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画家 河村正之さん|あきる野市は人生で一番長く住んでいる場所 第ニの故郷と言ってもいい

五日市に住居兼アトリエを構えて22年の画家、河村正之さんをご紹介したい。河村さんは、1955年山口県防府市生まれ。1987年東京藝術大学大学院美術研究科学術博士号を取得。1999年に福生市から五日市へ移住された。55歳の時、制作に専念したいと東京学芸大学教育学部教授を早期退職。

アトリエの机の上には無数の絵筆、壁には未完成の絵が一面に掛けられている

▲ アトリエの机の上には無数の絵筆、壁には未完成の絵が一面に掛けられている

『音を観る』2021年4月4日の作品(ペン画)

▲『音を観る』2021年4月4日の作品(ペン画)

2年程前から小さな和紙などにペン画を描くようになり、何回かの中断期間を経て、おおよそ800日で500点を描いた。毎日描くなど決めておらず、意味合い、位置付けも無いが、日々降りて来るものを描いてゆく。

ミャンマーへ旅行した際、若者も一生懸命上座部仏教を信仰している姿を見て、「何故人々は宗教を求め必要としているのか?」と考えるようになったという。キリスト教や仏教等の宗教芸術の歴史を思うと、美術と宗教は無関係ではなく、一体と考えるようになったそうだ。作品の中に、そうした考えの片鱗が見て取れる。

『豊饒と忘却の静謐−1』2016年の作品(テンペラと油彩)

▲ 『豊饒と忘却の静謐−1』2016年の作品(テンペラと油彩)

部分(拡大)図。ある意味を内包するローマ字と数字が描かれている

▲ 部分(拡大)図。ある事柄を意味するローマ字と数字が描かれている。見た方に自由に感じて欲しい。

五日市の良さと今後について河村さんに訊ねた。「古い歴史性、民俗性が保存されていること。また、引っ越した当初から近隣の方々がとてもフレンドリーだった。自然と便利さとのバランスが良いあきる野市への移住は良い選択だったと思うし、おそらく今後も此処に住み続けるだろう。芸術とは自然や現実を再現するものではないと思う。自分が見たいけれど実際には存在していないものを造るしかない。見たことの無い世界を描いていきたい。」と穏やかに語ってくれた。

連絡先
Facebook:「河村正之」

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