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【読書感想】クララとお日さま

※「面白かった」と思った本だけを紹介します
※なるべくネタバレ無し、特に考察も無し、ゆる~い感想です


「クララとお日さま」
著:カズオ・イシグロ/訳:土屋政雄
早川書房/2021年3月刊行

クララとお日さま | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)

AIのクララ視点でお話が語られます。

カズオ・イシグロの小説は「わたしを離さないで」、「日の名残り」の順で読みましたが、やっぱり一人称視点がめちゃくちゃ上手だなぁ~!!
主人公と一緒に驚いたり、喜んだり、傷ついたり(これ重要)…。どの小説も心にグサグサ刺さります。
ほんと、傷つくんだよね…なんかもうね……。

クララのいる店舗などは、ゲームの「デトロイト ビカム ヒューマン(Detroit: Become Human)」みたいな感じかなぁと想像して読みました。
AIが普及した社会ってこんな感じだろうか。
きっと高くて買えないだろうな(笑)

あらすじ(紹介文?)には、

人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱な少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問う感動作。

早川書房/「クララとお日さま」

「愛とは、知性とは、家族とは?」とありますが、個人的には「心とは?」が入っていても良いなと思いました。
AIのクララは、めちゃくちゃいろんな事を考えたり感じたりしています。
そして、『あるもの』を信じたりします。
「もうこんなん心あるやん……」と思いながら読んでいました。

聞きなれない用語や会話の内容などは、ほとんど説明が無いまま進むため、「一体何のことなんだ…?」から始まり、徐々に「え?まさか、こういう意味…?」、最終的に「うわ~!そういうこと!?」となり、「もう一回読もう…」という気にさせられます。

本やゲームもそうですが、1回目(初見)だけが味わえる面白さがありますよね。そして、意味を知ってから読む2回目、3回目も、また違った風に楽しめるという…。
この小説も、そんな物語だと思います。

結末についても、人によって感じ方が違う物語というのは、感想を言い合えるのが良いですね。
私は、読み終えた瞬間「…クララァ!!」となりました(感想じゃない)。

まだ1回しか読んでないので、再読が楽しみです。
早く文庫化してくれ~!

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