イトウマ

短歌  1998年愛知県弥富市生まれ

イトウマ

短歌  1998年愛知県弥富市生まれ

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自己紹介(2024年版)

はじめに こんにちは。イトウマです。 苗字はなくカタカナ4文字で「イトウマ」です。 変な前ですよね。でも私は気に入ってます。 ところでイトウマって何者?って思いませんか。 よく「いろんな事をしてる人」とか「なんでも屋」と言われたりします。 最近はやっていることの幅を狭めているつもりですが、それでも「何者?」みたいなことを言われたりします。実の姉にも「何してるか全然分からない」と言われたりしました。 なので、このnoteにて今やっていることやこれまでやってきたことをまと

    • 連作短歌「先にいるわたし」(2024.8.18 X投稿)

      言葉より私が先にいるときと言葉が先にいるときがある 生活に取り憑かれてる社会から切り離されて言うことがない 作品にする体力があまりなく話せるだけの言葉しかない 目の前のものが一番おもしろい月の模型が虹色に光る 創作がなくても生きていけるかもとはじめて思う 仕事が楽しい 何ひとつ言いたいことはなくずっと言葉で遊ぶのが楽しいだけ (2024年8月18日にXに投稿した連作です。ここ数ヶ月はとても忙しくて目まぐるしくて、目の前のことをやるのに精一杯でした。それはそれで楽し

      • 連作短歌「それでも暮らしは」(2024.7.21 X投稿)

        上の段から野菜、肉、酒があり実家と反転している重力 歯ブラシを口に咥えてリビングのテーブルに座り話す ふたりとも なに食べた?と聞けばラーメンチックなものと言われたぶんきっと担々麺 急にいなくなったり急にいたりする庭によくいる猫との距離で   それぞれの家から持ってきた食器を同じシンクで洗剤で洗う 九階の風に揺れてる私のじゃないカネコアヤノのTシャツは 作品に何回もする何回もしてるそれでも暮らしはつづく まだ新居って言ってしまう新刊は三

        • 連作短歌「夜二日分」(2024.6.15 X投稿)

          写真って撮り忘れるよね、と言い撮ったお酒の写真だけカメラロールに 食べながらむせたら「旨むせ?」と言われた棒棒鶏は辛くてうまい ちいさめのチョコのアイスと五十円安くて大きいアイスを買った 「いま七月?」「まだ六月だよ」早口でたくさん話す飲み会だった 十五分ある道のりの十分目スマホがないと気づいて戻る ちょっと前大好きだった同い年のバンドの新譜がとても良かった あんかけの焼きそば食べる体内は満たされていくうつくしい沼 好きな虫いますかと聞かれ虫全部嫌いなんだけどせ

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        自己紹介(2024年版)

          連作短歌「茹で海老の夢」(2024.5.7 X投稿)

          新しいハンガーラックの注文もできないぬめり気のある疲労 細く弱い雨に降られて思い出す傘をバックヤードに忘れた 茹で海老の模型が棚に入ってる疲れて見る夢じゃない十四時 どちらかといえば仕事はできてない方です赤と青なら赤です ふでばこに入れた一番の消しゴムみたいな何かを昨日なくした 同僚の名前を覚えられないで「ねぇ」と何度も後ろから呼ぶ 最果てで誰かに会いたい二十二時、バイトを終えて乗るモノレール 新しい仕事に変わってから一ヶ月弱経ったタイミングで詠んだ連作です。引

          連作短歌「茹で海老の夢」(2024.5.7 X投稿)

          連作短歌「こんなの全部一緒じゃないか」(2024.4.8 X投稿)

          剥げている看板いらっしゃいと呼ぶ釣られて入るみたいな昼過ぎ CoCo壱をトッピングなしで食べていてずっとちょっとだけ惨めでした 雨の日の地下鉄、蛍光灯は暗く植物園の匂いがしてる そういうのもういいですよ 十八時のチャイムの曲が変わってしまう ひび割れたスマートフォンが濡れていて霧ではなくて雨だったんだ 騙された気がして何度も振り向いてこんなの全部一緒じゃないか 確か、ちょうど今の働いている場所で働く直前くらいの無職な時期につくった連作短歌です。

          連作短歌「こんなの全部一緒じゃないか」(2024.4.8 X投稿)

          連作短歌「起承転」(2024.3.14投稿)

          フラれてる最中ビュンと風は吹き会話はあとがきみたいになった じっとりと雨が降ってる冬の日に素手でチーズケーキを食べる どう見ても怪しいアプリの広告を飛ばすみたいにお釣りを渡され 始まりと終わりの間に街にいて電車の音がずっと聞こえる 結べないことも結ばないこともある暮らしは起承転までが多い (2024年3月12日にXに投稿した連作短歌です。バタバタとしていた中で生まれた短歌を連作にしました。気に入ってます!)

