どうか死んでいて

こんなにも 死んでいてほしいと 思ったことは無い

銀色のドリルで ギリギリと削られる
痛くなったら やめてくれるらしいけれど
つばが溜まって ごぼごぼとしか音がならなさそう

小さなときにこけて グラグラになった前歯
知らない間に15年も 生死を彷徨っていた

生とも死とも言えないものが
たくさんの人間の前に さらされていた

不思議だけれど 今は死んでいてほしい

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