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山にあるもの


ほんとうはね

わかってたの

わたしがいま どれだけしあわせなのか

ただ どうしても

街の中に溶け込んで行くうちに

日常というルーティーンにはめ込まれていくうちに

どんどん見える範囲が小さくなって

目を開けていてももう真っ暗なほどに何も見えなくなっていくの

そういう仕組みなの

だから 山にのぼるの

あしもとだけをみて

いっぽいっぽ

現実の底から這い出るように

いっぽいっぽのぼっていく

めのまえにひろがる

ちいさなちいさないえのつぶのかたまりを

それらが うわぁーーーっとたいらにならべられているようすを

とおくから ざーっとながめてみると

ようやくおもいだすんだ

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