【かなえたい夢】南北1,000kmの"わくわく挑戦海域”へ
はじめまして。幼少から東京にある3つの離島(伊豆大島、父島、八丈島)で流れ育ち、現在はJターンという形で東京の島々で活動をしている"いと〜まん”こと伊藤奨と申します。東京諸島でメディア、ゲストハウス、シェアハウス、ガイドなどをしています。
さわかみ投信さんの”かなえたい夢”のイベントが、夢の言語化の良い機会と思い、まとめてみることにしました。
詳しい自己紹介は以下をぜひご覧ください。
▷前提として東京諸島とは
東京には11の有人島が存在します。そのエリアはなんと南北1,000kmに渡ります。その全ては海洋島であり本土と一度も接していたことがないので、独自の自然、文化を形成しています。同じプレート上の島々ではあるものの、成り立ちや地質が違うために、風土としての個性も豊かです。人口規模は150人〜7,500人と小・中・大規模の島に分けられます。ダイビング、ドルフィンスイム、フィッシング、トレッキング、クライミング、ジオツアーなど観光的なアクティビティも楽しるポテンシャルを持っています。伝統的な祭や行事も多く、多くの文化遺産がある島々でもあります。
▷夢の先にみたい世界があります
僕の夢を実現した先にある世界は、島に愛と誇りを持った人々が、挑戦の旗を立て"わくわく"でしのぎを削り合いつつも、大きな方向性では連携している世界。
"戦国時代"と言えば大袈裟で物騒にも聞こえるかもしれませんが、各藩の誇りを持った武将が自分の領土や人々を守るために旗を立てていたというイメージでは共通します。もちろん、しのぎを削るのは武力ではありません。"わくわく"をベースとした挑戦です。
▷では僕の"かなえたい夢"とは
つまらないと言われるかもしれませんが、僕の夢は、
”夢の先にみたい世界”に近づくために僕だからこそできることに全力で時間とお金と愛を費やし続ける人になることです。
僕の夢にゴールという地点はおそらくなくて、"そんな人でありたい"という感じです。ある意味、スタンスとしてはすでに達成しているのですが、”続ける”ことが夢なので、これは自分の人生の最後の瞬間に、ようやくジャッジメントができるのだと思います。
▷"ありたい姿”になるための起業という選択までのプロセス
僕は大学時代、保健体育の教員になるために勉強をしていました。しかし、進路決断が迫ってくるころになって「僕が新卒で先生になったところでいったい何ができるのだろう」というモラトリアムに陥り、気が付けば進路を決められずに卒業を迎え、新卒フリーターとなりました。島で育った頃は優秀ともてはやされた僕のはじめての挫折でした。
やりたいことがわからずモヤモヤしていた僕は、東京スカイツリーから茨城の水戸までノンストップで歩いたり、各地の山で逆立ちをするという謎の趣味を見出したり、力の使い所がわからずやさぐれていました。
ある日、横浜での飲み会で朝までオールした次の昼、古本屋に立ち寄り(普段たいして本も読まないのに)とある本と目が合います。それは、『7つの習慣』。おもむろに本を開くと「終わりを思い描くことから始める」と。その内容は衝撃的で、自分のお葬式での弔辞において、家族や友人、仕事仲間やパートナーなどからお別れの時にどのような言葉を投げて欲しいのか。それが、君の"ありたい姿である"とのこと。この本を100円で買い、それから2日間読み続けました。
この「終わりを思い描くことから始める」ワークに取り組んだ結果、言葉を欲しい対象自体が島に寄っていることに気がつきました。こう言ってもらえる存在になるためには、もたもたしていられない。若いうちに島に飛び込んで、一体何が本質的な困りで自分に何ができそうなのかを当事者として捉えなければいけないと思い、起業と島への移住を決意しました。
▷島の当事者に戻ったことで”あること”に気が付く
先進国の中で真っ先に人口減少タームに入ったのが日本。その先端に位置するのが離島。東京都の離島とは言え、人口減少は着々と進行しています。島の人口が減少していることは、前から知っていました。
ただ、他の県の離島への視察に行ったことで、東京都の離島の特性に気がつきました。それは、道路が綺麗なこと、公衆トイレが綺麗なこと、あらゆる補助が充実していること。
これはいい事。しかし反面、潤沢な東京都予算により守られている島であり、この東京の島々の島民に危機感が芽生えにくい状態になっていることです。誇りを持って事業に取り組む方ももちろん出会いましたが、「がんばらなくても何とかなる」という諦めに近い言動への出会いの方が圧倒的に多かったのです。
『守られ過ぎると、弱くなる』
