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インド旅行記 #12【旅が出会いを創り、出会いが旅を作る。】



時計台を後にしたわたしは、次の目的地・Step Well(ステップウェル)へ。今調べてみると、正式な名前はToorji Ka Jhalraらしい。みんなStep Wellって呼んでいたけどね。(きっと正式名称が難しいから) そこは時計台から歩いて5分ぐらいの距離にあった。

(セルフタイマーで撮ったんだけど、周りの人たちにすっごく見られてた・・・!)


今までにみたことのない階段のミルフィーユのような光景がわたしの目にパッと現れた時は、とてつもなく興奮した。水が溜まっている場所からの高低差がとてもあり、見ていると吸い込まれそうになる。ここは1740年代に建てられたらしい。そんな歴史ある場所に時を超えてくることができ、すごく嬉しい。

わたしがその場所を訪れた時は、地元の子どもたちが泳いでいた。中には、飛び込みをする人もいるそう。わたしは壮大な景色を眺めながら、ぼーっとしていた。しばらくして、そこから宿へ戻る為、Uberでドライバーを探す。自分の現在地をピンで示さないといけないんだけど、今いる場所が分からない。



隣に座っていたインド人の男性に話しかける。「すみません、わたしがいる場所ってここですか?」そいう聞くと、「ごめんね、僕も旅行でこの街に来ているから分からないなぁ。」そう彼が答えた。彼も同じ旅人だった。



同じ旅人ということで話が盛り上がり、宿に帰ることなんて忘れて彼との会話を楽しんでいた。彼が住む街がどこだったか忘れちゃったけど、お仕事をお休みして、遠くからバイクで旅をしていると言っていた。「旅の最中にスマホをなくしてしまい、今はガラケーなんだ。」そう言う彼。「バイクで旅をしていて、道が分からなくなったらどうするの?」わたしがそう聞くと、「近くの人に聞けるから大丈夫」そう言った。



確かにそうだよね。
わたしがひとり旅を始めたのは大学3年の夏から。チケットの予約も宿の予約も、道のりも全てスマホ一つでできてしまう。おしゃれなカフェをすぐ検索できたり、トラブルを未然に防げたり、すっごく便利な面もあるけど、彼のように道ゆく人とお話をするチャンスなど、人との出会いの機会の多くを失っているのかもしれない。この会話だって、わたしが実際に彼に話しかけなければ、始まっていなかった。



旅のお話をしている時、「素敵な眺めが好きなんだぁ...!」わたしがそう言うと、「僕が泊まっているゲストハウスのレストランからの眺めがめっちゃ綺麗だよ!」彼がそう言い、連れて行ってくれることになった。日が暮れた頃にレストランに着いた。黄色い照明でライトアップされた、ルーフトップレストラン。少し強いが、風が気持ちいい。目の前にはジョードプルの有名なお城、メヘランガール城塞(じょうさい)。初めて食べる現地料理を楽しんだり、お互いのことを話したり、すっごく素敵な時間を過ごした。



これだから、旅が好きだ。思いがけないひとつひとつの出会いが心をワクワクさせる。旅がわたしを虜にする理由は、きっと、人との出会い。旅が出会いを創り、出会いが旅を作る。



一人当たりたったの1秒だけ会ったとしても、死ぬまでに世界中の人と会うことはできないって言われている。その中で、偶然出会った人と、食事を共にし、素敵な時間を共有するって、とてつもない奇跡で、尊いこと。旅はそれを教えてくれる。これからもひとつひとつの出会いを大切に生きていきたい。

一期一会。



た す く。




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𝐓𝐚𝐬𝐮𝐤𝐮. / 𝐒𝐨𝐥𝐨 𝐭𝐫𝐚𝐯𝐞𝐥𝐞𝐫
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