなる研究開発が必要となっています。
学生フォーミュラを経験した優秀な学生が、自動車業界のみならず、様々な業界のエンジンに興味を持って頂ければと思います。皆さんの社会での活躍を期待しています。

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