このことに気がついた瞬間に、僕だからできることを改めて考えはじめました。今起きている課題(と言われるもの)への対処療法ではなく、根本的な「自分たちの大切な場所は自分たちで守るんだ」というマインドを持って挑戦する人を増やすことが大切だしやりたいと。何故ならば、例えば僕だけの事業が成功したところで、僕の"ありたい姿”には到達しないからです。1人の100歩より、100人の1歩を踏み出せる環境づくりが僕はやりたいんだと感じ、行動方向性を修正してきました。
▷僕の"得意なこと"は何だろう
・「東京の島々」という情熱の対象
・「守りたい繋ぎたい」という価値観
というところまでは出揃ってきたのですが、実際何ができると一番僕が僕を活かせるのかがボヤけていました。そんな時に出会った本があります。『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』という本です。出会ったのがコロナ禍だったこともあり、時間だけはありましたので、この本も読み込みました。
得意なことを見つけるワークをやってみると、どうやら『環境を整える』ということで輝いている瞬間が過去にたくさんあったことに気が付きました。例えば小学校の掃除の時、花形のほうき係ではなく、僕が先に机を移動させておく方が全体として早く上手くいくと思って自然と行動していました。その結果全体が上手くいった時に、僕は小さくガッツポーズをしている様な人でした。
▷方向性が見えてきた僕がやること
本当にやりたいことが30歳手前でようやく見えてきて、いよいよ面白くなってきました。お金も経験もなく起業したあの日から、ガムシャラに蒔いてきた種がいくつか芽吹いてきた感覚です。
【僕がやること】
・島に愛のある人を増やすこと
・島に愛のある人の地域への関わり代を生み出すこと
・挑戦しやすい環境をつくること
・挑戦している人の誇りを可視化すること
・東京諸島というエリアで連携できる文化をつくること。
逆に言えば、上記に当てはまらないことをはやらない。やっている時間はない。断ることもする。
▷2024年、具体的な挑戦
| 直接事業のコンパクト化
ゲストハウスや飲食店、シェアハウスやガイドなどの現場の事業は少しずつコンパクトにしていきます。どれも大好きで意味のある事業だけれども、僕自身は東京諸島を横に駆け巡ることで価値が伸びる人材。大志のためには、手放したり変わったりしていくことを決断していかなければいけない。ここで得た繋がりや知恵は定性的な資産としてこれからの環境づくりに大いに応用していきます。
| メディア『東京都離島区』のパワーアップ
2022年1月に2社目として立ち上げた株式会社TIAM。大島のデザイナーの千葉さんとお互い副業のような形で育ってきました。その中で立ち上げたメディア『東京都離島区』。港区の先に離島区がある。東京諸島はそれくらい誇りを持てるエリアだという矜持を込めて名付けました。しかし、副業体制での注力であり、どうしても記事量や自主プロダクトの勢いが伸ばせませんでした。2024年からは、代表である伊藤と千葉の比重をTIAMに移すこと、社員として1人ジョインしてもらうこと、東京諸島出身の学生インターン生に有償でのプロジェクトを渡してくことを決めました。メディアとして魅力的であり、希少な情報が集まってくる回路となることが、経営としも重要だと判断しての決断です。
| 文脈で繋がるエリアとの資源交換拠点の整備
島には資源がありますが、ないものもたくさんあります。TIAMとしての事業を始めてから、熱海、下田、多摩、竹芝などの文脈上繋がりのあるエリアでジブンゴトで挑戦する方々との出会いも多くありました。そんなエリアとの"交易"を起こすことで、お互いの資源を交換して商品やサービスを開発したりコラボレーションしたりすることで付加価値を上げる仕組みをつくりたいと考えています。島にいる人だけが島を愛しているわけではないですし、島の中のモノやヒトだけで商品をつくる必要はないと思います。
とは言え、スローガンに終わりたくないので交易拠点を整備していくことを決めました。まずは『下田』。物件やプロジェクトの詳細はまたご報告したいと思います。
▷共感いただけた方は『東京都離島区』を今後もよろしくお願いします
長文を読んでくださった方、ありがとうございます。東京の島々は素晴らしい素材を持っていると思います。しかし、それを自慢しているだけでは価値に昇華しません。現代を生きる人々に、東京の島々の素材を活かしてどう”お役立ち”できるかを考え続け、行動していく必要があると思っています。誰かのお役に立ってこそ、価値となり、島の誇りとなります。そのためには、多様な角度の視点で考え行動していくことが必要です。そういう意味では、関わりの方法や深さは問題でなはく、愛を持って自分なりに関わってくださる方の総数が東京諸島のパワーになります。ぜひ、皆さんのお力をお貸しください。関わっていただけたら、島はあなたの心の居場所の一つになれると思います。
ではまた!
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