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パネライ cal.9000

今回はパネライの自社製ムーブメントcal.9000をバラしていきます。
スペックとしてはスモールセコンドの三針振動数は毎時28800振動のツインバレルにフリースプラングの仕様。
ムーブメント径が大きいので小さな部品はほぼ無いと言っていいでしょう。
それではローターを外して

少し寄り過ぎな気もしますがまぁいいでしょう。
写真を撮るときの距離感は人との接し方の距離感の取り方と同じで下手なのです。
上部に外れてるネジが4本。これが自動巻き関連の部品を固定している受けのネジです。それを外すと。

そうなんです。セイコーの専売特許のはずのマジックレバーです。部品点数の少なさ、必要な面積の小ささから採用したのでしょう。
まぁあんなにずっとリバーサー方式を採用し続けたヨーロッパの方々の頑固さは謎ではありましたが。
現在このマジックレバー方式の巻き上げ方式を採用しているメーカーは多々あります。タグ・ホイヤーにボームアンドメルシエ、カルティエなんかも採用しています。他のメーカーも採用しているでしょう。

ここまで分解してしまうと普通のムーブメントと何ら変わらない。。。どころか他のムーブメントより簡素で扱いやすいいい時計です。

テンプとアンクルを外して、受けのネジまで外したところですね。香箱と輪列が丸ごと一枚の受けでサンドイッチされてます。3/4プレートと言われるタイプです。
ドレスデンにあるランゲアンドゾーネ、ノモス、グラスヒュッテ・オリジナルなどが好む形です。受けも取ると

こうです。隙間多め。ツインバレルは2種類あるのですが、それは今後紹介できればと思います。真ん中の銅色の部分はセンターセコンドにマイナーチェンジしたりクロノグラフのランナーを置いたりするためのものでしょう。
この汎用性の高さも良いところですね。
次は裏周りに行きましょう。

んー、ここまでは気にならなかったのですが、こちらのネジはよろしくないですね。
以前どこかでオーバーホールされているのか。

ネジの拡大です。溝がガッツリ歪んでます。
ドライバーの厚みを調整せずに使ったのでしょう。雑です。
どこかにオーバーホールを依頼した際にはそういうところも見ていただくといいでしょう。今後の会社選びにも役立ちます。

裏側までシンプルオブシンプル。
部品での少なさ=破損する可能性のある部品の少なさと捉えてもいいでしょう。故障しにくい時計の特徴です。

この歯車がカレンダーを送るものになります。こんな形初めて見ました。今回の時計はここが一番の驚きでした。

裏側がマルタ十字になっていたんです。
なぜこのような形にしたのか分からないけど何かあるんでしょう。
カレンダーの早送り禁止時間帯がなくなる。
進めたり戻したりができる。
という2点がありますが他にもあるのでしょう。
知識が足りなくて分からない・・・・
カレンダーの台座となる板を外すと。

上弦の弧の形の部品はハックレバーとなっています。
テンプの位置がリューズから遠いからこのようなの長い部品になっています。
裏側は普通ですね。特に特徴もないでしょう。

以上がパネライのcal.9000でした。
径が大きく、厚みもあるため男性のドレスウォッチや女性が使う小径の時計には向きませんが良いムーブメントです。

今までは既製品、というかブランド物の時計の内部を紹介してきましたが今後は自分で制作している時計の経過報告等もできればと思います。

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