          連作短歌「起承転」(2024.3.14投稿)

          連作短歌「不具合のあるブルー」(2024.1.19 X投稿)

          若いって意味のみずみずしいだった H2Oたくさん浮かぶ 最終回後に見直し伏線と気が付く初回みたいな会話 かんたんに弾けるコードでつくる曲ひとりで弾くにはちょうど良かった 屋上が立ち入り禁止になっていて高校生になった意味がない 青春と群青と青空の色 同じ色だと分かったふりする 消しゴムで消せない文字が早すぎるBPMの歌詞だったこと (2024年1月19日にXに投稿した連作短歌です。リーガルリリーの「17」という曲を聴きながらできた作品です。学生時代の無敵感も不条理感

          連作短歌「不具合のあるブルー」(2024.1.19 X投稿)

          連作短歌「平積みの本」(2023.12.31 X投稿)

          不安しかなくて真ん中を歩けない深夜のラジオは仲間じゃなくて 計画は何度も壊せその度に戦略を練る 艶のある糸 もうみんな何かを分かっているらしい いくつかあった苦手な飲み会 バランスは乱れて実家の居心地が微妙に悪い二十五の年 リビングのソファに寝転がっていて温風当たらず僅かに寒い 心臓はうねり将来が不安 夜は一気に気温が下がる まだやれるではなくてまたやりたいと言った 結露で濡れる窓枠 平積みの本を跨げば来る明日もっと深くに二〇二四 (2023年12月31日にX

          連作短歌「平積みの本」(2023.12.31 X投稿)

          「omnibus」展示短歌4首(2023.12.17X投稿)

          人生を語り合うとき短編集みたいにかがやく冬の本棚 淡々となりたいものになりたくて瞳に常に春を宿して 分かりやすい言葉で会いに行けるときシロクマだって倒せる気持ち ベランダで前髪を切る戻らないものばかりある秋前の空 (2023年11月25日に開催された本のマーケットイベント「omnibus」で展示をした短歌です。素敵なイベントでしたね。)

          「omnibus」展示短歌4首(2023.12.17X投稿)

          2023.10.9 X投稿短歌4首

          友だちに会いに電車に乗るときのただ運ばれる以上の私 ぼやぼやと頭がしてる風邪だけどこれを恋とか呼んで誤魔化す 太腿をつねる平らな海にする明日になっても消えない気持ち 今すぐにうどんになって淡々とでもどっしりと生きていけたら (noteの投稿をサボってました。こちらもしっかり更新していきたい。)

          2023.10.9 X投稿短歌4首

          連作短歌「ねぇまだ地獄、新しい春」(2023.8.15 twitter投稿)

          いつまでも特別なんてなりたくない 夢、生命がまだ生き急ぐ 探してる波、音、希望 永遠の中から出れず今も化物 生活の中には広い砂漠とか揺れるガラス戸、大きめのソファ 神様の目の前にある地獄から私の地獄はつながる? 死ねない 「ぱりん」って割れる音 生きている音 いつか誰かと茶碗を選ぶ 光る家住んでもどうせ報われない今の地獄で春、歌舞かせて (2023年8月15日にTwitterに投稿した連作です。バイトが急遽休みになり、一日空いてしまったので連作を作りました。星野源

          連作短歌「ねぇまだ地獄、新しい春」(2023.8.15 twitter投稿)

          連作短歌「弱いゴーレム」(2023.8.4 twitter投稿)

          いつまでも虎のような目 鋭くて寝起きのようで孤独が好きで カーテンの隙間から射す朝の陽で目覚めてしまう弱いゴーレム 始まりのようで終末のような朝、きのこ帝国「疾走」を聞く 3階のベランダから見るクレーン車 神の視点で荒野を覗く (2023年8月4日にTwitterに投稿した連作です。人の目を見て話すのが最近できていない気がして、目を見て話すことをなるべく意識しています。誰もが目の奥の方ではどこか鋭い目つきなことを最近知りました。)

          連作短歌「弱いゴーレム」(2023.8.4 twitter投稿)

          連作短歌「サンドウィッチじゃない」(2023.6.30 twitter投稿短歌)

          新卒が全然ダメと言う鬼も悪魔も人も愚痴ばかり言う 喫茶店の背後の席で新卒の愚痴を言ってる 顔は見えない 窓の外、サラリーマンが傘をさす細かいからか雨は見えない 私の前に運ばれてくるサンドウィッチみたいなサンドウィッチじゃないやつ 十三時過ぎれば静かな喫茶店 BGMが急に聞こえる (2023年6月30日にtwitterに投稿した連作です。とある喫茶店にいたときに詠んだ短歌です。サンドウィッチみたいなサンドウィッチじゃないやつ、美味しかったな。)

          連作短歌「サンドウィッチじゃない」(2023.6.30 twitter投稿短歌)

          連作短歌「緑のカウンターパンチ」 (2023.5.31 twitter投稿短歌)

          来週にすぐ会えるのに寂しくて今日がとても良い日だったこと シャンデリアみたいな美しさよりも枯山水みたいだ 横顔 口癖がうつって私の口癖にならない口癖のないあなた 丁寧なハモリで時が止まりそう ぶわっと風が吹いた感情     レコードに残しておきたい音楽とエンジン音と揺れる木の音 海よりも山に行きたいあなたには緑が似合うとさっき気づいた 悪口に笑ってくれる人がいる帰りの車、5月の終わり 春風が夏風になる瞬間にただ穏やかなカウンターパンチ (2023年5月31日に

          連作短歌「緑のカウンターパンチ」 (2023.5.31 twitter投稿短歌)

          本のおおるり亭 toi toi toi展示よりイトウマの短歌

          少しだけマスクを下げた恋人が体育座りで読む綿矢りさ 脳内の貴方と私が喋るとき本物よりも貴方な口調 好きなことやれてていいねと言われても生活があり選んだ道だ ひとりずつ人が降りてく名鉄に季節のような美しさあり 大きくて白ければしらさぎと呼ぶ母が田んぼで見つけるしらさぎ 白い布をかぶっておばけの真似をする これからわたし幸せでいる 有線のイヤホンを挿し上る坂アウトロのとき街を見下ろす 100円で買える自販機を知っている貴方の愉快さ生きてく強さ スナメリとジュゴンと

          本のおおるり亭 toi toi toi展示よりイトウマの短歌