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実家との距離感

実家のメンバーと「さよなら」をするのが苦手だ。実家から帰るときにはいつも、手を振って歩き出す瞬間にじんわりとさみしくなる。

上野駅で母と妹家族と手をふり、息子をうながして電車に乗った瞬間、さみしくてさみしくて仕方なかった。

夫の仕事がなければ、もしかしたら私は大阪で暮らすことを望んでいたかもしれない。子どもの頃から近所に親戚が大勢いたから、今のように身寄りのない状態には慣れていないのだ。

時折ふっとさみしくなるし、実家に帰るとぬくぬくしていられて「あー、リラックスできてるなぁ」としみじみ感じる。それは子どもを持った今でも変わらない。

しかし、新大阪から新幹線に乗って東京駅に着くと、ビシッとスイッチが切り替わるのも確かだ。実家で過ごしているとリラックスしすぎて仕事モードになりにくいけど、東京に着いた瞬間に「よっしゃ。仕事がんばろ」となるから不思議である。

関東の生活は常に刺激があって、向上心を保てる。いわばアクセルを踏んでいるような状態かもしれない。

それに、実家に滞在してから数日経つと、父や母と軽い衝突が起きることもある。離れている時間が長いから、両親とはかなり価値観が異なるためだ。

それは仕方のないことではあるけど、もし今の私が実家の近くに住んでいたら、少なからず息苦しさをおぼえる場面はあると思う。

新幹線で2時間半。3〜4ヶ月ごとに会う。
実家の家族とは、この距離感がちょうどいいんだと思う。さよならの瞬間はやっぱりさみしいけれどもね。

そういえば、以前親友と話していたときに「マイには関東と大阪の”2拠点生活”が合っているのかもね」と言ってもらったことがある。

たしかにそうかもしれない。今の街でアクセル全開に働き、大阪に帰ってスイッチを切る。切り替え下手の私だからこそ「移動」を繰り返すことでバランスがとれるのかも。息子が小学生くらいになると、どうなるかわからないけれども。

これから20年、30年先には親の介護という問題も出てくるだろう。まあそれはそれとして、実家との距離感をうまくはかっていきたいものである。

(Day.19)


▽今日の1冊▽

山内マリコ『ここは退屈迎えにきて』

地方在住女子の焦りや無気力、そして希望をひりりと描いた連作短編集。

爆笑してしまうところもしばしば、しかし身につまされてドキッとすることも。こういう読書体験が大好きだ。

ヒリヒリしてガツガツして、飢えている女子の混乱が痛いほど胸に刺さる。


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