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ベンチャーでの育成9ポイント

この記事は何か

人材系ベンチャー6年の育成経験の中で、重要と感じたポイントを備忘録的に書いています。

新卒で現在の会社に入社し、2年目から「自分の目標=組織目標」となり、必要に駆られて育成に取り組む中で度々失敗がありました。
育成は、業務成熟度・年齢・性別などのメンバー、会社・事業状況の組織2点の状況を鑑み力点や力の入れようを変える、非常に難しい業務だと感じています。また、人を育てられる人はそうでない人に比べ、ビジネスマンとしての価値が大きく変わると思っています。
自分の経験が読んでくださる方々の役に立てばうれしいです!

対象としている方

✔︎ 初めて育成に取り組む方
✔︎ 育成経験はあるが悩みある方

補足
本記事は、複数人数への育成を想定して書いています。


まず考えること

1、そもそもやるやらを判断する

全ては社会課題の解決→事業成長の手段のため、「そもそもやるの?」は考えることが重要です。
事業計画作成者に確認しましょう。未来の組織図から「3年後どのような人材がどの程度必要か」から逆算できるのがベストです。
経験上、小規模組織・短期利益が重要なスタートアップ・新規事業に育成は不必要なことが多いです。
人が育つのは時間がかるもので、「今を凌がねばやられる」のであれば、採用の見直しor業務委託活用に取り組むのが良いと思います。
また、営業の育成であれば行動管理の徹底の方が圧倒的に効果が出ますし、その成功体験から学びの意欲が生まれます。

2、明確な目標設定

事業として必要だ!となったら、しっかりと目標設定をするのが重要です。
具体的には「対象」と「その理想状態」です。
どの層を引き上げたいのか、いつまでにどのような成果を上げて欲しいのか、しっかり明確にしましょう。

3、どの程度リソースを割くか

当たり前ですが、基本的に上司の皆さんの方がメンバーよりも時間の価値が高いです。
かつ、育成はやり込み要素も大きいので、特に初期は張り切って思ったよりも時間を割いてしまった・・ということもあるかと思います。
「事業成長のために育成をやり込んだ結果、リーダーのリソースが逼迫し全体成果が下がる」は本当に悪夢です(自分でも他でも何度も見てきました・・)
1番の制約条件である「時間」をしっかり決めるのが良いと思います。

育成にあたって

4、社内に既にある情報を整理する

あるある:0→1で設計に励む
おすすめ:まず社内を見渡す

創業期のスタートアップや新しい職種でない限り、大抵すでに会社の誰かが育成をやっているので、痕跡が社内のGoogleドライブ・slackに点在しているはずです。
なので、過去の育成関連の資料の整理からはじめましょう。
経験上、すでに十分な情報があり、「コンテンツ作りは不要で、整理と加工で十分だ」となることが多いと思います。

5、省エネする

あるある:資料を作り込む
おすすめ:外部から転用・拝借し最低限だけ作る

リーダーの皆さんのリソースが無駄になるのが最も良くないことです。
そのため常に、「最小限で最大のインパクト」を心がける必要があります。
育成は、特に初期資料の作り込み、気づくと時間が・・ということが多いと思いますが、資料のUIとメンバーの理解度は完全に比例しないです(これはあらゆることでそうだと思います)。
 ✔︎ 資料を作り込まない、最小限にする
 ✔︎ 動画の文字起こしをコンテンツにする
 ✔︎ 勉強会後にメンバーにコンテンツを作ってもらう
など、工夫しましょう。

6、部分ではなく全体を見せる

あるある:学ぶポイントを1つ1つ順番に教える
おすすめ:まず全体像を見せる

いきなり部分を話すのではなく全体の地図を見るのがオススメです。
部分部分を見せてしまうと、部分以上に重要な全体感の把握が遅れ、知識はあるが活用できない状況に陥ります。
まず全体感をビジュアルで見せ、
 ✔︎ そもそもどのような部分があるか
 ✔︎ 各部分はそれぞれどれほど重要か
 ✔︎ 部分が全体の中でどんな意味を持っているか
を伝え、そこから部分を掘り下げていくのが良いと思います。

7、意欲を起こす

あるある:自分起点・必要なものをベースで考える
おすすめ:メンバー起点・理解しやすいかを考える

正しいことを伝えるのは上司としてある意味当然で、学びの意欲を起こせるかが分かれ目です。
そのために、
 ✔︎ メンバーの立場に立って教える・コンテンツを作る
 ✔︎ 意味づけをする、メリットを見せる
 ✔︎ 楽しくする
 ✔︎ クイックウィンをうむ設計
 ✔︎ 負担を気にかける(あくまで精神的な負担。物理的な負担は意欲的であれば逆にポジティブ)
が重要だと思います。

8、インテラクティブにする

あるある:黙々と教える
おすすめ:問いかけて教える

複数人へ勉強会やワークを行う場合、インプットだけだと基本的につまらなくなるし、吸収率があがってきません。
「最初にテスト→インプット」など、基本的にインタラクティブにしましょう。

9、”学び方”を教える

あるある:全て自分で教える
おすすめ:社内外の人・本・ネットの情報を活用する

育成をしていくと、学びに意欲的になるメンバーが徐々に出てきます。ただその火はずっとついているわけではなく、意外とすぐに消えてしまったりします。
そのため、点火された時にそれが大きく・習慣となるよう、「メンバーが自ら学べる状態」を作る手助けも重要です。
 ✔︎ 各カテゴリーで難易度別で本や参考記事を載せる
 ✔︎ 社内の詳しい人を繋いであげる
など、機会創出に取り組みましょう。

補足:育成で活用した本

熟達論


筆者が現代の五輪書を目指し、「うまくなるステップ」が書かれた本。原理原則を説いており、ビジネスだけでなく日常生活にも転用しやすいと思います。

コンセプチュアル思考

ビジネススキルを分解した本です。カッツ理論をくむこの手の本は様々ありますが、本書は各スキルの意味をユースケースに当てはめて説明しておりとてもわかりやすいです。

成功する練習の法則: 最高の成果を引き出す42のルール

良い練習がうまく言語化されています。
例示も多くシンプルでわかりやすいです。

小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本

得に小さい子供向けの学習参考書はとても勉強になります。
メリットが明確・わかりやすい・クイックウィンが得れるなど、重要な要素が詰まっている本だと思います。
(ぼくも5分で19×19の暗算を覚えれました笑)

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

「本の読み方」が書かれた本です。
読書が苦手なメンバーには、この系の本をぱらぱらめくってもらうことがおすすめです。

以上、育成に関する雑記でした。
読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば嬉しいですし、ご興味ある方はお話ししましょう!

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