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無名密抄

鏡に映った視線が眩しくて、目を逸らす

声を出してみる

反復。

ひと握りの『同じだね』。

わかってる。

沢山の『違うね』をなぞりたい。

鏡に映った言葉が反射して、目を凝らす

声を聴いてみる

暗唱。

今度、じゃなく今日

いつか、じゃなく今

あかりを落とそうか

鏡に映らなかった視線と言葉が宙を舞う前に

服は着たまま

君が色づく前に

ほんの、もう少しだけ

鏡に映った君と

指先を絡めたいのです

人に当たり前にある死や美しさを、 詩や文で紡いでいます。 サポートをしていただければ製作の糧になります。 是非よろしくお願いいたしますm(__)m