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色彩検定1級取得と、資格への考え方について


こんにちは、イツキです。
この度無事に色彩検定1級に合格し、「1級色彩コーディネーター」の資格を取得しました。
これで、1級・2級・3級・UC級の4資格を、独学ストレート・テキストのみで取得完了しました。

色彩検定をテキストのみの独学でストレート合格したかった理由

試験は1年に2度開催されます。2年間で開催される4試験を、半年に1つ攻略できるよう計画を立て、コツコツとひとつずつクリアしました。
全級とも独学、教材はテキストのみ。それでいてストレート合格できたので、ほっと胸をなでおろしました。

私は、学びに、コストと時間をかけることができませんでした
フルタイム勤務・副業・家族のお世話のため、貧乏な上に、時間もありません。学校に通うのは難しく、高額な通信教育講座の受講もためらわれましたし、問題集などの副教材も高額故に購入を控えて低コストで学びたいと思っていました。
そしてコストの最たるものは「受験料」ですので(1級は1万5千円もかかります)、どうしても一発合格したかったのです。
1万5千円…来年は家族の承認がおりないだろうから、一発で受かるしかないな…という思いが、私に真剣な学びを促してくれました。動機がドケチでお恥ずかしい限りです。
焚き木を背負って勉強をする二宮金次郎、その姿そのままの私でした。

ただ、多くのみなさんが私と同じ状況なのではないかと思います
「時間もカネもあり、教材も買い放題&塾も通い放題!」
という状況は、ごく一部の限られた人だけではないかと思います。
よく、仕事は「ヒト・モノ・カネ」が資源と言われます。学びの場合は「カネ・時間」が資源です。仕事も学びも、「資源」が潤沢に揃う日は、永遠に訪れません。ヒトモノカネの全てが欠如していても、仕事はするしか無いのです。同じように、時間もカネも無いから勉強できないなどと言い出すと、永遠にできません。

私は、能力だの才能だの美しさだのといった「生まれつき配られた才能カード」にはあまり恵まれていません。ただ、配られたカードでなんとかやりくりしよう!という、がめつい根性なら持ち合わせている気がします。

・時間とカネはないが、真面目に頑張る根性なら任せろ!
・努力ならできるが、時間とカネはない!

…という方にとって、この記事は有益なものとなるでしょう。

(ご参考)イツキの色彩検定スコア すべてテキスト独学


※合格は得点率70%が目安と言われています
UC級…200点/200点(得点率100%) ※優秀者表彰授与されました
3級… 184点/200点(得点率92%)
2級… 193点/200点(得点率96.5%)
1級… 一次試験 182点/200点(得点率91%)
    二次試験 161点/200点(得点率80.5%)

そもそも色彩検定とは


ー幅広い基礎知識を学ぶものー
色彩検定とは、公式サイトにもあるように「色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験」であり、まさに公式が述べる通りです。
私は透明水彩を嗜んでいます。この検定では、水彩の配色や混色に関わる色の知識だけでなく、ファッション、インテリア、景観色彩、ビジュアル、色彩心理など、幅広く学んでいくことになります。
ですので「透明水彩の混色配色技法だけ学びたいんだけどな~…」という「限定的な分野での明確な回答を、他者から与えられることを求めている方」には、そもそも不向きです。
自ら答えを編み出そう・問題解決をしていこう、そのために基本的な知識を網羅的に学んでみよう、という人にとっては有益なものになると思います。
(というかすべての学びにいえることだと思います)

ーセンスは自分で磨くものー
色彩検定とは、色彩という解がない分野に対し、科学的に色彩を因数分解し、その知識を供給し取得状況を試す試験です。知識を得ることで、誰でも色彩イメージを再現することができます。
ちなみに「色彩のセンス」は、知識を土台としその上に築くもので、自ら磨いていくものになります。誰かに与えてもらうことは不可能です。
そのため資格を取得しても、ものづくりのセンスが身に付くわけではありません。あくまで基礎的で幅広い知識が身に付きます。センスは、知識を武器に実践を繰り返し自ら磨くしかなく、そもそも他人に与えてもらえるものではない、という認識を持つ方がよさそうです。

取得により売れっ子芸術家やハイセンスなデザイナーになれるわけではなくて、むしろようやく見習い坊主になれるというイメージです。

みなさんに自信をもってハンドメイド絵具をお届けしたい

わたしは、これまでハンドメイドの透明絵具を練り上げていました。
透明水彩作家さんに楽しく絵具を使ってもらえるよう、自分なりに工夫を凝らして絵具を練りご提供しています。
もっともっといい絵具を練りたくて…もっと作品作りに役立つ色を提供したくて…、何かできることは無いか模索しました。絵に関わる資格は学芸員資格しかなく、絵といえば白黒マンガばかり描いていたので、色彩については知識もセンスも乏しいと自己分析しておりました。センスを磨くのは一朝一夕では叶いませんが、せめて知識を習得したいと思い、学び始めたことがきっかけでした。

目的はというと、たったひとつ。
「すてきなハンドメイド絵具を練り上げる」こと。たったこれだけです。
水彩作家さんのお絵描きに役立つ色をご提供し続けたいのです。
そのためには、色彩提案ができるだけの基礎知識が不可欠でした。
「この色を使えば、こういう絵が描ける。この配色がおすすめである。」そういったご提案を、自信をもってやりたかったのです。
これまでも絵具の顔料や色彩の科学については、書籍等で学び続けてきましたが、お守りとなるような資格があればもっと心強いだろうと思っていました。

プロフェッショナルを目指す人にとって、色彩検定は基礎知識であり、強烈なお守りでもある

1級まで取得した今、あえて言いますと「今すぐ絵具づくりに役立つ、問題解決の解としての知識」は、テキストの中にはありません
恐らく色彩検定に興味があるみなさんも、デザイナーならデザインに活かせる、作家なら作品に活かせる何かの「解」を期待していることだと思います。が、テキストの中に「あなたにピッタリなドンピシャな答えはない」のが実態です。というか、人から答えをいただいて、それだけで自己成長できる世界のほうが少ないのではないかと思っています。

得た色彩知識を経験と結びつけ、絵具制作をより良いものとするのは、私自身の仕事です。「あらゆる問題解決は自分の持っているスキルをなんとか駆使して図るしかない」のです。1級までの色彩検定は、プロフェッショナルや独立を目指す方のスタートラインだと考えており、色彩という曖昧模糊な概念と知識でありながらも履歴書に記載できるという点で社会性を備えた強烈なお守りです。私の場合も、1級を取得し、ようやく「皆様にハンドメイド絵具をご提供できる基礎的な知識を得られた」「やっと人前に立てた」と考えています。
お恥ずかしながらも、そろそろハンドメイド絵具の作家と名乗ってもいいかな…?と考え始めているところです。いや、どうしよう、ちょっとてれちゃう。

プロを目指す人にとって、試験なり通信教育講座なり、「ひと様から教えていただける知識」というものは、そもそも「先人の研究により体系化されたものをお裾分けしていただいている状態」であり、「自ら編み出した経験・知識・価値観」ではありません。
大切なのは、これから道なき学びの道を自分で開拓していくことだと感じております。

ということで、小手先ではありますが「合格するためのめっそっど」「合格するためのべんきょうほう」といったノウハウも、誰かのお役に立てるのであればゆっくりご紹介できればと思います。


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