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第十章 「私のこと、好きよね?」



いきなりショートコント。



ージョイマンによるメンヘラの取説ー


ナナナナ〜、ナナナナ〜〜、
なんだか躁鬱〜〜〜☆

いきなり病んでて、ごっめ〜〜〜〜ん!
今日も寝れまメーーーーーーーーーン!


浮気は〜、許さな〜〜〜〜い、 
でも、わたしは仕方ないっ♪ SAY☆

ナナナナ〜〜、ナナナナ〜〜、
ナナナナ〜〜、治ると思うな〜〜☆



眠剤、起爆剤♪
デパス錠、200錠♪
またいつか、リスカ♪

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さて、本題に入ろう。   


いまの世の中に本当に生きがいをもって
瞬間瞬間を自分らしく生きている人は
いったい何人いるのだろうか。


だいたいの人間は、
世間の風潮というベルトコンベアーに乗せられ

たまたま流れてきた、ちょっと好みな相手と
たまたましばらく付き合っていたという理由で


その場の勢いと、雰囲気と、勘違いに騙され
結婚という闇の契約を結ぶのである。

それを現代用語では「運命」だとか言うらしい




朝は早くから満員電車にゆられて
会社につけば上司の顔色を伺い
仕事が終われば奥さんにこき使われ



気づいたときには
自分を失い、惰性的な人生を歩んで
糖尿病か高血圧で、早々にくたばるのである。


時に、運命は残酷だ。

ぼくもそう思う。


こんなことを言うと、
「コイツ、ついにこじれてたか」とか
言ってくる外野もいるが


僕は、そんな話を死ぬほどきいてきた。



一見すると幸せそうな二児のパパでも
内心そんなこと思っているのかと驚くほどである


結婚は世間が思っているほど
みんなが羨むものではないと僕は思う


「は?私のこと好きじゃないの?」



に対する僕の答えは、



 僕は、きみより僕の事が好きだし、
 きみより大事にしてくれる僕といたい。
 だから、別れよう。  


だった。




我ながら真意ではあったが

残念ながら、これが理解できるほど
彼女の脳みそは、大きくはなかった。


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「何いってるのか全然わからないんだけど!」

「あたしのこと!!愛しているの!?
 愛していないの!!!!!???
 さっさと答えてよっ!!!
 こんなに言ってるのに!!
 あーっ!コーヒーこぼしたわ!!!
 あんたのせいだからねッ!!!!!」


銀座線の中で、
そんなようなことを彼女はシャウトした。

周りの目が痛かった。



「いいや、愛してないね!!!!!」

電車のなかで、そんなことを言えるのは
JOJOの世界だけである。

僕は知らない人のふりをして
彼女のスタンド攻撃が落ち着くまで
天井や、広告、吊り革を眺めていた。

広告にうつる女優は
なんであんなに綺麗なのだろうか
僕も女優やらモデルやらと付き合ってみたいな

付き合いたいと心の中で思ったなら
その時スデに、行動は終わっているんだッ!!

心の中で、何かが聞こえた気がした……


まさか、こんな伏線がすでにあったとは。


僕は、未来を予知するスタンド使いではない。

まさか、あんな幸せな世界が待っているとは。
思いもしなかった。


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「ところで、私のこと好きよね?」

「言ったって分かってもらえないから、、
 僕はこんな目にあっているんだよ」

「嫌いだって言っているんだよ!!!!」
 君に!!すでに!なんども!!!!!!」


この会話を最後に彼女は大人しくなった

それはまるで、嵐の前の静けさだった。


僕はこの静寂がこの先、
永遠に続くものだと勝手に思っていた。

そんなことあるはずもないのに。


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彼女は見違えるほど、いい子になっていた。

いや、確かに凄く大人しくなっていた。

6年間の男子校生活と
ポッポ並の経験値のせいで


当時の僕には

このちょっと変化球が抜けたボール球でさえ、
インハイのストライクに見えていた。

今まで危険球しか飛んでこなかったのも悪い。


この緩急のあるピッチングに
僕はいとも簡単にハメられた。


人生最大の汚点である。


こうして、

僕の第二のポンコツスタンド
「マン・イン・ザ・ミラー」は

彼女の復縁申請および浜松への入国を

許可することとなったのである。。。


to be continued...

















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