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3年間務めたCTOを退任し、CPOに就任しました

こんにちは。コネヒトという会社で家族向けのサービスをつくっている@itoshoです。先日、コネヒトで経営体制の変更がありました(ちなみにカバー写真は新代表の一人である高橋さんとのツーショットです)。

そのタイミングで僕もCTO(Chief Technology Officer)を退任(「退任」という言葉はしっくりきていないのですが、便宜上使っています)し、新たにCPO(Chief Product Officer)となりましたので、その経緯や想いを綴ってみようと思います。

なぜ公開するのか?

これからお届けする内容は新しい経営体制のDAY1に社内で話したことの一部になりますが、CTOは決して技術者としてのキャリアの終着駅ではありません。ただ、CTOというロールがコモディティ化した中で、CTOの次のキャリアについて悩まれている方も少なくないと感じているので、ソフトウェアエンジニアのキャリアの一つの例として、誰かの参考になれば幸いです。

また、シンプルにコネヒトへの興味を持っていただける方が増えると嬉しいなと思っています。

3年経ったら自分で自分の信を問うつもりだった

僕は3年前に創業者CTOの島田さんからバトンを受け継ぐ形で、CTOに就任したのですが、当時から3年を一つのサイクル(守破離のようなイメージ)として捉えていました。これはCTOはあくまで役割に過ぎないので思考停止でCTOを置きたくないという想いと、役割に過ぎないとは言え、責任あるポジションなのできちんと自分で自分の評価をしなければといけないという考えがあったからです。

逆に言うと、どんなに上手くいかなくても3年はやり切ろうと思っていたのですが、そういった考えがあったので、少し前からどういう環境、どういった体制がコネヒトのユーザーにとって、コネヒトという会社にとって、また、自分自身のキャリアにとって、良い選択なのかを考えるようになりました。幅広い選択肢の一つとして、CTOを辞めて(≠コネヒトを辞める)、イチプレイヤーに戻るという選択肢も当然ありました。

コネヒトはプロダクトの会社である

その中で冒頭の経営体制変更の話があり、前代表の北吉さんの想いを受け継ぐために、新しい経営体制のために、自分が何をやるべきかを更にもう一段深く考えるようになりました。

この時は人生でこんなに悩んだことがないぐらい悩んだのですが、たどり着いた答えは「最高のプロダクトをユーザーに届けたい」というシンプルなものでした。

というのも、コネヒトの主力プロダクトはママリというプロダクトなのですが、ママリはいま変革が必要なタイミングに入っています。誤解のないように伝えておくと、ママリはPMFを果たし、有り難いことに現時点でも既に多くのユーザーに使っていただいています。しかし、だからこそ現状に満足せず、今後はその価値を非連続的に増幅させていくフェーズであるとも感じています。

もちろん、テクノロジーはプロダクトを伸ばすための強力な武器ですが、目的ではなく手段です。それで言うと、プロダクトもビジョンを実現するための一つの方法に過ぎないかもしれませんが、コネヒトはプロダクトで価値提供することを選んだ会社です。

CPO is NOT a manager, CPO is a leader

その前提に立った時、いまのコネヒトに一番必要なのは、プロダクトの青写真を描き、日々のプロダクト開発を力強く推進するリーダーを明確にすることだと考えました。これには組織的な理由もあり、ここ数年組織が大きくなり(これ自体はとても嬉しいことです)、組織はパワーアップしたのですが、分業が進んだ結果、プロダクトの意思決定者が曖昧になってしまう問題がありました。

また、僕自身もCTOに加え、ママリ(特にコミュニティ領域)のユーザーグロースを担う部門の部長や執行役員をやっていたのですが、担うロールが多く、ひとりで検察官と弁護士をやっているような不健全さと中途半端さを感じていました。そこで、今回CxOの一つとしてプロダクトの最終意思決定者であるCPOロールを設け、そのポジションに僕が就くことになりました。

もちろん、簡単ではないことも分かっています。ここ数年、エンジニアの出自を持つ人が事業やプロダクトの責任者になるケースも増えてきました。ただ、多くはSaaSのようなビジネスモデルが明確(≠簡単)だったり、テクノロジーの成長が事業の成長に直結したりする会社が多いと感じています。一方でママリのようなコミュニティ要素を持つ事業やプロダクトはそれとは別の難しさがあると考えています。

ですので、プロダクトに頭も体も100%コミットする必要があると考え、今回CTOだけではなく、執行役員のロールも外してもらいました。コネヒトでは、執行役員が縦のマネジメントラインだとすると、CxOは横のラインだと定義しています。一例で言うと、人事評価に関与することはあっても、そこへの権限は持ちません。

つまり、CPOはマネージャーとしてではなく、リーダーシップを以てして、プロダクトとチームを牽引する立場です。新しいチャレンジであり、ヒリヒリする感覚もありますが、やるからにはしっかりとユーザーに価値を提供していきたいと考えています。

いまはCTOを置かない

ここまでCPOになった背景を書きましたが、最後に次のCTOについても触れたいと思います。結論から言うと、今回のタイミングではCTOというロールは設けないことにしました。

これはCTOを任せられる人が社内にいないという話でも、技術への投資を弱めるという話でもありません。現時点でこの体制がベストだと判断しただけです。

新しいテックカンパニーの形を提示したい

今回、CTOを置かなかった一番の理由は、コネヒトにはConnehito Tech Visionと呼ばれる中長期の技術戦略が存在するのですが、これをちゃんと体現したいと考えたからです。

Connehito Tech Visionでは「Beyond a Tech Company」というビジョンを掲げています。これはテックカンパニーを越えた先として、テクノロジーを中心に据えつつもDevやBiz、開発やセールスといったラベルを曖昧にした「アフターテックカンパニー」を目指すという想いが込められています(詳細はこちらをご覧ください)。

冒頭でCTOを退任するという表現がしっくりきていないと書きましたが、その理由はここにあり、CTOからCPOになるというのは役割のスライドではなく、役割のアップデートだと考えています。自らの役割をエンジニアという枠組みに囚われず、越境していくことがアフターテックカンパニーへの第一歩だと考え、Tech Visionの生みの親としてそれを最前線で体現したいという想いとそれがプロダクトの非連続な成長に繋がると信じ、今回このような決断をしました。

また、CTOというロールは技術への理解や投資が充分でない組織の中で、シンボリックな存在として必要とされるケースもあります。しかし、コネヒトは既に技術で勝ってきた会社であり、その理解が充分にあります。ですので、特定の誰かをシンボルとせずとも、技術の活用を加速させられると信じていますし、投資もこれまで以上にやっていきたいと思います。

もちろん、状況に応じて再びCTOを置くこともあるかと思いますが、変化が当たり前の社会において、もっと役割に弾力性を持たせ、柔軟に組織をアップデートし続けることが重要だと考えています。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。長々と書きましたが、まだ何も成しえていませんし、ロケットスタートではないですが最初の1年が非常に大切だと考えています。

その中で、僕自身も強い覚悟と矜持を胸にユーザーへの提供価値を最大化していきたいと思っていますが「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め。」ということわざの通り、まだまだその「みんな」を増やしたいと思っているので、1mmでも面白そうかも?と思った方は是非お気軽にご連絡ください!

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