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訳せる日までググるかよ

「短歌が好きで、古文も勉強始めたんですよ!」

そんな私の話を聴いてくれていたのは繁忙期の2ヶ月だけ勤めに来てくれた上品な4,50代の女性だった

結婚やら介護を機に辞めたけど、仕事がバリバリできるため急遽呼び出されたようだ

身体が細く、長い丈のカーディガンを着こなし、いつも笑顔であり、緑のフチの眼鏡がよく似合う


でももうあっという間に2ヶ月経ってしまって、あーあ!さびしー!なにかあげよう!と思ったので緑のしおりをあげました

昼休みはお互い本を読んでいて、本の話をよくしたし、しおりってなんか知らないうちになくすものだからちょうどいいなと思った


私はマカロンとパウンドケーキを貰いました

内緒よなんて笑って私ともう一人だけに少し大きめの袋をくれたのが、特別を感じて少し嬉しかったです


でも朝来たら和紙に包まれた少し高そうな小分けの袋のおかきの詰め合わせが机にありました


みんなに配ったやつなんだろうなって何気なくいろんなおかきを楽しんで、何も考えず食べ終わったら、底に和歌が書いてありました


大江山 いく野の道の 遠ければ
      まだふみも見ず 天の橋立

第六十番 小式部内侍




まだ古文わかんないし、ありがとうって言えないじゃんと、私の隣の席にはもう出勤しない素敵なあの人に心の中で悪態を投げつけた

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